慶尚北道の聞慶(ムンギョン)へ1泊2日で行ってきました!

ソウルと地方をつないだ昔の道とオミジャとりんご、そして温泉で有名な聞慶に行ってきました!

こんにちは、ソウルナビです!今年(2012年)の秋を楽しむ地方旅行はどこにしようかなといろいろ調べたところ、慶尚北道(キョンサンプット)の聞慶(ムンギョン)にあるセジェ道立公園が候補に。なんでも朝鮮時代にソウルと地方を結んだという峠の道があり、軍事上の要衝地として、また人の往来による文化遺跡が多く残っている場所なのだとか。さらにサーチを続けると、2種類の泉質の温泉が同時に楽しめる聞慶温泉、2012年10月末にオープンしたという韓国の独立運動家朴烈(パク・ヨル)記念館、廃線になった鉄道のレールを利用したレールバイクがあるなど思ったより見どころがあることがわかりました。それでは聞慶を楽しむ旅、出発です!

聞慶1泊2日の旅(一日目)

ソウル西部から車で聞慶へ。3時間のところ休憩をはさみながら、4時間半かかりました。紅葉シーズンの週末、地方への観光客が多いので道はとっても混雑してました。バスは、ソウル高速バスターミナルや東ソウル総合バスターミナルから店村(チョムチョン)市外バスターミナルまで運行、聞慶セジェへ直接行かれる場合は、聞慶邑(セジェ)バスターミナル行きのバスが東ソウル総合バスターミナルから出ています。

素朴で体に優しいムク料理

聞慶セジェ道立公園に着く頃は、お昼の時間を回っていました。道立公園の入口までの約1キロの通りはきれいに整備されていて、大きな駐車場と飲食店がずらり。ナビは、韓国のマスコミや日本の雑誌にも紹介されている、ムク専門店「ソムナンシッタン(噂の食堂)」で昼ご飯を食べることに。
ムクは、蕎麦や緑豆、どんぐりなどの粉を寄せて固めたもの。トトリムク(どんぐりのムク)は独特の苦味があり、それ以外はほとんど味がありませんが、プルッとしていて低カロリーでヘルシー。店の主人のおじいさんの手作りムクが人気で、団体客もたくさんいました。「ムク定食」は、ごはんの上にムクをたっぷりのせたムクチョバッと山菜中心のおかずがたくさん並ぶメニュー。薬味ダレとよく混ぜ混ぜしていただきます!素朴で優しい味にほっこり。
緑豆のチヂミはカリカリ

緑豆のチヂミはカリカリ

素朴で優しい味わいのおかず

素朴で優しい味わいのおかず

細く切ったムクとごはんを

細く切ったムクとごはんを

よーく混ぜていただきます!

よーく混ぜていただきます!


予約必須のレールバイク(涙)

 お腹もいっぱいになって、ひとやすみし、さあ運動するぞ!と聞慶セジェ観光を後回しにして次に向かったのは、レールバイク。聞慶のレールバイクは、石炭運搬用鉄道の廃線を利用したレジャー。かつて、聞慶は石炭の産出地として栄え、市内にはそんな歴史を見て回れる石炭博物館もあります。聞慶市内の店村から聞慶間約20キロを往来していた聞慶線の線路の上を自転車に乗って進むのですが、これが大人気。2コースあって、それぞれ往復で4キロといい運動にもなります。レールバイクというと江原の旌善(チョンソン)が有名なのですが、元祖は聞慶なのです!ナビもぜひ!と意気込んでチケット販売所になっている廃駅へと向かいました。ところが!
出発地である鎮南(ジンナン)駅へ。ヘルメットをかぶって待機している人々の列が!さっそくチケット売り場に行って、運行時間を確認すると…午前9時から1時間間隔、夕方までのチケットが全て売り切れ!ナビは予想外の展開に顔が青くなってしまいました!「インターネットで事前予約しないと、週末はまず乗れないよ!」と地元の人からの一言。ううう、準備不足、甘く見てましたよ!別のコースの出発地、佛井(ブルジョン)駅にも向かったところ、こちらもソールドアウト。暖かくなったらまた来ようと固く誓ったナビ。

歩きやすい聞慶セジェ

気を取り直して聞慶セジェ道立公園へ。セジェは「鳥でも飛んで越えられない峠」という意味で、その昔、峠の道は都と地方をつなぐ重要な役割をしたそう。道には3つの関門があり、道はかなり整備されているので山登りの準備をしなくても歩いていけると、たくさんの人が訪れます。(第2関門をすぎると、やっぱりきついみたいですが)

観光シーズンということもあり、カラフルな登山服に身を包んだ団体客でかなりにぎやか。大音量のポンチャック(韓国のディスコ調演歌?)が鳴り響いていて、踊っている人もいました。第1関門までの500メートルくらいの道にはいろいろな屋台が出ていて、オミジャやオミジャマッコリなどがたくさん並んでいるのが聞慶ならでは。オミジャ体験館なるものもあって、館内にはオミジャを使った商品がいっぱいありました。ちなみに聞慶はオミジャ生産量が韓国で第1位。質も味もよくって有名なんですって。
きれいな色のオミジャマッコリ

きれいな色のオミジャマッコリ

オミジャのエキスは喉や<br>気管支にいいらしい

オミジャのエキスは喉や
気管支にいいらしい

聞慶名物のりんごも

聞慶名物のりんごも

オミジャ体験館

オミジャ体験館

オミジャゆるキャラ

オミジャゆるキャラ

ここにしかないオミジャ商品も

ここにしかないオミジャ商品も

山の美しい稜線、道に沿って流れる小川も趣があって、ホントにホントにいいところに来たなあ。これで温泉も楽しめば完璧じゃない!?そうこうするうちに、第1関門の主屹関に到着。ここは歴史ドラマ「善徳女王(ソンドクヨワン」や「推奴(チュノ)」などにも出てくるんですって。第1関門を抜けると、KBS撮影場があります。そして第2関門までは約3キロ。今回はあまり時間がなかったので、第1関門をさっとくぐって戻ることにしました。
雰囲気のある道をずんずん進むと

雰囲気のある道をずんずん進むと

見えてくる第一関門

見えてくる第一関門

荘厳な雰囲気

荘厳な雰囲気

聞慶温泉でまったり

さて、次は聞慶温泉。ここは黄土色のカルシウム重炭酸温泉水と、無色透明のアルカリ性温泉水の2種類のお湯が同時に楽しめるというユニークなところ。温泉といっても、日本のように温泉があって、旅館が集まっていかにも温泉街!という雰囲気はまったくないのがポイント(笑)温泉エリアは、聞慶観光ホテルが運営する「聞慶総合温泉」と療養センターがあるくらいで、山に囲まれたさみしい田舎風景が広がっています。宿泊施設はモーテルですが、浴室でアルカリ性温泉が楽しめるというのが嬉しいところ。ナビは「聞慶総合温泉」のすぐ近くにあるモーテルのオンドル部屋に泊まることにしました。夜ご飯は、療養センターのほうに飲食店がポツポツとあったので、さんざん迷って手作り豆腐とシーフードをたっぷり使った「ヘムルトゥブチョンゴル(海鮮豆腐鍋)」をチョイス。食後に温泉を楽しんだ後ぽっかぽかの部屋で就寝。

独立運動家朴烈と、金子文子のお墓を訪ねて(二日目)

朝ごはんをまたまたモーテル近くの食堂で済ませ、向かったのは「朴烈(パク・ヨル)義士記念館」。朴烈(1902〜1974)は朝鮮の社会運動家・独立運動家で、1925年天皇に対するテロを企てたとして日本で一度無期懲役を受けた人物。在日本大韓民国民団(民団)の初代団長も務めるなど、戦後在日韓国人の組織化に力を尽くしました。韓国に帰国後は李承晩(イ・スンマン)大統領から重要なポストに指名されるも、朝鮮戦争が勃発すると北朝鮮軍につかまり同国に連行。そのまま帰ることなく生涯を閉じたという波乱万丈な人生を送っています。彼の生まれ故郷が聞慶ということで、2012年10月末に記念館がオープンしました。この記念館にたどり着くまでがとっても大変!カーナビで場所は出るものの、とんでもなく細い田舎道に何度も案内されっぱなし!いやー、見つけたときはかなりホッとしました。
なんだかくぐるのに緊張する入口

なんだかくぐるのに緊張する入口

生家の再現

生家の再現

この記念館の敷地内には、1920年代朴烈のパートナーとして運動をしていた日本人女性金子文子(1903〜1926)のお墓があります。彼女は朝鮮で数年間を過ごしたことがあり、1919年に起きた大規模な独立運動の3・1運動の光景を目の当たりにし、時の日本政府に最後まで反抗して、26歳の若さで獄死(自殺と言われています)しました。韓国では、その時代に朝鮮側に立って運動をした日本人女性として日本より知名度があります。
朴烈と記念撮影

朴烈と記念撮影

資料が豊富

資料が豊富

金子文子関連の資料も

金子文子関連の資料も

獄中の金子文子再現

獄中の金子文子再現

独房の朴烈

独房の朴烈

日韓にまたがる二人の<br>ゆかりの地を紹介

日韓にまたがる二人の
ゆかりの地を紹介

加恩の在来市場を見学

記念館の後は、聞慶の南西にある加恩(カオン)へ。ここはドラマ「淵蓋蘇文(ヨンゲソムン)」などで有名なSBSのドラマセット場や石炭博物館など見所も多いところ。けれども渋滞を考えてソウルへ早めに戻ることにしていたナビは、「アジャゲ市場(アジャゲジャント)」という在来市場をさらっと見ることにしました。「アジャゲ」は、漢字で「阿慈介」と書きます。初代高麗王王建(ワンゴン)の父で、加恩出身なのだそうです。2009年にオープンした市場は、ぱっと見て回るにはちょうどいい広さで、作りたてのお餅やオミジャ製品などが売っていました。

以上、聞慶の旅行記、いかがでしたでしょうか?聞慶は陶磁器も有名ですし、1年の決まった時期にのみ一般開放される鳳岩寺(ポンアムサ)など観光スポットがいっぱいだと聞いています。韓国の山間部にある素朴な地方都市、聞慶の魅力が少しでも伝わったらなあと思います!次回は必ずレールバイクに乗るぞっと心に誓ったソウルナビがお伝えしました。


上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2012-11-19

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