咸陽の自然を見て感じて食べて目いっぱい楽しんできました!
こんにちは!ソウルナビのるみです。今回も都会の忙しい暮らしからちょっと離れ、心と体の癒しツアーに行ってきたるみ。今回るみが訪れたのは慶尚南道(キョンサンナムド)にある街、咸陽(ハミャン)。ああ、そこ知ってる!という方は相当な韓国通かも!ツアーに参加し初めてその名と場所を知ったるみ。韓国の名山のひとつである智異山(チリサン)と徳裕山(トギュサン)に囲まれた自然がいっぱいの咸陽は、山養参(山で育った高麗人参)の産地として知られています。また全国で初めて政府の農林畜産食品部(日本の農林水産省に該当)から優秀外食業地区と指定された「咸陽健康100歳グルメ地区」があることでも注目を集めている場所!自然に癒されて健康になれるヒーリングツアー、さっそくレポートしたいと思います!
ソウルから約4時間で咸陽に到着
今回るみが参加したのは咸陽郡が用意したモニターツアー。たくさんの外国人に咸陽の観光名所と「咸陽健康100歳グルメ地区」を知ってほしいと企画されたツアーで、グルメ地区にある4店舗のお店を回る予定とのことでるみの期待も高まります!
朝8時、江南エリアにある良才(ヤンジェ)駅を出発し。途中で休憩所に寄り、約3時間30分で「咸陽健康100歳グルメ地区」に到着。ちなみに釜山からは高速バスで約2時間ほど。
一日目
まず最初にるみが向かったのは「咸陽健康100歳グルメ地区」。こちらは咸陽郡が『食べて100歳まで健康に』をコンセプトに観光地化を進めている外食業特区で、咸陽産の食材を使ったメニューを提供する19の店が集まっています。咸陽の主要観光スポットである上林公園(サンリムコンウォン)も目の前にあり、咸陽市外バスターミナルからタクシーで約7分とアクセスも便利。韓国料理はもちろん、中華、イタリアン、とんかつを出すお店やカフェなどもあり。みなさん大きなスプーンのユニークなオブジェの写真を撮っていました。
続いてるみ一行が訪れたのは「ヌルボムガーデン」。こちらでオゴッパッ(五穀ごはん)をいただきます。
五穀定食は米・きび・もち米・粟・黒米が入った五穀ごはんと10種類のおかずのついた定食で、おかずの内容でグレードが異なります。るみが食べた定食にはトドックイ(ツルニンジンに辛い味噌をつけて焼いたもの)、フッテジスユッ(茹でた黒豚の肉)、テンジャンチゲ(味噌汁)のほか、玉ねぎのチャンアチ(醤油漬け)や山菜のナムルなどなど、咸陽らしいおかずがついています。
■味噌玉作りとコチュジャン作りを体験!
お腹がいっぱいになったあとは、バスで40~50分ほど行ったところにある味噌加工農場の「ヨンチュゴルテンジャン」へ。こちらでは味噌やしょうゆの素になるメジュ(味噌玉)とコチュジャン(唐辛子味噌)作りを体験。メジュは田舎の家の軒先にぶらさがっているのを写真で見たことはありましたが、作るのはるみも初めて!加工農場の皆さんが親切に教えてくれました。
まずはメジュ作りから。ヨンチュゴルで採れた大豆を約3時間ほど蒸し煮したものを木臼に入れ、杵でつぶします。はじめは豆がすべってしまうので力を入れすぎず、つぶれてきたら徐々に力を入れるのがコツ。ただ杵が思ったより重く、1、2分もすると疲れてしまったるみ。
豆の形が少し残る程度に潰した豆を、今度は台の上で叩きつけるような感じで空気を抜きながら四角く形作ります。四角いメジュをワラで縛り、少し置いて乾燥させます。 コチュジャン作りはあらかじめ用意した材料を混ぜるだけの簡単なもの。唐辛子の粉、麹の粉(メジュを粉にしたもの)、麦芽エキス(大麦の粉で作った甘いシロップ、モルトエキスのこと)、塩をへらで混ぜたら完成。塩が溶けきる2週間後くらいからが食べごろだそう。
■素朴なスイーツと温かいお茶でリラックス!
一通り作業が終わると、農場のみなさんがお餅と生姜茶でもてなしてくれました。お餅にはコチュジャンの材料のひとつである麦芽エキスをみたらし団子のようにさっと塗っていただきます。麦芽の独特な風味と甘味がお餅によく合う!野外での作業で冷えた体を温めてくれる生姜茶もちょうどよい甘味。お土産に熟成コチュジャンまでいただき、楽しい体験タイムとなりました。
■燕巌水車公園と龍湫寺へ!
体験の後は咸陽の歴史深いスポット、咸陽の北部にある龍湫(ヨンチュ)渓谷へ。渓谷に沿ってのびる道の脇にある公園が燕巌(ヨンアム)水車公園。なんでも咸陽は韓国で初めて水車が設置されたところだそうで、18世紀の実学者である朴趾源(パク・チウォン)が設置にかかわったそうです。
韓国で一番大きいとも言われる木造の水車を流れ落ちる水は寒さでガチガチに凍っています!その姿は圧巻~
■龍湫寺と龍湫瀑布へ!
渓谷を見ながらバスで移動して、山寺の門の前にやってきました。こちらは龍湫寺(ヨンチュサ)へと向かうときに一番最初にくぐる一柱門(イルチュムン)で、もともとは新羅時代の覚然(カギョン)大師が建てたお寺である長水寺(チャンスサ)の門だったとか。この門をくぐれば龍湫寺が見え・・・と言いたいところですが、見えてこない、何もない!実は龍湫寺は朝鮮戦争で消失してしまったそうで1959年、別の場所に再建されました。
再建された龍湫寺へはこの一柱門からさらに山道を約20分歩いた山深いところにあるとのこと。とても寒く、しかも渓谷を渡る橋がつるつるとすべり、とってもこわい~けれど渓谷の景色はとてもキレイ!
龍湫寺の入口には龍の石像があり、お寺も龍のモチーフが目を引きます。寺の裏側は龍湫自然休養林があり、緑いっぱいの季節や紅葉の時期は多くの観光客でにぎわうそう。
山道を下っていくとあるのが龍湫瀑布(ヨンチュポッポ)。滝の高さは約15m、滝つぼの深さは約25メートルあり、箕白山(キベッサン)を流れる智雨川(ジウチョン)の上流に位置しています。滝はとても勢いがあって、冬でも凍ることなく流れていました。
■夕食は黒豚トッカルビ定食!
夜の食事をいただくために、るみ一行は再び「咸陽健康100歳グルメ地区」に戻ってきました。「コギマウルハンウルタリ」はモーテルとドッキングしたお店の外観でちょっと驚き~(汗)看板メニューの黒豚のトッカルビ(韓国風ハンバーグ)はボリュームたっぷり、ジューシーで甘味があり、一口大に切ってから野菜で巻いていただきます(夢中で食べてしまい写真がボケボケ・・・すみません!)
■韓屋宿泊体験とミニ公演!
お店を出たらもう真っ暗!宿泊先の「正一品名家(チョンイルプンミョンガ)」へ向かいます。こちらは15世紀、朝鮮時代の儒学者&哲学者&政治学者である一蠹(イルドゥ)鄭汝昌(チョン・ヨチャン)の子孫が運営する施設。介坪韓屋村内の小高い丘の上に建つ韓屋(韓国の伝統家屋)です。夜は正一品名家の皆さんがミニ伝統公演をでもてなしてくださり、手作りのトンドンジュ(韓国のどぶろく)を飲みながら話に花を咲かせました。
※韓屋の写真は翌朝撮影したものです。
二日目
■韓屋での朝ごはん!
日の出が美しい朝を迎えたるみ、朝8時過ぎに離れの韓屋で朝ごはんをいただきます。テーブルには見るからに体によさそうな野菜のナムル(和え物)、そして牡蠣やイカなどシーフードのおかずがいっぱい並べてあります。全体的にしっかりとした味付けで、ごはんが進む進む!ナズナの白和えや納豆の味のする卯の花のようなおかずが印象的。食後は韓屋のまわりを散策。丘の上からは韓屋が並んでいるのがよく見えました。
■介坪韓屋村の散策と押し花作り体験!
さて、いよいよ介坪韓屋村(ケピョンハノクマウル)の散策へ。こちらは約500年の歴史を持つ村で、築100年以上の大小あわせて約60の韓屋が集まっています。有名なソンビ(儒学を学ぶ人)や文人を多く輩出してきた村。中でも15世紀に学者として活躍した鄭汝昌(一蠹)は大変有名な人物だそう。
遠くの山並みと韓屋の屋根の風景が見事
鳥の声と風の音だけが聞こえてきます
里長(村長さんのような存在)さんと軽くあいさつを交わしたあとは、里長のご自宅で押し花作りを体験。ほとんどの花は介坪韓屋村で摘んだものとのこと。どこにでも咲いているような小さな花も、きれいに並べれば素晴らしい作品になること、同じ材料でも花の置き方は人それぞれなので教えていてとても楽しいと先生はおっしゃってました。
ピンセットでつまみ
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イラストの上に自由にのせて上からシートを貼れば完成
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■一蠹古宅へ!
鄭汝昌(一蠹)の子孫が1570年に建てた家で、歴史ドラマの撮影地としても知られています。とても広い敷地に11の建物があり、18世紀に建てられたサランチェ(来客用の建物)以外は16~17世紀に建てられた、というから驚き!1984年には国家指定文化財(重要民俗文化財第186号)に指定されています。
古宅見学後は古宅広報館に立ち寄り、その後伝統酒を販売する松筍酒(ソルソンジュ)無形文化財文化館でお酒の試飲をして一休み。松筍酒は名前からもわかるように、松の葉に若竹を入れて醸したお酒。すっきりとした飲みあたりとフルーティな味が特徴で、お土産に買っていた人も。
■ユネスコ世界遺産に登録予定の濫渓書院を見学!
次に向かったのは「濫渓書院(ナムゲソウォン)」。1552年、鄭汝昌を讃えるために創建され、1556年に国から正式に書院(私立学校)として認められた教育施設です。韓国で2番目に設立された書院として歴史的価値が高く、ユネスコ世界文化遺産にも登録予定だとか。
書院の入口には風詠楼(プンヨンル)という2階建ての門があり、登ることができます。ここから書院内にある東斎、西斎、そして講堂が見下ろせます。講堂の後ろは高台になっていて、階段を登ると祭祀を行う祠堂があります。ここから「濫渓書院」全景を見ることができます。ああ、なんていいところに来たんでしょう~
■山参入りのきのこ鍋と上林公園!
二日目の昼食は「イェダン」という食堂へ。こちらのお店も「咸陽健康100歳グルメ地区」にあり、山で自然にほぼ近い状態で育てた高麗人参である山養参(サニャンサム)入りのメニューが人気です。
るみ一行は山参と6種類のきのこ、そして甘く味付けした牛肉が入った「サニャンサムソコギプルコギ(山養参入りプルコギ鍋)」をいただきます。しょうゆベースのスープをしっかりと吸った白菜や春菊、タンミョン(じゃがいもでんぷんでできた春雨)の優しい味の中にふわりと山養参の香りが。
いろいろなきのこがのっています
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ぐつぐつと煮えています
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■最後は咸陽のメイン観光地へ!
食事の後は、食堂から歩いて5分ほどのところにある上林公園(サンリムコンウォン)へ。こちらは咸陽の西から東に流れる渭川(ウィチョン)の洪水被害から人々を守るために作られた人工林で、1000年以上の歴史があるのだそう。天然記念物第154号にも指定されています。
公園内には二本の木の枝や一本の木で分かれた枝が癒着してひとつになった連理木が何本があり、しっかりと抱き合う姿から家族安全や恋愛成就の象徴として人々に大切にされているそう。お願いしてみて!と言うガイドさんを前にみんなちょっぴり恥ずかしそう。季節が季節のため、葉の落ちた木々の中を歩くこととなりちょっぴり残念でしたが、また改めて緑や紅葉の季節に訪れたいな~
公園付近には蓮池が続いています。毎年8月ごろに開かれる咸陽の蓮祭りの会場になるそうです。こちらも冬はお休み中、残念!
■ソウルへ出発の前に伝統茶!
蓮池の横をずっと歩いてちょっと疲れてきたところ、再び「咸陽健康100歳グルメ地区」に戻り、伝統茶のお店「ハヌルパラム」でほっと一息。ナビは山茱萸(サンシュユ)の実で作った伝統茶をいただきました。
いかがでしたか?地名も初めて聞く咸陽でしたが、すっかり情が移ってしまってソウルへ戻るバスに乗る頃には名残惜しかった!山々に囲まれた自然の中で体によい食事を楽しみ、都会の喧騒から離れて韓屋で一夜を過ごして身も心もリフレッシュ。るみが印象深かったのは介坪韓屋村の風景。伝統が息づく静かな韓屋村の澄んだ空は本当にきれいでした!それと朝日が昇ってオレンジ色の光が韓屋に当たる様子、山々や霜の降りた田畑がきらきらと光る様子が今でも思い出されます。素朴でゆったりとした韓国の姿を見たくなったら是非咸陽へ!以上、ソウルナビのるみがレポートしました!