みぽりん@そうる.com・第27回「韓国人は教会がお好き―なぜ教会に行くの?−」

第27回「韓国人は教会がお好き―なぜ教会に行くの?−」

春の日差しを感じる今日この頃、如何お過ごしですか?引越しが無事終わったみぽりんは一気にのんびりしてしまいましたが、あの時の葛藤が忘れられなくて、教会に続けて通っています。韓国はアジアでも有数のキリスト教国家なのは周知の事実。ソウルに初めて来た時、ホテルの窓からネオンサインが灯った十字架が沢山見えて、びっくりしたことは忘れられません。どうして韓国人は教会が好きなのか?日本人の私にとっては永遠のテーマでした。こういう謎を解くには直接行って見るのがベストですね。
イエス・ソマン教会
みぽりんがここを選んだ理由は我が家から近いし、建物が奇麗だということもありましたが、何よりもこの教会の牧師さんが韓国でも特に有名な方だったからなんです。
郭善煕(クァク・ソンヒ)牧師(72歳)
韓国のクリスチャンの中では知らない人がいないくらい有名な牧師さん。この方が約30年前、ソウルの江南にイエス・ソマン教会を作られました。当初は信徒が11人しかいませんでしたが今は何と5万5000人を越えたそうです。教会を作るというと変な感じがしますが、韓国では神学大学を卒業して牧師になり、小さな開拓教会を任されて牧師としての訓練を重ねてから、自分で部屋を借りて教会を始めたりするんです。
ただ自分の財産を注ぎ込んで教会を作っても信徒が集まらないと教会の運営が苦しくなってしまい、時には破産してしまうことも。以前地方紙に「教会売買」という広告が出ていたのを覚えていますが、そうなると牧師さんは大変なことになってしまいます。その点ソマン教会は大成功したケースだといえるのではないでしょうか。
日曜日の礼拝は第一部:朝7時半、第二部:朝9時半、第三部:昼11時半となっていて、それぞれ1時間半程度で終わります。それから毎朝5時半から早朝祈祷会が。水曜日は夕方7時半から礼拝があります。みぽりんはこの日昼11時半の礼拝に参加しましたが、大礼拝堂は二階席まで信者でいっぱいで、全部で1000人くらいいました。教会創設記念礼拝の時は5000人以上集まったそうです。
さて礼拝の内容ですが、讃美歌、聖歌隊のコーラス、祈祷文、聖書拝読、説教等々と世界各地のどの教会に行っても似たような内容でした。ところでこの信者の数。そして集中度の高さ。牧師さんと信徒の間のビリビリとした共感度は、やはり韓国ならではのものだと思いました。郭牧師の説教はシンプルで分かり易いのが特徴ですが、特に、「何も心配することはない。神様がいらっしゃるじゃないか。」と、この一点を特に強調されていました。
以前ソウルにある他の有名教会に行ったことがあるんですが、数十人の信徒が、「あ~~ハナヌム(神様)~~アーメン~~アアアアメーーーーン」と泣きながら両手を振り回してお祈りしているのを見て、びっくりしてすぐに帰ってきてしまったことがありました。一方、ソマン教会は静かで、落ち着いていて、同じプロテスタント系の教会とは思えないほどでした。個性の強い韓国人は、自分のタイプに合わせて教会も選ぶようです。
ざーーーと波が押し寄せてから引いていくように、信徒達は礼拝が終わると帰ってきましたが、他の教会のようにバスの送り迎えや食事の無料サービスがないのに、これだけ人が集まるとは大したものだと思います。
日本にいたときは教会に行こうということ自体考えなかったみぽりんですが、最近は日曜の礼拝が待ちどうしいなあ~と思うほど。自分でも不思議ですが、教会で讃美歌を聞くと頭がすっきりするんです。 数日前新聞で「北が核兵器を保有していた」という報道がありましたが、やっぱり核の脅威という点から考えても韓国はアブナイ国ですよね。それだけじゃありません。不動産は暴落するし、株価は高騰する、子供達は夜中まで塾に通わなくちゃならないし、老後の心配もしなくちゃならないと、不安材料は山積みです。 いつも何か不安で、追いかけられているような韓国・・・だ。か。ら。宗教が必要なのかもしれません。韓国に根を下してから、「教会にでも通わなくちゃ生きていけないよ」という心境に到達したみぽりん。最近お祈りにも力が篭もり気味です。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2005-02-15

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