いきあたりばったり食いしん坊旅行記 注文津・太白(後編)

旅の後半は韓牛(ハヌ)の産地、太白へ!

こんにちは、あっきーです。美味いものを求めて江原道の南部をさまよう行き当たりばったりの旅レポート前編、注文津(チュムンジン)での海産物三昧、いかがでしたか?後編は旅の二日目の午後、江陵(カンヌン)市の注文津から海辺の街、三陟(サムチョク)市へ向かうところから始まります。海の近くでもう少し海産物を楽しもうかと思って海岸線を南下しますが、バスで移動中に見たガイドブックに載っているお肉の写真があまりにも美味しそう~!なので、急遽、予定を変更し、江原道の山中にある韓牛の里、太白(テベッ)市へ向かうことに。そして旅の三日目、このままソウルに帰るのはもったいない・・・と、山の中のレジャー施設「江原ランド」でカジノに挑戦!それでは旅のお話、再びスタートっ!

海から山へ

注文津からバスターミナルを通り江陵市内へ向かうバスは302番と315番。「チュムンジン・ノンヒョプ」(注文津農協)から、だいたい30分くらいでした。途中、江原道立大学などを経由して山道やのどかな田舎道を走るバスからの眺めはなかなかのもの。韓国の田舎を感じられました^^。
江陵高速バスターミナルは、正面から向かって左右に建物があり 江陵高速バスターミナルは、正面から向かって左右に建物があり 江陵高速バスターミナルは、正面から向かって左右に建物があり

江陵高速バスターミナルは、正面から向かって左右に建物があり

江陵(カンヌン)市から南へ54km下ったところにある海辺の街、三陟市へは市外バスで1時間くらい、料金は4,500ウォン。バスはほとんど高速道路を通らずに、途中、東海(トンヘ)市を経由しながら途中海岸線や田園風景の広がる田舎道を進んで行きます。三陟市といえばペ・ヨンジュン主演で日本でも有名になった映画「ウェチュル(外出)」(邦題「四月の雪」)を始め、ユ・テジ主演「ポムナルンカンダ」(邦題「春の日は過ぎ行く」)、SBSドラマ「テヤンエナムチョッ」(太陽の南側)などの撮影地があるところ。また、東洋最大規模の石灰洞窟があり、天然記念物に指定されている「デイリトングルチデ」(大耳里洞窟地帯)や、海辺の街らしく海岸線に並ぶ海水浴場、海産物などで有名。注文津で食べたコムチ(ウツボの仲間)は、実は三陟のほうが有名らしいんですよ~。ここでは酸っぱくなったキムチと一緒にスープにしていただく「コムチグッ」というのが食べ方の主流みたい。でもコムチはさっきお腹いっぱいに食べたので、三陟では軽く散策をしよう!ということに。何をするかな~と、とりあえずバスターミナルのすみっこにある観光案内所へ。
バスから見える海

バスから見える海

観光案内所

観光案内所

川沿いの絶壁に建つ竹西楼へ!

いろんな洞窟が集まった「大耳里洞窟地帯」に行ってみたかったけれど、洞窟行きのモノレールが休日しか運行していない(この日は平日)、ということで却下、三陟を流れる竹西楼「五十川(オシッチョン)」に沿って歩き、川沿いの絶壁に建つ竹西楼(チュッソル)まで行ってみることに。
大きな滝も見える「五十川」 大きな滝も見える「五十川」

大きな滝も見える「五十川」

川から道路を挟んだところには養蜂用の箱がいっぱい

川から道路を挟んだところには養蜂用の箱がいっぱい

竹西楼行きの標示もちゃんとありましたョ

竹西楼行きの標示もちゃんとありましたョ

1275年に自然岩盤を土台に建てられた竹西楼は、朝鮮時代には役所の施設として、またその後は詩人など風流人の休息の場などとして使用された楼閣。関東八景第一景、宝物213号というすごい建物。そしてここは何といっても、2005年に公開された映画「四月の雪」のロケ現場として有名になり、日本からも多くの人が訪れているそう。映画の看板や主演のぺ・ヨンジュン、ソ・イェジンの手形なんかもありましたョ!楼閣は思ったよりも大きく、絶壁に建つ楼から大きく蛇行した川を臨む眺めは「風流!」といったカンジ。川の向こうに見える人工的な建物が無ければいっそう素晴らしい景色なんだろうな~、なんても思ったり^^;。ちなみにココは、午前9時~午後6時(5時半までに入場)のあいだ自由に観覧できて入場は無料!
三陟は、の~んびりとした田舎町。人も車も多くなく、ひと昔前の雰囲気が残る大きくない建物が道路沿いに並ぶ町並みに、時々「四月の雪」ロケ地案内の看板やポスターが目立っていました。三陟医療院やソマン薬局、ジャズバー「自転車泥棒(チャジョンゴトドッ)」、「カフェ・ヨン」といった撮影にゆかりのあるスポットの前を通り過ぎながらバスのターミナルまで戻っていきました。バスターミナルを出発し、五十川沿いを通って竹西楼を見学、再びターミナルまでゆっくり歩いて1時間ちょっとくらい。映画の撮影地をじっくり見たい人には物足りないけど、なかなかおすすめの散歩コースかも!
<三陟市内地図>

お肉の誘惑につられてハヌの里、太白(テベッ)市へ!

海辺でもう1泊して、また海鮮三昧をしようか?という計画でなんとなくやって来た三陟。しかしここで、韓国の全国グルメガイドブックに載っているあまりにも美味しそうお肉の写真に目を引きつけられて、よく見てみるとどうやらここからそんなに遠くなさそう。しかも韓国固有種の最高級「ハヌ(韓牛)」ですって!う~ん、まだカニは食べていないけど・・・いや、今晩は肉だ、ニクー!というわけで、お肉の誘惑につられてハヌの里、太白(テベッ)市へしゅっぱ~つ!三陟から太白までは1時間弱、運賃は5,400ウォン。山道をひたすら進んでいきます。高度が高くなるにつれ、窓からは雪の残る景色が見えたりして「ああ、海を離れて山に登ってるんだな~」と実感。道に沿って線路も延びているので鉄道でも行けるみたいですね~。時々現れる山里の集落や川を車窓から眺めながら山の景色を楽しみました~。

雪の残る山間の里、太白に到着~

バスは「トゲ」というところに一度停まり、さらに走って太白駅のすぐ前にあるターミナルへ到着。山の中に位置する太白は、バスを降りて辺りを見回すと思ったよりも大きな町みたい。駅のすぐ前に見つけた観光案内所で地図などをゲットして、まずは今晩の宿探しをすることに。とりあえず駅前に何軒かモーテルが並んでいるのが見えたので値段をきいてみると一泊40,000ウォン程度。壁に施されたギリシア彫刻風のレリーフがなんだか笑える「イージス・モーテル」に宿泊することに。部屋は小ぎれいで、バスルームには浴槽は無いけれどスチームサウナとやらが付いていて何だか得した気分^^。部屋からは太白駅と列車、雪山が見えてなかなかの景色!
「太白バス停留所」(ターミナル) 「太白バス停留所」(ターミナル)

「太白バス停留所」(ターミナル)

雪が残る太白駅周辺の様子 雪が残る太白駅周辺の様子

雪が残る太白駅周辺の様子

役に立ちます!観光案内所は駅のすぐ横 役に立ちます!観光案内所は駅のすぐ横

役に立ちます!観光案内所は駅のすぐ横

「イージス・モーテル」この彫刻は一体何だ!?(笑) 「イージス・モーテル」この彫刻は一体何だ!?(笑) 「イージス・モーテル」この彫刻は一体何だ!?(笑)

「イージス・モーテル」この彫刻は一体何だ!?(笑)

でも眺めはOK! でも眺めはOK!

でも眺めはOK!

太白ハヌを堪能!

目指す食堂が紹介されているガイドブックには、細かい地図や住所がまたしても記されていないので、駅前からタクシーに乗り書かれてある通り「住公一次アパート正門前」と行き先を告げると、10分程で「テソンシルビ食堂」に無事到着。夕食時を少し過ぎた時間でしたが店内はまだお客さんがいっぱい。家族連れで帰っていくグループや、お肉を焼きながら焼酎で一杯やっているおじさんのグループ、会社の飲み会か何か?で外国人の混じったグループなど、客層はさまざま。「地元にある、みんなの食堂」といった、気取らない雰囲気です。入口近くでは、大量のお肉を切るアジュンマ(おばさん)の姿が。おお、これがハヌなのね!お、美味しそう・・・!
お店はテーブル席が中心だけど、オンドルの座敷席のいくつかあり、店の奥にある庭にはさらにポジャンマチャ風のテントの部屋が!お客さんが多く店内に入りきらないのでこの特別簡易テント席を作ったのかな~?!注意しなければならないのは、オンドル座敷席はガスコンロ付きのテーブル置いてあるのでガス火焼きになってしまうということ。混雑したお店に途中入ってきたお客さんに、「座敷は空いてるけど、ガスで焼く席だから奥のテント席に行ったほうがいいんじゃないですか?」とお店の人が言っていました。
ガスコンロで焼く座敷と奥のテント席 ガスコンロで焼く座敷と奥のテント席 ガスコンロで焼く座敷と奥のテント席

ガスコンロで焼く座敷と奥のテント席

といってもこちらのお店、炭で焼く訳ではありません^^;。テーブルの席でお肉を焼くのは練炭。昔、太白一帯は炭鉱の町として栄えた名残なのかどうかはっきりとは分かりませんが、お肉を注文すると、テーブルに運ばれてくる練炭の上に網を敷いて焼きます。
メニューは韓牛(ハヌ)のカルビ、チュムルロッ(薬味を揉み込んだお肉)、ユッケ、ユッサシミ(牛刺し)が全て各一人前(200g)2万1千ウォン!本物のハヌといえばソウルで食べると4万ウォンくらいしそう!?ここ太白は韓牛を育てる牧場があるので、この安さ、地元価格なんだそう。お店の人に一番よく出ると聞いたカルビサル、そしてユッケを注文。まずは程よく脂身の入った美味しそうなカルビが、ひと口大よりも少し大きめに切られて運ばれてきました~^^。さっそく練炭の網の上にのせてじゅうじゅう焼いていこ~!
お肉は塩入ごま油や味噌につけてそのままいただいたり、サンチュにネギやニンニクと一緒に包んだりします。お肉を焼きすぎないように気をつけて、まずはそのままごま油だけでいただきましょ~!う~ん、さすが韓牛、お肉の香りがぜんぜん違いますっ!柔らかさもグー!日本の和牛とはまた少し違った味わいだけど、良い牛肉を食べようとするととってもお値段が張る韓国、久々に美味しいお肉をいただきました~^^。お肉と一緒に出てくるのは、お肉を包むサンチュ、細切りネギの辛子和え、お味噌を付けて食べる切ったキュウリと青唐辛子、そして白菜と大根のキムチとさっぱりした水キムチ。この水キムチが絶品!お肉の油っぽさを程よく緩和してくれます。これでお肉を包んで食べても美味!
とーっても美味しいカルビに感激して夢中で食べていると、お次はユッケの登場~!細切り梨の上にモリモリと盛られた赤いお肉と、その中央にのせられた黄色い卵黄が最大限に食欲をそそるコントラスト。キレイに盛り付けられたユッケを崩すのはもったいない気がするけれど、全体をよ~く混ぜ混ぜしてから思いっきりパクリ!梨とタレが少し甘めだけど、産地でいただく新鮮なユッケはやっぱり最高~!
こちらのお店はもちろんお肉の専門食堂だけど、シメのテンジャンチゲ(韓国のお味噌汁)とソミョン(素麺)も美味しいとか。お腹はいっぱいだけど、そんなに美味しいとウワサならここは食べておかないと^^!と、両方注文してみることに。そして実際に、確かに二つとも素朴だけどいいお味。豆腐と、塩漬けにして干した白菜の入ったテンジャンチゲは、一緒に食べていた韓国人が「昔のテンジャン(お味噌)の味だ!」と感激していたほど。お味噌の香りはしっかりするのに、全然しょっぱくないんですよね~。これが「昔のテンジャンの味」なのか~。
素麺のほうはミョルチ(煮干)など魚の乾物のダシがきいた、きわめてあっさりだけど奥深い味わいのスープが美味。いやあ、今まで食べたこのシンプルなタイプのソミョンの中で一番!
*テソンシルビ食堂
住所: 江原道(カンウォンド)太白市(テベッシ)黄池洞(ファンジドン)
(住公一次アパート正門前、バスターミナルより10番バスで「2ジュゴンA.P.T」下車徒歩3分ほど)
電話番号: 033-552-5287
営業時間: 10:00~21:30
休業日: 旧正月、秋夕のみ
<太白市内地図>

最終日はどこへ!?

最終日は江原道の山の中にある「江原ランド」によってソウルへ帰ることに。バスターミナルで聞くところによると、太白市から江原ランドまではバスで麓のターミナルまで行き、そこからの足はタクシーしかない、とのこと。とりあえず「コハン・サブッ共用バスターミナル」までの切符2千ウォンを購入してバスに乗り込みました。雪がまだたくさん残る山道を、さらに山の奥へと進むバス。空はよく晴れて、雪山によく映えていました。目的地「江原ランド」は大きなスキー場やカジノ、宿泊施設などが集まった巨大レジャー地帯。昔、この辺り一帯は炭鉱の街として栄えたけれど、石炭の需要が減り炭鉱が廃れてしまったことから経済の活性化のためにつくられたそう。この施設内にあるカジノは、国内で韓国人も遊べる唯一のところ。
「コハン・サブッ共用バスターミナル(コハン市外ターミナル、通称コハンターミナル)」までは20分ほどで到着。ここからターミナル前に待機するタクシーに乗り、さらに15分くらい山を登っていくと江原ランドのカジノと宿泊施設が入った大きな建物に着きました。タクシー料金は7千ウォン。ターミナルからけっこう遠かったですね^^;。

カジノに初挑戦!

カジノへの入場は、外国人なら無料、韓国人は入場料5千ウォンが必要。外国人として住んでいると何かと不便なこともあるけど、ここではラッキー!何だか得した気分^^。外国人登録証かパスポートを提示して入場券を受け取ります。荷物は受付で預けることができるけれど、上着は預かってもらえないことと、カジノ場内での写真撮影は禁止!なので、専用の密閉袋に入れなければならないことが注意する点。写真が撮れないのは残念だけど、場内は人でいっぱい、無料&飲み放題のソフトドリンク、銀行もありました。そして外国人よりも韓国人が圧倒的に多く、たくさんの人がカジノに興じていました。中には大金を抱えてゲームのテーブルを去って行く女の人がいたり、喫煙所で「ダメだ、どうしよう・・・」と肩を落としているおじさん、スロットの台を何台も占領しているおばさんなどの姿があり、カジノは初めてのあっきーはそんな人々を見るだけでも楽しめたかも。ギャンブルは苦手だけど、せっかく来たのだから!と、スロットに挑戦!しかし、あっという間に5万ウォンがマシンの中に吸い込まれていき惨敗。1回100~300ウォンなのに・・・- -;。賭けをする時は、もっと大量にお金を準備しなきゃいけないんでしょうね^^;。
カジノは雰囲気だけを楽しみ、そこそこで切り上げて、この建物の周辺にある散歩コースを散策してみることに。中はきらびやかに見えるこの建物、外から見ると意外と安っぽい^^;けれど、雪山と青空の中にそびえ立つ人工的な建築物は何だか不思議な光景・・・
帰りは、調べてみるとバスターミナルまで行く無料のシャトルバスがある、というので乗って山を降りてみると、来たときとはまったく別のターミナル、通称「サブッ総合ターミナル」に到着。しかもここからはソウル行きのバスは出ていないみたい^^;。ここにはバスターミナルが二つあるので注意!仕方がないのでタクシーに乗ると、ワンメーターで「コハン市外ターミナル」に着きました。これは「コハンターミナル」と「江原ランド」をタクシーで往復するよりは随分安上がりな方法かも。そうこうしながらも、移動中はかつての炭鉱の街らしく石炭の山が見えたり、「コハンターミナル」の周辺にはローンのお店が軒を連ねているのが見えたり。さらにその周辺には昔炭鉱夫たちが集まったことで賑わったサムギョッサルのお店が集まる一角もあるそう。一見ただの山道や田舎町の中にも、昔の炭鉱の街としての面影と、現在のカジノの街としての現実を垣間見たような気がしました。
<江原ランド周辺>
このあと、東ソウル行きのバスに乗ってソウルへ無事到着。いきあたりばったりの旅、いかがでしたか?あっきーはフグや韓牛など、美味しいものがいろいろ食べられてとっても楽しい2泊3日デシタ^^。ホントはもっと食べたいものもあったんですけど・・・^^;。海の幸が豊富な注文津や韓牛の里、太白はほとんど偶然行くことになった所だけど、また行ってみたいお気に入りの街にもなりました。ちなみにこの二つの街はソウルからバスに乗って直通で行き来できるので週末にちょっと出かけるのもいいかも!またふらっと旅に出よう!無計画に旅をするのもなかなか楽しいものですョ^^!以上、あっきーでした。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2008-04-02

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