みぽりん@そうる.com・第13回「韓国主婦の余暇の過ごし方~お暇な主婦のアジト、ツゲバン(編み物教室)」

第13回「韓国主婦の余暇の過ごし方~お暇な主婦のアジト、ツゲバン(編み物教室)」

皆様お久しぶりです!みぽりんで~~す。
初夏のある日、おうちの近くにある小さなショッピングモールをフラフラとしていたところ、「ツゲバン(???)――編み物教室)」なるものを発見しました。これは何だろう??と時々覗いたりしたんですが、主婦が集まってせっせと編み物をしているようなんですよ。ところで編み物だけしているんじゃなくて、ぺちゃくちゃとお喋りに興じながら、コーヒーを飲んだり、お菓子を食べたりもしているし、2、3人集まった時はご飯を食べたりもしているじゃないですか。むむむ!!
そんなわけでみぽりんはある日突然思い立って、この「ツゲバン」で編み物を習ってみることにしました。編み物は高校時代にちょこっとしただけで、あんまり好きじゃなかったんですが、夏の帽子くらい編めないことはないわよ!
この「ツゲバン」は4坪くらいの小さな店舗を、店長さん兼編み物の先生であるおばさんが一人で経営しています。毛糸を買ったら簡単な編み方は無料で教えてくれるのですが、一応会員制で、3ヶ月6万ウォン払ったらセーターまで編めるように丁寧に指導してくれるとのこと。まあそれほど一生懸命しようなんて思っていなかったものですから、会員になるのはやめて、毛玉を三個と編み棒を買って(計15000ウォン)帽子を一個完成するまで通うことにしたのでした。
朝11時。先生が出勤するのを待ってましたとばかりに「ツゲバン」に行く。これってかなりお暇な主婦なんでしょうが、帽子を完成するまで頑張ろうと決心したので、熱心に通うことに。先生がお店のお掃除をするのも手伝ってから、コーヒーなどすすりながら、せっせと編む。そうこうしている内にいろんな人が出たり入ったりするんですが、ショッピングモールの小型店舗の従業員というのは暇な人が多いらしく、編み物には全然関心がないのに延々座っておしゃべりしていく人のほうが多いほど。「変な人が多いなあ~」と横目で見ながら、ひたすら編み物に熱中していたんですが、あっという間に「日本人のおばさんが編み物に熱中している」という噂が広まり、「今日も来ているよ」と私を見にくる人も出る始末。ふえ~~
歳を聞いて「え!!」とわが耳を疑っちゃったくらい若作りの先生。音楽を聴きながら手芸をするのが趣味で、とうとう自分のお店を持ったそうですが、編み物だけじゃなくて、クロスステッチやキルトも好きで、時間があるとせっせと小物の作成に熱中していました。それだけじゃなくて、アロマオイルや自然化粧品や浄水器もお店の端っこで売りながら、ビジネス拡大のためにいつも頭を悩ましているという、たくましい韓国のオモニでもあるのです。このお店を始める前は、市民会館の「編み物教室」の先生を長年していたという経歴の持ち主。
先生の10年来の作品が所狭しと飾られていますが、なにせ夏場なので、編み物を本格的に習おうという人自体が少なくて、何時行っても閑古鳥が鳴いていました。これじゃあお店のレンタル料である40万ウォン/月を払ったら、あんまり残らないでしょうな。それでも毎日お昼時になると数少ない会員(私も含めて)と一緒にご飯を分け合って食べるのでした。
そうこうしているうちに先生とすっかり仲良しになってしまったのですが、仲良くなるとプライベートなこともすぐに話してしまう韓国人のことですから、先生は会員の悩みもかなり正確に把握しているのでした。よくよく話を聞いてみると、ノイローゼ気味の主婦が気晴らしに通っているケースが多いよう。お金のトラブル、嫁姑の葛藤、子供の教育など、どこに行っても主婦の悩みは尽きないですね。そんな悩み多き主婦が集まる所がここ。。。「ツゲバン」だったのです。
はじめは帽子1個だけ作ろうと思って通い始めた「ツゲバン」でしたが、既に3個目に突入してしまいました。しこしこ編み物ばかりしているのは夏の空には似合わないなと思いながらも、優しい先生とラーメンを分け合うのが楽しくて辞められないでいます。秋風が吹き始める編み物の季節になったら、生徒が爆発的に増えて、座る場所もないくらい忙しくなるとのことですから、この暇な状態もあと数ヶ月の我慢です。それまで頭を寄せ合い、悩みを聞き合い慰め合いながら編み物を習い続けるのか?!ちょーーっとジメジメし過ぎでしょうか?!

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2003-07-18

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