嶺南窯をたずねる

慶尚北道は聞慶にある「嶺南窯」へ。

韓国の陶磁器に引かれて、この地を訪れる方も多いかと思います。  
代表的なものは「高麗青磁」「粉青沙器」「朝鮮白磁」で、それぞれいい点がありますが、私が好きなのは朝鮮白磁です。
今回訪れたのは、慶尚北道は聞慶にある「嶺南窯」です。聞慶は昔からいい土がとれるので陶芸の盛んな土地です。

「嶺南窯」の主は金正玉先生で、韓国政府が陶芸部門で認定した、現役では唯一人の重要無形文化財(日本で言えば人間国宝クラス)の大家です。先生は7代目にあたり、特に白磁を得意とされています。
案内してくれたのは、ロッテホテルの中で「陶遊」を長く営んでおられる鄭好蓮さん。長く途絶えていた韓国の陶磁器を復興させたことで有名な、池順鐸先生の秘書をされていて、また浅川巧先生を思う会の主催者の一人でもあります。
外まで出て待っていてくれた金正玉先生は大変気さくな方で、「オリペクスク」というアヒルの水炊きで我々を歓待してくれました。鶏を材料にした「タクペクスク」は何度か食べたことがありますが、「オリペクスク」は初めてで大変においしいものでした。
さて、食事の後はいよいよ作品を見せていただきました。先生の号である白山から「白山館」と名づけられた展示場には、先祖から始まり息子さんの作品までが年代をおって展示してあります。
また、窯から出たばかりの白磁の大壷を前に、陶芸の苦労談を伺うことができました。

夫人の手作りのお菓子をいただきながら、韓国風のお茶を飲むという機会にも恵まれて、大満足の一日でした。
10月に東京で作品展を開く予定の先生に、忙しい中丁寧に説明をしていただき、そのやさしい性格が作品に表されている思いで聞慶を後にしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2006-08-31

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