ロッテ狂!芝崎裕久の野球旅行記

韓国野球を見に行く!

『夏と言えば?』と問えば、何が挙げられるだろう。ビール、枝豆、そして野球である。アメリカでも日本でも野球は夏のスポーツである。それは、ここ韓国でも同じ。 8球団によるプロ野球のペナントレースは熱を帯び、全国規模の高校野球大会も開催されている。今回は千葉ロッテマリーンズファンである私が、同じくマリーンズを愛する友人2人と訪れた韓国のプロ野球観戦レポートをお送りする。

7月27日ロッテジャイアンツ対現代(ヒョンデ)ユニコーンズ @水原(スウォン) 球場

韓国に着いて2日目。いよいよ、今回の旅の目的である野球観戦である。私の韓国野球観戦は2年ぶりである。ワクワクした気持ちで地下鉄1号線の水原行きに乗り、揺られること約1時間。スウォン(水原)駅に到着する。
『さて、球場へはどうやっていくのだ?』 と迷っていると有り難いことに外国人観光客用の案内所が。早速、入って聞いてみる。「プロ野球ですか?日本からロッテの応援??総合運動場の中に野球場があります。ここからだとタクシーが良いですよ。」と日本語で丁寧に教えてくれたのはリュウ・キョンスクさんというおばさん。しっかり地図まで頂いてしまう。リュウさんの話だと、わざわざ水原までプロ野球を見に来る外国人というのは少ないらしい。
丁寧に礼を言い、タクシーで球場へ(約20分)。野球場がある水原総合運動場は、陸上競技場と体育館と野球場を中核施設とした運動公園で、陸上競技場はプロサッカーK リーグの水原サムソンブルーウィングスの本拠地でもある。野球場の外観は大阪にある藤井寺球場くらいの大きさである。
入場する前にキャラクターグッズショップで地元の現代ユニコーンズの帽子(10000ウォン)、ファンブック(2000ウォン)、サインボール(3000ウォン)などを買い込む。(我々、日本人にとっては安く感じるグッズだが、これらの価格は韓国人にとっては少し高めである。そのためグッズを買っていたのは我々だけであった)。
グッズの袋を下げてチケットを買い、 いよいよ入場。入場料は一般席5000ウォン(指定席は8000ウォン。一般席には軍警・学生3000ウォン、子供1000ウォンという料金もある)。フィールドは内外野とも天然芝で美しい。日本でもロッテを応援している我々は3塁側のロッテ応援席に陣取り、韓国国歌を斉唱した後、18時30分プレイボール。
応援団(この日はリーダー一人に小太鼓1つだけ)の指揮の下、風船を叩いて応援するも、試合の方は3回に現代打線が爆発。満塁ホームランを含む3連続ホームランで7点。その後も追加点を奪われ6回を終わった段階で13対0で現代がリード。スコアボードの時計は21時05分。
7回に恒例のリーダーのトランペットの調べに乗せての『プサンカルメギ(ロッテの本拠地であるプサンの歌である。カルメギはカモメの意)』を歌ったところで応援団は「今日のロッテは駄目だ。もう帰ろう」と帰ろうとする。帰る応援団を「帰ってしまうのか!!もう少しいてくれよ!」とロッテファンのおじさんが追いかけたため、「もう1曲だけ」との条件でもう一度スタンドに戻りもう1曲歌ったものの、やはり応援団は引き上げてしまった。韓国野球ファンは熱いが、厳しい一 面も見せることもある。ホテルに帰ってスポーツニュースを見ると、結局、試合は現代がその後も追加点を奪い16体0で勝ったと伝えていた。
<韓国プロ野球豆知識>
韓国プロ野球は8球団あり、4球団ずつの2リーグ制で構成。(ドリームリーグは斗山ベアーズ、三星ライオンズ、現代ユニコーンズ、ヘテタイガース、マジックリーグは韓火イーグルス、ロッテジャイアンツ、LGツインズ、 SKワイバーンズで構成)。
2リーグであるが、各球団総当たりの132試合制で ペナントレースは行われる(若干同一リーグとの対戦の方が試合数が多い)。上位2チームずつのプレーオフ(マ・リーグ1位とド・リーグ2位のようにたすき掛けで行う)を経て、7回戦制の韓国シリーズを行いチャンピオンを決定する。
ソウルのチャムシル球場は斗山ベアーズとLGツインズが本拠地としているためシーズン開幕から 毎週火曜日から日曜日まで試合が行われているので、日本人観光客にとってはソウルでの観戦が便利。
韓国プロ野球豆知識についてですが、 2001年から変わっております。

試合は1チーム133試合で1リーグ制です。
試合開始は原則として平日は18時30分、 土曜日は17時、休日は14時です。
ただし、夏期は18時30分です。
延長は15回まで、ただし22時30分からは つぎのイニングに入らない。
雨天中止の場合は翌日ダブルヘッダー(3連戦最終日を除く)、 日曜日雨天中止の場合は月曜日に開催。 日程はよく変更されるので新聞で確認してください。
(読者Sさんからの情報です)
<水原球場メモ>
交通手段は、ソウル市内からバスも出ているが地下鉄1号線との乗 り入れである国鉄に乗ってスウォン(水原・Suwon)駅下車、もしくはファソ(華西・Hwaseo)駅下車でタクシーを利用した方が良い。
チケットは当日券でも全く心配ない。食べ物はキムパッ(海苔巻き)1000ウォン、ハンバーガー1000ウォン等があるが、売店はあまり充実していないので、駅前で買っていっても良いだろう。
ちなみに水原は現代ユニコーンズよりも観光地である世界文化遺産『華城』や、郊外にある民俗村が有名。

水原野球場ですが、国鉄ファソ駅からタクシーというのは いいとは思わない。
タクシーはつかまらないでしょう。
徒歩だと1時間くらいはかかるでしょう。
国鉄水原駅からバスを利用したほうがおもしろいと思う。
運転手に「ウンドンジャン?」といえば通じる。
何でもタクシーで済まそうというのは簡単だけど 苦労して野球場へ行くもの体験。
ナイターの場合はお帰りの電車にも気をつけて ください。22時以降はソウルゆきの電車は現地か 時刻表でご確認を。それ以後は長距離列車線の ソウル行きがありますけどソウルから先の 公共交通機関はありません。
(読者Sさんからの情報です)

8月28日 LGツインズ対三星(サムソン)ライオンズ@チャムシル野球場

ソウル市内の中心部から地下鉄2号線に乗り、スポーツ新聞で先発投手をチェック し、知らない間に始めたうたた寝が本格的になってくる頃、チャムシル野球場がある総合運動場駅に到着する。この感覚も久しぶりである。
改札を抜け、階段を上がる。 階段にはたくさんのアジュンマ(おばさん)がキムパッ(海苔巻き)、ミネラル ウォーター、するめ、焼酎等を売る露店を広げている。
実はこのアジュンマ達は非常に重要な役割を担っている。それは『天気が怪しいときにゲームが中止か否かを教えてくれる』ことである。ソウルの地下鉄の駅では日本の鉄道(西武、阪急、阪神、 神戸市営地下鉄)のように中止の掲示もアナウンスもない。そこでアジュンマにその役割が回ってくる。なにも直接的に中止と言うわけではない。キムパッを普段は1パックを1000ウォンで売るところを、2~3パックで1000ウォンで叩き売っていたら中止なのである。この日はめでたく1パック1000ウォン。
時計を見ると17時。試合開始は18時30分である。時間はたっぷりあるのでレフ トスタンド下のLGツインズと斗山(トゥサン)ベアーズのショップを覗くことにする。両チームともソウルをフランチャイズにしているだけあって、商品は充実。
LGはナイキ、斗山はフィラがサプライヤーなので値段は少し高くなるが、ここでしか買えないナイキ製やフィラ製もある(ちなみにLGのウインドブレイカーは50000ウォン、斗山の ポロシャツは55000ウォン)。 私はファンブック(3000ウォン)やTシャツ (12000ウォン)、帽子(10000ウォン)等を買い込む。(一般の韓国人に とっては価格が高いのか、韓国人の姿はほとんど無く、一緒に行った友達も入れると両チーム合計15万ウォンくらい買ったのでその日の売り上げはほとんど私たち日本人が 買ったと思われる)。
グッズショップの隣にあるコンビニ『LG25』でコカコーラ ライト(700ウォン)を買い、チケット売場でチケットを買って、いよいよ入場。
時計を見ると17時。試合開始は18時30分である。時間はたっぷりあるのでレフ トスタンド下のLGツインズと斗山(トゥサン)ベアーズのショップを覗くことにする。両チームともソウルをフランチャイズにしているだけあって、商品は充実。
LGはナイキ、斗山はフィラがサプライヤーなので値段は少し高くなるが、ここでしか買えないナイキ製やフィラ製もある(ちなみにLGのウインドブレイカーは50000ウォン、斗山の ポロシャツは55000ウォン)。 私はファンブック(3000ウォン)やTシャツ (12000ウォン)、帽子(10000ウォン)等を買い込む。(一般の韓国人に とっては価格が高いのか、韓国人の姿はほとんど無く、一緒に行った友達も入れると両チーム合計15万ウォンくらい買ったのでその日の売り上げはほとんど私たち日本人が 買ったと思われる)。
グッズショップの隣にあるコンビニ『LG25』でコカコーラ ライト(700ウォン)を買い、チケット売場でチケットを買って、いよいよ入場。
人気チーム同士の対戦なのでスタンドは7分近い入り。日本のロッテファンである私たちは、かつて 日本のロッテに所属したフリオ・フランコ選手がいる3塁側の三星ライオンズ側のスタンドに陣取る。試合前から熱気が凄い。応援も既に始まろうとしている。
韓国式の応援に欠かせないのはステージ、応援団長、チアガール、大太鼓、そして観客が日本のメガホンのように叩く細長の風船(1000ウォン)で、ステージの上の応援団長がステージの上でリードを取って大太鼓と観客の風船を叩く音で盛り上げる。チアガールはイニングの合間とチャンスの時に出てきて踊る(この踊りがかなり艶めかしいので、席によっては目のやり場に困るのだけど。まぁ、筆者は男なので嫌いではあ りませんが)。

この日の試合は地元LGが得点しては三星が追いかけるという展開で、スタンドの売り子(韓国の球場の売り子はおばさんばかりである。売っているものは応援の風船、アイスクリーム、するめ等。プサンの球場だとラーメンやポンデギ(蚕のさなぎの中の幼虫の煮物)を売っていたりもする)からアイスクリームを買う余裕もないくらいに、私たちも観客も応援団も大いに盛り上がった。三星はフランコ選手もヒットを放ち追いすがるも、韓国一人気がある自慢のホームランバッターで あるイ・スンヨップ選手が不発。結局、9対7で負けてしまった。
試合の後は余韻を楽しみながら、美味しい料理に舌鼓。そして勝利の美酒。これはソウルでも楽しめる。地下鉄総合運動場の1つ隣の駅、シンチョン(新川)駅の付近には多くの飲食店がある。
私たちが行ったのは春川名物タッカルビ(鳥のカル ビ)の店、チュンチョンポンチップ。新川駅前の飲食店では野球帰りの客が多く、野球談議で盛り上がっているとの噂通り、私たちと同じ球場帰りの人も多かった。
私たちは鳥カルビの焼きめし (一人分2900ウォン)をいただいた。野菜もたっぷり入って、味付けもさほど辛 くもなく美味しい。アルバイトの女の子が「日本人ですか?今、私の兄が日本の新宿の日本語学校へ行っているの。日本人を見ると兄を思いだして親切にしたくなって」 と言って、セルフサービスになっているのに水やキムチを持ってきてくれたりして、 店員さんも親切。価格も一人5000~7000ウォンもあれば腹一杯食べられるはず。酒類も一通り(ビール、焼酎)揃っているから勝利の美酒もノープロブレムである。
<チャムシル野球場メモ>
ソウルオリンピックやサッカーの韓日戦、統一○会の合同結婚式で有名なオリンピックスタジアムの隣に位置するLGツインズと斗山ベアーズ の本拠地。2チームの本拠地であるためシーズン中は火曜日から日曜日まで毎日試合が開催される。入場料は指定席8000ウォン、一般席5000ウォン。
場内には至る所にバーガーキング、ケンタッキーフライドチキン、LG25があり食べ物は充実。1999年まで無かったアルコール類の販売も解禁された。場外にも食べ物を売る露店が沢山ある。
フィールドは天然芝で美しく、スコアボードの大型スクリーンはLGツインズの親会社の主要部門が電気関係の影響からか、威信を掛けて制作されたCGの映像で試合を盛り上げる。スタンドの上段に陣取れば試合と同時に夜景も楽しめる。
アクセスは地下鉄2号線総合運動場駅下車すぐ。ソウル市内中心部からだと約40分。
<日本のロッテファンによる韓国ロッテのお菓子紹介>
日本ではお菓子メーカーのイメージが強いロッテだが、韓国でロッテといえば、ホテ ルや百貨店などを計27社経営する中堅の財閥である。しかし、ロッテは、やはり韓国でもお菓子メーカーとしても有名である。今回はそんな韓国ロッテのお菓子を紹介 しよう。
写真を見てわかる通り、パッケージは日本のものとほとんど変わらない。 ガーナチョコレート、フラボノガムなどの定番商品は表記がハングルになっているだけである。韓国ロッテらしいものといえば、日本ではG社が作っている『〇ッキー』 に似た『ペッツペロ』という商品。他に、ミッフィーやポケモンをパッケージに使ったスナックもある。
韓国ロッテは飲料も作っていて、日本でいう三ツ矢サイダーのよ うに『七星(チルソン)サイダー』という商品が有名である。味の方は、食べてのお楽しみとだけ書いておこう。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2000-08-27

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