『ノートに眠った願い事』主演のユ・ジテ舞台挨拶IN六本木&ナビ単独インタビュー!

一人きりで韓国の美しい名所を巡るハネムーンへ旅立つ主人公、ヒョヌを演じたユ・ジテさんが緊急来日!秋の韓国に出かけたくなる・・・そんな作品です!

こんにちは!ソウルナビです。韓国では2006年秋に公開され、その年の釜山国際映画祭のオープニングを飾った映画『ノートに眠った願い事』(原題『秋へ(カウルロ)』。この作品が11月3日(祝)、日本でも秋真っ盛りに公開されました。東京・六本木のシネマートで行われた初日の舞台挨拶には、なんと!主演のユ・ジテさんが掛けつけ、会場を盛り上げてくれましたョ。そう、気づかれたと思いますが、実は今回ナビ初の日本からのレポートなんです。ソウルからはるばるやってきたのは、まずこの映画が韓国各地の美しい景色をたくさん盛り込んだ作品であり、皆さんにもこの映画を通して韓国をもっと知ってもらいたい!という思いがあったこと、そしてもう一つ、これが大きなポイントでもあるんですが・・・舞台挨拶のあと、ソウルナビのためにジテさんがインタビューの時間を割いてくださるとのこと!さっそく、映画の舞台挨拶、そしてユ・ジテさんのナビ単独インタビューをお伝えしましょう!
作品紹介
韓国で1995年に502人の命を奪った三豊(サムプン)デパート崩壊事故を素材に、婚約者ミンジュ(キム・ジス)を事故で失くした青年ヒョヌ(ユ・ジテ)が10年後、彼女が好きだった場所を旅しながらヒョヌは訪れる場所ごとに、不思議な女性セジン(オム・ジウォン)と会うことに気づく…。撮影地は韓国全土にわたり、牛耳島(ウイド)の砂丘、全羅南道の庭園、瀟灑院(ソセウォン)、慶尚北道・慶州、浦項(ポハン)の内延山(ネヨンサン)と12の滝、プリョンサ(仏影寺)、江原道・西江村(ソガンチョン)の松林、月精寺(ウォルジョンサ)のモミ林、そしてラストシーンのメタセコイヤの並木道…韓国の自然と名所、そして“秋”を満喫できる作品です。
監督:キム・デスン(『バンジージャンプする』『血の涙』)
主演:ユ・ジテ(『オールドボーイ』『春の日は過ぎゆく』) キム・ジス(『チャーミング・ガール』) オム・ジウォン(『映画館の恋』)
上映時間:148分
配給:ソニーピクチャーズ エンタテインメント
2007年11月3日(祝)より、シネマート新宿ほか 全国順次ロードショー
舞台挨拶
初日にユ・ジテさんの舞台挨拶がある事を知っている方もいれば、知らなかった方もいたようで、ジテさんが登場したとたん会場は喜びと驚きの雰囲気に包まれました。背が高い(188センチ)うえにモムチャンのジテさんだけがスクリーン下に作ったステージに上がっているので(司会者の方と通訳さんはステージ下)、ジテさんの大きさが強調された感じで、それはそれはもうデカイの一言。会場のあちこちで振られる手に時折笑顔で手を振り返していました。舞台挨拶では観客からの質疑応答もあり、ジテさんは質問してくれた方の目を見ながら気さくに答えてくれました。「今日着くんだと思って羽田に迎えに行ってしまいました」と言うファンに、「ありがとうございます。交通費をお渡ししないといけませんね」と答えるなど、『オールドボーイ』の悪役、『美しき野獣』の冷たいジテさんはいずこへ?と思ってしまうほど、とても優しい印象。ジテさんの言葉に通訳なしでリアクションされる方も結構いたうえ、韓国語で質問するファンの方も。“韓流成熟期”の力を見ました^^
Q ご挨拶を・・・
「アンニョンハセヨ。ユ・ジテです。この映画は、監督、俳優、スタッフがとにかく『いい映画を作ろう』と工芸品を作るかのように一つ一つ真心込めて一生懸命作った作品です。そんな思いが伝わってくだされば嬉しいです」

Q この映画に出演したきっかけは?
実は映画「リメンンバーミー」(2000年)の撮影後に、一度この映画へのオファーをいただいたんですが、その頃の私に「あったかいピュアな男性」、というイメージがついていたためオファーされたんだろうと、逆にその時は(型にはまってしまうと)お断りしたんです。でもあとになって台本を読み返してみたら、あたたかいストーリーの中に社会的な素材を含んでいて、感性的にも豊かな映画になると思いました。キム・デスン監督と仕事ができるというのも出演理由の一つです。皆さんには三豊デパート崩壊事故という韓国の重い、不条理な事を知ってほしい、というよりも、ごく普通のラブストーリーとして見ていただいた上で、「韓国でこんなことがあったんだ」と思ってくださればいいと思います。
Q 恋人を事故で失うヒョヌを演じてみて・・・?
映画を撮る時は、役が自分の中に入ってくる事が多く、今回も撮影中はヒョヌ同様、憂鬱な気持ちなっていたのを覚えています。ヒョヌは憂鬱、罪悪感、喪失感にさいなまれる人間なので、自分自身と役のバランスをとるのが大変でした。

Q 個性的な役柄を演じる時と今回のような普通の青年を演じる時の違いは?
そうですね・・・最近は『オールドボーイ』、『美しき野獣』、『南極日誌』のような“強い”作品を選んできたので、『ノートに~』を撮る時は、何か物足りないような、何かもっと演技しなきゃいけないような気がしたんですね。でもよく考えてみると、こういう恋愛映画で演技をする時こそ、“空白の美”が必要なんじゃないかと思ったんです。よくしゃべる演技よりも滲み出るような演技は逆に難しいんですね。日常に近い役を演じる方がよっぽど演技と向き合う姿勢や、そのシーンを感性で汲み取る努力が必要なんだなと思いました。
Q ヒロインであるキム・ジスさんと共演してみて・・・?
キム・ジス先輩は本当にバービー人形みたいなかわいらしい顔をしてるんですが、実際は本当に明るくて話も面白くて、女大将みたいにパワフルな女性なんですよ(笑)。お酒も強くて、僕は男同士で飲むより、ジス先輩と飲む方が辛いです(会場爆笑)。私がこういう話をすると彼女すごく嫌がるんですよ。「あんたのせいで私の印象が悪くなったわ」と冗談で言われてます(笑)。
Q 実際のユ・ジテさんはどこに新婚旅行に行きたいですか?
・・・どこに行きましょうね(笑)。ヨーロッパにバックパッカー旅とかもいいですし、まだ行った事がない場所に行くのもいいですね。アフガニスタンとかインドとか?実はインドは今度行く予定なんですよ。あ、新婚旅行じゃなくて一人ですけど(笑)。恵まれない子供達の里親になる活動に参加していて、11月19日から行く予定です。
ナビ個別インタビュー!
二度の舞台挨拶を終えたジテさんは配給会社に車で移動。映画館前の出待ちのファンの方達をかき分け、ナビもそれを追います。時間的に考えてナビの個別インタビューが一番初めのようです!与えられた時間は15分(み。短い…)。ソガン(西江)大語学堂仕込みのハングルがジテさんに通じるか緊張です。でも・・ふふふ。ジテさんは日本語が結構話せると聞いているのでいざとなれば日本語で聞いてしまえ~^^;
Q この映画をどんな風に見て欲しいですか?
恋人と別れてしまったという方や死別されてしまった方達がこの映画を見て癒され、希望を持ってくだされば嬉しいです。
Q 美しいロケ地の中でもジテさんのお勧めの場所は?
ソセウォン(瀟灑院)ですね。場所的にも映画でのシーンもとても美しいんです。ミンジュの回想シーンで、僕が白い雪の中でコーヒーを持ったまますべって転びそうになるシーンなんですが、この映画のあたたかさを伝えてくれる場面です。とにかくこの映画は韓国の広報映画なんじゃないかと思うくらい(笑)、美しい場所がたくさん出てくるので、日本の皆さんが旅行で行って後悔する場所は一つもありません。一度全部まわってみてもいいと思います。
Q 季節を感じられる映画ですが、大部分を占める“秋”の撮影は1年かけてどうやって撮影を?
冬も春も“秋”の撮影をしていました。トラックが二台あって、一台には木、一台には色づいた葉っぱを積んでロケ地をまわるんですよ。監督がその場で「じゃあここ」と言えば、スタッフが秋の森を作り出すわけです(笑)。大変だったと思いますよ。演技する僕達俳優も、冬に撮る時でも白い息が出ないよう、息をするのを我慢しながら撮影しました。
Q 女性ならミンジュのような恋人でありたいと願うもの。ミンジュのような恋人は?
デスン監督の言葉を借りるなら、「ミンジュは男のファンタジーを全て兼ね備えた女性」で、僕個人的にはこんな女性はこの世に存在しないと思ってます(笑)。僕はドラマに出てくるヒロインを絶対に信じません(笑)。(ナビ:ではどうやって演技を?)全部作り上げたもの、演技ですから(笑)。なので、僕は僕で、実際に愛する人に尽くして、その人と幸せを築いていくのが賢明だと思ってます。

Q ミンジュは旅を「生き返った気分にさせてくれる」と言いましたが、ジテさんにとっての旅は?
自分を反省する機会であり、自分を成長させる機会であり、また文化について知る機会です。小さい頃は旅行やレジャーというと、贅沢だというイメージがあったんですね。経済的に余裕がなかったので。忙しくなってからは、今度は時間がない。でも旅が私達にくれるものは確実にあると思います。
ソウルナビは韓国語をマスターしたい方達がたくさん見てくれているので、語学学習についてもジテさんに聞いてみました。2002年に4ヶ月東京に滞在して日本語を学んだ経験を持つジテさん。「特にきっかけはなくて、ただ僕自身が、『春の日は過ぎゆく』で人気が出た後、精神的に休みたかったんですね。新しい経験をする時期だと思って、日本に住んでみようかと」と日本滞在のきっかけを話してくれました。舞台挨拶でもファンのリクエストに答えて「少シ、日本語ヲ話マス」と日本語を披露。語学習得に必要なものとは?という質問に、
「僕も気持ちばかりで習得しきれてはいないんですが、昔ある方がこう言っていました。勉強する時は“時間”と“好機”が必要と。その好機を逃すと勉強は難しいと。昔はどういうことがわからなかった。時間とチャンス、そんなもの自分で作ればいいんだと思ってたんです。でも年を重ねてみると、自分がしたいことよりも、しなくてはいけないことが増えてくる。ああ。好機を逃してはいけないんだなという事がよくわかるようになりました。あとは、覚えた言葉をまめに口に出すのが大切なんじゃないんでしょうか」とのことでした!
日本に長期滞在中は日本映画の勉強もしていたというジテさん。特に是枝裕和監督の作品「幻の光」「誰も知らない」「DISTANCE/ディスタンス」「ワンダフルライフ」(全部ジテさんの口から出てきたタイトルです!)が好きで、その他、最近では「パッチギ!」も面白かったそうです。
そして最後に、韓国に住んでいる方、韓国に旅行に行きたい方に向けてソウルのお勧めのお店も教えてくれました!「日本の方はカルビがお好きですよね。僕の好きな店で狎鴎亭(アックジョン)に「モンイジョ(忘れられない)」という名前のお店があって、そこの味付け炭焼きカルビがすごくおいしいですよ」とのこと。「ノートに眠った願い事」ロケ地巡りプラス炭焼きカルビ・・・完璧な韓国の秋旅です~!以上、ソウルナビでした。

その他情報

※写真はソニーピクチャーズ エンタテインメント様から提供いただきました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2007-11-09

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