韓国文化人の故郷、忠清北道・沃川( オクチョン )を訪ねて来ました!

院生いずみの韓国オトナの女子旅♪第2回!パク・クネ新大統領の母の生家もある沃川へ!

こんにちは!ソウルナビのいずみです。旧正月(ソルラル)連休中の帰省ラッシュで一時静まり返ったソウルの街は、その後すぐにやってきたUターンラッシュにバレンタインシーズン中の期間限定イベントなどを経て、一気に活気を取り戻しました。そして先日の2月25日には、パク・クネ新大統領の就任式が行われました。パク・クネ新大統領といえば、父親がパク・チョンヒ元大統領であることは有名ですが、母親のユク・ヨンス女史については、韓国国外ではあまりよく知られていません。パク・チョンヒ元大統領の大統領就任後、ファーストレディとしての役目を忠実に果たし続けたユク・ヨンス女史は、当時国民からは「国母」とも呼ばれるほどの有名人だったそう。今回は、そんなユク・ヨンス女史の生家がある忠清北道(チュンチョンプクト)は沃川(オクチョン)を訪ねて来ましたよ。それでは、楽しいこと&新しいこと大好きなオトナ女子の皆さんのために、韓国オトナの女子旅♪ 第2回は、忠清北道・沃川( オクチョン )にて韓国の歴史・文学に触れるオトナ女子の日帰り一人旅をご紹介します!

08:05 ソウル駅からムグンファ号に乗って出発!

ソウルから沃川までは、東ソウルバスターミナルから出ている直通の高速バスを利用して行くこともできますが、今回はソウル駅から08:05発の京釜線ムグンファ号(特急)に乗って行くことに。京釜線とはソウル駅から釜山駅を結ぶ路線で、沃川駅までは乗り換え無しで行けます。ソウル駅から沃川駅までの所要時間は約2時間20分。運賃は片道11,800ウォン。今回チケットは前もってKORAILホームページ(www.korail.com)にて予約しておきました。

ソウル駅正面入り口を入ったら、すぐ目の前に見えるエスカレーターに乗り3階へ。エスカレーターを降りると左手にKTX乗り場が見えます。電光掲示板で乗り場を確認してからホームに向かいましょう。なお、こちらには日本のような改札口はなく、車内での乗車確認となります。
ここが3階KTX乗り場!

ここが3階KTX乗り場!

1~12番ホームまであります。

1~12番ホームまであります。

ホームの位置に迷ったら、矢印の方向へGO。

ホームの位置に迷ったら、矢印の方向へGO。

今回は9番ホームから、第1207列車釜山行きムグンファ号乗車。

今回は9番ホームから、第1207列車釜山行きムグンファ号乗車。

インターネットで予約したチケット。

インターネットで予約したチケット。


★今回の旅のスケジュール★
できるだけリーズナブルに、でも中身はしっかり濃厚な旅がしたい!そんな “オトナ女子の日帰り一人旅”をテーマに組んでみた今回の旅程。韓国文化・歴史を感じられるステキスポットを4ヵ所以上訪問するにも関わらず、旅費は総合してなんと列車の往復チケット代と食事代のみ!町全体に由緒ある文学史が息づいている、まさに文学の散歩道とも言える沃川ならではの、とびきりの一人旅プランを考えてみましたよ~♪

08:05 ソウル駅出発
10:24 沃川駅到着
11:00 昼食
12:15 スポット1:郷愁公園(ヒャンスコンウォン)
13:30 スポット2:春秋民俗館(チュンチュミンソククァン)
14:45 スポット3:詩人チョン・ジヨンの生家&チョン・ジヨン文学館
16:00 スポット4:ユク・ヨンス女史の生家
18:30 沃川駅出発
20:19 ソウル駅到着

10:24 忠清北道・沃川駅に到着!

ソウル駅を出発した列車の中で、今回の旅に欠かせないユク・ヨンス女史や詩人チョン・ジヨンについて熱心に勉強していたら、あっという間に沃川駅に着いた~!沃川を代表する韓国文化人たちについての事前の勉強を、皆さん是非ともお忘れなく。旅の中身がガラリと変わってきますよ!

沃川駅の外に出るとさっそく、幼少時代を沃川で過ごしたという韓国を代表するモダニストの詩人、チョン・ジヨンの詩碑を発見。
ジヨン詩碑の正面には代表詩「コヒャン(故郷)」。     

ジヨン詩碑の正面には代表詩「コヒャン(故郷)」。     

裏面には「ハラボジ(祖父)」の詩。

裏面には「ハラボジ(祖父)」の詩。


駅の入り口横には沃川の観光パンフレットが置かれています。駐車場にも観光案内板があるので、こちらも確認してみて下さいね。

案内板の右側には、詩人チョン・ジヨンのアニメキャラクターが!特産品は「葡萄」のようですね~町の中でも至る所で葡萄モチーフが見受けられるので、是非探してみてください。

11:00~  地元の人たちに愛されるスンデ専門店「アバイスンデ」にて昼食!

沃川駅を出ると、時刻はお昼前。観光前にまずは腹ごしらえをしようと、駅の近くで食事のできるお店を探すことに。旅の楽しみのひとつである食。何としてでもハズレ無しの、地元の人たち行きつけのおいしいお店で食べたい!ということで、駅の駐車場で立ち話をしていた地元のおじさんにおすすめのお店を聞いてみましたよ。おじさん曰く、「すぐそこの“アバイスンデ”にみんなよく行ってるよ!」とのこと。さっそく教えていただいた通りに、“すぐそこ”のお店まで行ってみましょう~!
(1)沃川駅前はT字路になっています。   

(1)沃川駅前はT字路になっています。   

(2)50m程直進し、一つ目の路地を右手に曲がります。駅を背にして右手側の横断歩道を渡ります。

(2)50m程直進し、一つ目の路地を右手に曲がります。駅を背にして右手側の横断歩道を渡ります。

(3)路地を更に50m程直進すると・・・ 

(3)路地を更に50m程直進すると・・・ 

(4)左手にオレンジ色の看板「アバイスンデ」があります!

(4)左手にオレンジ色の看板「アバイスンデ」があります!


さっそく店内に入ってみると、「まだ開店前だけど入っていいよ!座って待ってて~!」と、イモ(アジュンマ)。準備中にも関わらず、お店に入れていただきました。店内には、イモの他に、その息子さんと旦那さんの姿が。ご家族で営まれているスンデ専門店のようです。ちなみに「アバイ」とは、方言で「ハラボジ(おじいちゃん)」の意味。
壁にはお店を訪れたお客さんによって直接書き込まれたメッセージがぎっしり。その他、たくさんのサイン色紙やメッセージ用紙が貼られていました。また、豚肉、鶏肉、白米、キムチがすべて国内産と書かれたボードも発見!お店自慢の豚のスープは、実際に国産豚の頭から出汁をとっているとのこと。今回は、そのスープと看板メニューのスンデを同時に楽しむことのできるスンデクッパ(中)を注文してみました~!
スンデクッパ(中) 6,000ウォン
さっそく目の前に熱々のスンデクッパが登場~!ぐつぐつと煮立つ豚のスープに、これでもかというほどプリプリのコプチャン(腸)がたっぷりと入っています。このボリュームで6,000ウォンは安い!おかずはいたってシンプルに、白菜キムチ、切り干し大根のキムチ、生の玉葱の3種類。それだけスンデクッパに自信があると思っていいでしょう!そのくらいおいしい♪ 残り4種類のお皿はすべて、スンデクッパ用の調味料。自分好みの味付けにしましょう。
セウジョッ(小エビの塩辛)

セウジョッ(小エビの塩辛)

塩辛いので少しずつ・・・。

塩辛いので少しずつ・・・。

トゥルケ(磨り潰したエゴマ)

トゥルケ(磨り潰したエゴマ)

このまま食べてもおいしいスンデ!

このまま食べてもおいしいスンデ!

サムジャン(包み味噌)を付けても♪

サムジャン(包み味噌)を付けても♪

コプチャンたっぷりで贅沢~。

コプチャンたっぷりで贅沢~。

途中でご飯を入れてクッパに。二度おいしい♪

途中でご飯を入れてクッパに。二度おいしい♪

~文学の散歩道、沃川。目的地までは徒歩で行くのがおすすめ♪~

町全体に文学・歴史の香り漂う沃川だからこそ、目的地までは徒歩で行かれることをおすすめします。今回の旅の一番の目的であるユク・ヨンス女史と詩人チョン・ジヨンの生家は、沃川駅から徒歩約30分の距離にあります。一本道をひたすら歩き続けるのですが、韓国文化人の故郷沃川でその途中に何もないわけがありません!たくさんのステキスポットに出会うことができるのです。さあ、おいしいご飯をお腹一杯食べた後は、沃川の町を散策してみましょう♪ まずは沃川駅を背に、まっすぐに直進して行きましょう~
一本目の橋を渡ります。

一本目の橋を渡ります。

右手に沃川警察署。

右手に沃川警察署。

目の前にY字路。左に進みます。

目の前にY字路。左に進みます。

駄菓子屋さんを発見し、五つばかり購入♪(笑) 

駄菓子屋さんを発見し、五つばかり購入♪(笑) 

若者の姿が見え始めたということは

若者の姿が見え始めたということは

市内っぽい・・・?

市内っぽい・・・?

すると、二つ目の橋。

すると、二つ目の橋。

大きな表札に、病院。本通りらしくなってきました~!

大きな表札に、病院。本通りらしくなってきました~!

女子中学校を発見!

女子中学校を発見!

女子中学校のちょうど反対側には「生命の地 聞香の郡 沃川」と描かれた大きな壁画がありました。右側には沃川の特産品葡萄と詩人チョン・ジヨンの詩、「ヒャンス(郷愁)」。中央には詩にちなんだ絵、その横に写るのは詩人チョン・ジヨンの生家です。

12:15~ 郷愁公園(ヒャンスコンウォン)にて韓国現代詩の世界に触れる!


壁画のある場所からもう少しだけ進むと、視界の開けた広々とした十字路「ヒャンスサゴリ(郷愁十字路)」に出ます。その十字路を挟んで反対側に見えるのが、今回の旅の目的地のひとつである「郷愁公園(ヒャンスコンウォン)」。ここ郷愁公園では、 沃川を舞台に詩「ヒャンス」を詠んだ詩人チョン・ジヨンの世界に、誰もが気軽に触れることができます。
こちらがヒャンスサゴリ。

こちらがヒャンスサゴリ。

葡萄のついた背の高いオブジェが目印!

葡萄のついた背の高いオブジェが目印!

公園内の案内板。

公園内の案内板。

噴水の後ろには、詩人チョン・ジヨンの総9篇の詩が刻まれた巨大詩碑がありました。刻まれているのは、「クエ バン(あのお方の半身)」、「コヒャン(故郷)」、「ナム(木)」、「ト ハナ タルン テヤン(もうひとつ別の太陽)」、「ジョヤクドル(砂利)」、「ヒャンス(郷愁)」、「パダ1(海1)」、「ユリチャン1(花瓶1)」、「ビョル(星)」など、どれもよく知られる有名な詩です。詩の内容に因んだ絵にも注目ですよ!
噴水広場の後ろにある小さな丘の上には、詩人チョン・ジヨンの詩が刻まれた芸術的なデザインの彫刻が20基近く並んでいます。数ある詩碑の中からお気に入りを見つけてみてはいかがでしょうか?頂上には詩「ヒャンス(故郷)」にちなんで造られた「ヒャンス亭」があります。韓国詩の世界を十分に満喫したあとはここでちょっとした休憩を挟んで、また次の目的地目指して出発です~!

~引き続き、沃川散歩。ジヨン路をゆく♪~

郷愁公園を左手に再び一本道を進んで行くと、間もなくその上を高速道路が走るトンネルに差し掛かりました。すると、トンネルの中がまたもや詩人チョン・ジヨンの世界となっていました~!沃川を舞台とした詩「ヒャンス(故郷)」にちなんだ絵と、「ハラボジ(祖父)」の詩。特産品の葡萄も壁一面にしっかりと描かれていましたよ~!
これがヒャンスの世界か~!

これがヒャンスの世界か~!

このキャラクターにも段々と愛着が。

このキャラクターにも段々と愛着が。

本物はどこで食べられるのかしら?

本物はどこで食べられるのかしら?

トンネルを抜けると目の前には山!ここに来てこれまでの景色ががらりと変わり、段々と田舎の雰囲気が漂ってきました~。次の目的地はすぐそこ!?

Y字路に差し掛かったら、右に進みましょう。その道こそ「ジヨン路」なる、詩人チョン・ジヨンの生家に続く道!
ジヨン路→                       

ジヨン路→                       

小川を発見!

小川を発見!

木には“ヒャンス”の札が。

木には“ヒャンス”の札が。

かわいい文字の食堂も。

かわいい文字の食堂も。

この茶色い看板が見えたら!

この茶色い看板が見えたら!

左手に見えるオレンジ屋根のお店前の細道を入って行きます

左手に見えるオレンジ屋根のお店前の細道を入って行きます

かわいらしいお店♪

かわいらしいお店♪

壁にチョン・ジヨン詩人の詩を発見!

壁にチョン・ジヨン詩人の詩を発見!

さらに200mほど進むと・・・

さらに200mほど進むと・・・

13:30~ 春秋民俗館にて韓国の伝統文化を堪能!

オレンジ屋根のお店から200mほど進んだところに、何やら伝統的なニオイがぷんぷん漂う古い家屋を発見!広~い庭の入り口には「春秋民俗館(チュンチュミンソククァン)」の看板が。庭に入ってみると、こちらの民家の主であるアジョシ(おじさん)が外に出てきていろいろなお話を聞かせて下さいました~!こちらは民宿としても開放されていて、実際の韓屋(ハンオク)生活を肌で感じながら韓国の伝統文化について学ぶことができるのです♪
春秋民俗館の入り口。

春秋民俗館の入り口。

民俗館内の建造物の説明板。

民俗館内の建造物の説明板。

レッツ民俗文化体験!

レッツ民俗文化体験!

乾燥中・・・。

乾燥中・・・。

     

     

庭には昔からの甕や荷車が。

庭には昔からの甕や荷車が。

今から約250年前の1760年に建てられた韓屋「聞香軒(ムンヒャンホン)」。こちらで奥様と二人で暮らしながら民俗館を営まれているアジョシは、なんと韓国伝統舞踊ソンビチュム(李朝時代の人士の舞)の先生。庭は野外空間となっていて、毎月4週目の土曜日にはそこで「韓屋を味わう音楽会」が開かれソンビチュムの名人としてアジョシが直接公演をなされるのだとか。民俗館では宿泊の他に、文化体験室やセミナー室での民俗文化講義も受けることができます。韓屋に寝泊りしながら民俗文化を学べるっていいですね~♪ 宿泊の際は要予約です!宿泊費や人数などすべて電話交渉となります。

~チョン・ジヨン詩人の生家付近はカラフルポップな町並み!~

アジョシのお話を聴いてから一時間ほど庭中をゆっくり拝見して、春秋民俗館を後にしました。次の目的地、詩人チョン・ジヨンの生家はすぐそこだということで、自然と足取りも軽くなります♪ それにしても、この辺り一体のお店はなんとカラフルで綺麗なのでしょう。特にポップな字体で統一されいるお店の看板がかわいらしかったです。外壁に詩人チョン・ジヨンの詩が描かれているお店も多数ありました。

たとえば精肉店だと詩「コヒャン(郷愁)」の中で“ファンソ(黄牛)”が出てくる一節を掲げていました。

14:45~ チョン・ジヨン詩人の生家&チョン・ジヨン文学館を訪問!

春秋民俗館を出て、周りの建物よりも少し高くなっている郵便局を左手に200mほど直進すると、小さな橋を発見!橋にちょこんと乗った亀が目印です。この下を流れるのは、実際に詩「ヒャンス」に登場する小川。その先には「チョン・ジヨン生家」と書かれた茶色い看板が。やっと着いた~!看板のすぐ後ろに見えるのが詩人チョン・ジヨンの生家で、そのすぐ隣にはチョン・ジヨン文学館があります。それではさっそく行ってみましょう~!
奥に見える郵便局を左手に直進。

奥に見える郵便局を左手に直進。

亀の乗った“チョンソクキョ(青石橋)“を渡り“チョン・ジヨン生家”に到着!

亀の乗った“チョンソクキョ(青石橋)“を渡り“チョン・ジヨン生家”に到着!

生家の看板の隣には「ヒャンス(郷愁)」の詩碑が。

生家の看板の隣には「ヒャンス(郷愁)」の詩碑が。


<チョン・ジヨン文学館>
生家を訪問する前に、まずはそのすぐ隣にあるチョン・ジヨン文学館で詩人チョン・ジヨンについて詳しく勉強してみましょう!2005年に開館したチョン・ジヨン文学館は詩人チョン・ジヨンの生涯と文学作品を理解し、代表作を様々な方法で鑑賞し体験できる空間となっています。それでは、さっそく入館してみましょう!
入り口の様子。ベンチに座っているのは観覧客ではなく・・・詩人チョン・ジヨンの模型でした~!記念にパチリ。
■展示室
文学館内は展示室、詩朗読室、映像室、文学教室で構成されています。まずは入り口を入ってすぐ右側の展示室から観覧して行きましょう!

展示室の入り口では、詩人チョン・ジヨンの詩の世界が映像と音楽で表現されています。壁には毛筆で力強く書かれた「ヒャンス(郷愁)」の詩が飾られています。
「ヒャンス(郷愁)」の詩はこんなにも長い!

「ヒャンス(郷愁)」の詩はこんなにも長い!

こちらのお方が詩人チョン・ジヨン。   

こちらのお方が詩人チョン・ジヨン。   

たくさんの関連書籍が!

たくさんの関連書籍が!

入り口から更に奥に進んで行くと文学展示スペースが広がっています。ここではテーマ別に詩人チョン・ジヨンの文学作品に触れられるよう、詩人チョンジヨンが生きた当時の時代背景と文学史の展開について知ることができる「ジヨン年譜」、年代記と主題別に「郷愁」、「海と通り」、「木と山」、「散文と童詩」の4つに分けられたモニターを通して詩人チョン・ジヨンの生と文学作品について学べる「ジヨンの生涯と文学」、韓国の現代史の流れと共に詩人チョン・ジヨンの詩文学に触れることのできる「ジヨンの文学地図」、そして「詩・散文集の初刊本の展示」など、様々な空間で構成されています。

■詩朗読室
マイクを通して朗読した詩を録音したものをテープにして持って帰れるという、新しい体験のできる詩朗読室。今回は一人旅だったこともあり、何だか勇気が出ずに朗読室に入ることすらできなかったのですが…。詩の朗読に自信のあるという方、ぜひ挑戦してみて下さいね~!

■映像室
展示室の出口のすぐ目の前には映像室があります。ここでは詩人チョン・ジヨンの生涯や文学作品の世界観などを叙情的かつ会話的に描いたドキュメンタリー式の映像が上映されます。

■文学教室
受付デスクの隣にある文学教室は、講座や詩の討論会、セミナーなどの文学活動の集いの場となっています。また、定期的に団体観覧客のためのオリエンテーションなども行われています。

<詩人チョン・ジヨンの生家>
文学館にて詩人チョン・ジヨンについて学んだあとは、そのすぐ隣にある詩人チョン・ジヨンの生家に行ってみましょう!チョン・ジヨンの生家は1988年、チョン・ジヨンを慕う人々によって結成された“ジヨン会”によって1996年に復元され、のちに一般にも公開されたもの。生家は藁屋づくりとなっているのですが、このつくりは韓国の伝統民家の建築様式として知られています。藁は断熱と保温性に優れ、民家の屋根の仕上げ材として当時広く使用されていたそうです。家の中に上がることはできませんが、扉は開けっ放しにされているので、外からでも十分中の様子を覗うことができますよ!
手前が物置小屋で、その奥が住居となっています。

手前が物置小屋で、その奥が住居となっています。

チョン・ジヨン詩人は1902年にこの場所で産まれたそう!

チョン・ジヨン詩人は1902年にこの場所で産まれたそう!

昔の民家、扉は常に開けっ放し! 

昔の民家、扉は常に開けっ放し! 

立春を祝うお札が貼られていました

立春を祝うお札が貼られていました

昔の物置小屋は大きい!

昔の物置小屋は大きい!

左側には“プオク(台所)”

左側には“プオク(台所)”

真ん中には“アンバン(居間)”

真ん中には“アンバン(居間)”

右側には“コルバン(小部屋)”

右側には“コルバン(小部屋)”

~ユク・ヨンス女史の生家まで、更なる田舎道をゆく♪~

詩人チョン・ジヨンの生家をあとに、いよいよ最終目的地のユク・ヨンス女史の生家へ。ユク・ヨンス女史の生家は詩人チョン・ジヨンの生家を右手に、さらに15分ほど一本道をずっと歩いて行ったところにあります。目の前には山と畑が広がり、今回これが一番の田舎道♪ 下校中の小学生の後に続いててくてく歩いて行くと、またもやステキスポットに遭遇!歩いて旅すると大事なものを見落とすことがなくていいですね。それでは行ってみましょう~!
チョン・ジヨン詩人の生家を右手に

チョン・ジヨン詩人の生家を右手に

どんどん直進して行くと・・・ 

どんどん直進して行くと・・・ 

幼稚園を発見!

幼稚園を発見!

道端に伝統的なつくりの休憩小屋も♪

道端に伝統的なつくりの休憩小屋も♪

おや?何やらステキスポット発見!   

おや?何やらステキスポット発見!   

“郷校(ヒャンキョ)”だ!

“郷校(ヒャンキョ)”だ!

こちらが田舎道の途中で出会った歴史的建造物「沃川郷校(オクチョンヒャンキョ)」です。郷校とは、朝鮮時代に地方の教育機関として設けられた学校です。沃川郷校は1398年に初めて建てられ、その後幾度も改修工事を重ね、1979年の大掛かりな工事を最後に現在の姿になったそう。内部の所々の改修工事は未だ不定期に続けられていて、この日もあいにく工事の最終調整中ということで中に入ることはできませんでした。名残惜しくも郷校をあとにし、いざユク・ヨンス女史の生家へ~!
すると目の前に観光バスが・・・

すると目の前に観光バスが・・・

もしやここが・・・!?

もしやここが・・・!?

大きな門~!間違いないっ。

大きな門~!間違いないっ。

16:00~ ユク・ヨンス女史の生家にてヤンバン(両班)家屋の趣を味わう♪

ユク・ヨンス女史の生家は、パク・クネ新大統領の母親でありパク・チョンヒ元大統領の妻として知られるユク・ヨンス女史が1925年に生まれ、幼少時代を送った場所です。ユク・ヨンス女史の家系は沃川の名家として1600年代から代々受け継がれ、こちらの生家は1894年頃に朝鮮時代の上流階級の建築構造を代表する家屋として築造されました。1918年には家屋の数が10棟あまりにも及んでいましたが、1969年の建設会社によって行われた全面的な改修工事により、その原型は随分損なわれてしまいました。1974年のユク・ヨンス女史死去後、この場所は長らく放置され、1999年には撤去工事が行われ、生家のある敷地のみが残ったそうです。しかし2002年、忠清北道記念物123号に指定されると徹底して復元工事が行われ、2011年からユク・ヨンス女史の生家として一般に公開されるようになりました。それでは、歴史あるヤンバン(両班)家屋のつくり、さっそく拝見してみましょう~!
正門横には敷地内の説明&案内図。

正門横には敷地内の説明&案内図。

観覧水準事項なるものも~。    

観覧水準事項なるものも~。    

正門から入ります!立派だ~。

正門から入ります!立派だ~。

正門にて観覧時間を確認!

正門にて観覧時間を確認!

パンフレットもここでゲット♪

パンフレットもここでゲット♪

今回は敷地内にいた観光ガイドさんと一緒に敷地内をぐるりと一周して、家屋の説明をして頂きました。敷地内には常にガイドさんが何人か待機していて下さり、無料で説明が聞けますよ!なお、韓国語でのみのガイドになります。ガイドさんの話によると、日本人観光客の場合は団体での訪問が多く、そこに同行しているツアーガイドさんが観光ガイドさんの韓国語を日本語に訳すようなカタチで家屋の説明が進行されるそう。観光ガイドさんの説明を聞けばユク・ヨンス女史とヤンバン家屋についてさらに深~く知ることができるのでおすすめです♪

■サランチェ
正門を入るとすぐに左側に見える大きな家屋。ここは昔、男性の住居空間であると共に客人の接待に使用されていました。正面のデチョン(板の間)とのオンドル部屋で構成され、その裏には電話部屋に暗室、倉庫などがあります。暗室は写真が趣味のユク・ヨンス女史の父ユク・ジョングァン公によって使用されていたそう。

■アンチェ
‘ㄷ’字型となっているこの家屋は正面のアンバン(居間)とデチョン(板の間)で構成され、当時アンバンにはユク・ヨンス女史の母イ・ギョンリョン女史が、コルバン(小部屋)にはユク・ヨンス女史が、アンサラン(母屋にある客間)には父ユク・ジョングァン公が居住していました。

■アレチェ
‘ㄱ’字型となっているこの家屋の裏には全面的にチョクマル(1、2枚の板を横に敷いた縁側)が設けられ、これは朝鮮時代後期のヤンバン家屋のアンチェのつくりを再現したものだそう。正面のアンデチョン(アンチェにある板の間)の西側にアンバン(居間)とプオク(台所)があり、東側にはオンドル部屋があります。

■ウィチェ
‘ㅁ’字型となっているこの家屋は、西側がアンチェから立ち入ることのできる通路、東側が外部の出入口となっています。正面のアンバン(居間)とアンデチョン(アンチェにある板の間)があり、この家屋では主に奉公人や女性のお手伝いさんが生活していたそうです。

■ヨンダンサラン
ヨンダン(蓮池)の後ろに位置するこの家屋は正面の風通しのよいつくりとなっていて、花鳥風月を楽しむための空間として設けられました。ヨンダンサランは敷地内にある家屋の中で最も美しい場所として親しまれ、夏には家族皆でここに集まり涼んだといいます。
敷地内のあらゆる場所に、ユク・ヨンス女史がパク・チョンヒ元大統領の令夫人として様々な活動をされていた時期の貴重な写真が飾られていました。その他、文才に優れていたパク・チョンヒ元大統領がユク・ヨンス女史に詠った愛の詩や、ユク・ヨンス女史が直接塗った刺繍なども展示されていて、多彩な面を持つご夫妻だったのだな~と感心して見入ってしまいました♪
忠清北道・沃川にて韓国の歴史・文学に触れる日帰りの旅、いかがでしたか?ユク・ヨンス女史の生家訪問後、帰り道を再び30分掛けて歩いたのは言うまでもありません(笑)。それでも目的地までの道のりの途中たくさんのステキスポットに出会えたので、行き帰りと歩いて行って本当によかったです♪ 何より町の人たちがとても温かく親切で、女子一人でも安心して旅することができましたよ。町全体に歴史・文学の香り漂う沃川で、実際に目でみて体験して楽しみながら韓国文化人を発見するというチープでディープな旅、一度体験してみては?以上、ソウルナビのいずみでした。

その他情報

<チョン・ジヨン文学館>
開館時間は午前9時~午後6時。休刊日は毎週月曜、1月1日、旧正月、秋夕となっています。(ホームページ:http://www.jiyong.or.kr/html/jiyong/japanese/index.html)

<春秋民俗館・聞香軒(ムンヒャンホン)宿泊>
(お問い合わせ:010-3174-3307/043-733-4007)

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2013-03-07

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