ソウルからぶらり鉄道の旅~京義線に乗りに行こう!

ソウル鉄ちゃんの旅、パート2~今度は北上京義線、臨津江を越えちゃいました+オドゥサン展望台にも寄っちゃいました。

こんにちは。すっかり鉄道づいてしまいましたが、またソウルから鉄道ミニミニ旅に出かけたいと思います。今回、是非乗ってみたい線は京義線(キョンウィソン)。京義線は現在ソウルから臨津江を越えて板門店の手前、トラサンまで伸びる線。でも確かトラサンまで行くには身分証がいる?前日までに予約がいる?予約がいるならあきらめることにして、パスポートも用意して出発。また今回はせっかくなので途中下車してオドゥサン展望台にも足を伸ばしてみたいと思います。

<今日の旅>
コース予定:
ソウル−(京義線)−トラサン−(京義線)−金村~(オドゥサン展望台)~ソウル
予定時間:3時間
朝9時40分、ソウル駅にやってきました。
さっそく目の前にある今日の切符売り場に向かいます。
「トラサン・・・」
「京義線は14番窓口に行ってください」
京義線は専用窓口があるのでした。さっそく14番窓口へ。
今日はこちらで2枚の切符を購入します。
行き:ソウル−トラサン
帰り:トラサン−金村
「身分証明書はありますか?」
やはりトラサンまで行くにはいるようです。さっそく外国人登録証を提示。
「トラサンではすぐ帰るのですか?ツアーとかもありますが・・・」
すみません。乗ることが目的なんです。
すぐ戻る往復のチケットにしてもらいました。
無事ゲットした今回の切符。ソウルと臨津江駅の間は通勤列車自由席、臨津江駅とトラサン駅の間はセマウル号で指定席になっています。料金はソウル−トラサンが片道2400ウォン。
ちなみに臨津江−トラサンは必ず往復切符を買わないといけないそう。片道乗車は出来ません・・・
<行きの切符> 

<行きの切符> 

<帰りの切符> 

<帰りの切符> 

出発まで10分、いつものキオスクによる時間もなく、ソウル駅を走ります。
ホームは一番端、12番ホーム。改札をくぐったら右に曲がります。
左手にある階段を下りていくとホームに列車が止まっているのが見えます。 出発まで10分、いつものキオスクによる時間もなく、ソウル駅を走ります。
ホームは一番端、12番ホーム。改札をくぐったら右に曲がります。
左手にある階段を下りていくとホームに列車が止まっているのが見えます。

出発まで10分、いつものキオスクによる時間もなく、ソウル駅を走ります。 ホームは一番端、12番ホーム。改札をくぐったら右に曲がります。 左手にある階段を下りていくとホームに列車が止まっているのが見えます。

ソウル駅発、トラサンの1つ手前の臨津江(イムジンガン)駅行き通勤列車。4両編成。 
車両は日本の郊外を走るローカル線のような感じ。 ソウル駅発、トラサンの1つ手前の臨津江(イムジンガン)駅行き通勤列車。4両編成。 
車両は日本の郊外を走るローカル線のような感じ。

ソウル駅発、トラサンの1つ手前の臨津江(イムジンガン)駅行き通勤列車。4両編成。 車両は日本の郊外を走るローカル線のような感じ。

車内はロングシートとボックスシートが半々。 車内はロングシートとボックスシートが半々。

車内はロングシートとボックスシートが半々。

分類は通勤列車(トングンヨルチャ)。英語に訳すとコミューター。 

分類は通勤列車(トングンヨルチャ)。英語に訳すとコミューター。 

各駅停車なのに売り子のおじさんが。 

各駅停車なのに売り子のおじさんが。 

■ソウル−>臨津江:通勤列車

1時間に1本の運行のせいか、座席はほとんどうまっています。
クロスシートはほぼいっぱい。空いているロングシートの窓際に横を向いて陣取ります。
9時52分、定刻より2分遅れてソウル駅を出発。
お馴染みのソウルの風景も、列車から見ると新鮮。
この区間は列車もゆっくりゆっくり進みます。
最初のトンネルを過ぎ、10時1分、巨大な駅ビルの下になった新村(シンチョン)駅へ。
古いホームの名残りが見えます。
右手には延世大が、左手には新村の教会が見えてきます。
このあたりから列車のスピードがあがります。
次の加佐(カジャ)駅を過ぎると隣りに線路が見えます。
いま工事が進められている京義線電鉄化後の新しい線路のもよう。
10時7分、水色(スセク)駅に到着。
あたりはにょきにょきと新しいビルが。なにやら品川?みたいな感じ。
水色を過ぎると一気に田園風景となります。
遠くに漢江に架かる橋も見えます。確か空港から帰ってくるときに渡る橋。
花田(ファジョン)駅を過ぎるとKTXの操車場が見えてきます。
江梅(カンメ)駅を過ぎるとすぐ幸信(ヘンシン)駅。ここはKTXの停車駅です。新幹線でいえば博多南駅のような感じ。
隣りには電化後の新しい橋脚やら新しい路肩がずっと続いています。
右手に団地群が見えてきました。ソウルの北にあるニュータウン、イルサンの団地群です。
陵谷(ヌンゴク)駅、大谷(テゴク)駅を過ぎると再び農村風景。
谷山(コクサン)駅を過ぎるとまた団地群がまた見えてきました。
このあたりはもう完全に通勤圏。電鉄化がすすめられるのもわかります。
白馬(ペンマ)駅も団地群の玄関口となりそう。
10時39分、一山(イルサン)駅着。
ニュータウンの名前を持つこの駅だけは昔の雰囲気があふれています。
炭県(タンヒョン)駅を過ぎ、再び田園風景に。
しかし雲井(ウンジョン)駅が近づくと、また団地群が遠くから近づいてきました。
まだまだ通勤圏の様。電鉄化が進むのも分かります。
次の団地群にはテレビ局の撮影所らしい建物もあり。
雲井駅を過ぎると再び農村地帯が広がります。
次の金陵(クムヌン)駅を過ぎ、10時50分、帰りに途中下車する金村(クムチョン)駅到着。
ここは沿線で久しぶりに街、という感じ。
このあたりは高架の工事が進んでいます。
ようやく団地の姿は消え、のどかな田園地帯が広がるようになりました。
ここまで来ると大部乗客が減ってきました。

月籠(ウォルロン)駅、坡州(パジュ)駅を過ぎ、11時2分、沿線最後の大きな街、ムンサン駅着。
臨津江駅までもうすぐです。
ちなみにムンサンから先は最近延長された線。
雲泉(ウンチョン)駅を過ぎ、11時13分、終着駅の臨津江(イムジンガン)駅到着。
といっても京義線はもともと今の北朝鮮の中国との国境にある町、新義州を結ぶ線でした。だから臨津江も昔は京義線もその通過点にすぎなかったのです。 それが南北分断という現実の前に現在はここが終着駅、となっています。
で、臨津江の次の駅は・・・「平壌」?と、遠いな・・・

■臨津江−>トラサン:セマウル号

この臨津江駅で全員下車。この先のトラサンへは別の列車に乗り換えます。
臨津江駅は終着駅?なのでホームは1つ。
ソウル方面もトラサン方面も同じホームから乗車します。
ただトラサン方面は同じ方向でも一度ホームの外に出なくてはいけません。
出口の改札には案内板があります。
「DMZ臨津江駅チケット売り場」。
切符を既に買っていても一度窓口で身分証明書を出して切符にスタンプを押してもらい、また往復分のチケットがあることが必要。
臨津江からトラサンへは現在11時5分、11時40分、12時40分の1日3本運行。トラサンからはソウル駅でも説明があったように、シャトルバスで第3トンネル+トラサン展望台見学の約2時間半の観光コースが2回設定されているようです。定員は180名。
料金は大人11700ウォン。
こちらが臨津江駅の乗り場。
まだ待ち時間30分があるので臨津江駅をうろうろ。
<食べ物はここスナックのみ。鍋ウドンがうまそう。> 

<食べ物はここスナックのみ。鍋ウドンがうまそう。> 

<遠くに臨津閣が見えます>  

<遠くに臨津閣が見えます>  

<坡州市の案内地図でながめましょう>  

<坡州市の案内地図でながめましょう>  

<駅には付箋がいっぱい>  

<駅には付箋がいっぱい>  

いよいよトラサン行きに乗り込みます。
入口には荷物検査と身体検査と憲兵が。ちょっと緊張感が増してきます。
おそるおそる切符を見せると「ハンコが押されていません」。
実は切符を持っていてもハンコを押さなきゃならないのをしらず、さっきのチケット売り場へあわてて戻ります。
外国人登録証でOKでした。
また急いで戻って荷物検査と身体検査。
ちょっと「外国」に出る気分です。
11時45分、いよいよセマウル号に乗って臨津江から「北」へ出発。
<1駅しか走らないセマウルなのに意外と長いです> 

<1駅しか走らないセマウルなのに意外と長いです> 

<なつかしのセマウル車内>   

<なつかしのセマウル車内>   

<切符にハンコがおされました>  

<切符にハンコがおされました>  

11時45分、列車は出発。
釣り堀も見えます。
いよいよ臨津江を渡ります。
これが帰らざる橋?と言う客の声が聞こえます。
昔、板門店ツアーで見た鉄橋の残骸を思い出します。
橋を渡ると線路の両側は鉄格子。その向こうに農村地帯が続いています。
ただ民家は見えず、人の姿が見えません。
わずか5分、トラサン駅のホームが見えてきました。
ホームへはいる前に線路を遮る遮断機があります。
11時51分にトラサン駅に到着。
ソウルから約2時間。
民間人がいける韓国で一番「北」にある駅にやって来ました。
トラサン駅の看板の上には「京義線鉄道南北出入事務所」。「国」という字が入っていません。
駅っぽくない通路を抜け、改札へ。
改札を出ると、「安保観光」というカードを渡されます。これを首にかけていないといけないようです。
帰りの次の列車まで30分。さっそくトラサン駅を探検します。
<「平壌方面乗り場」の字が・・・> 

<「平壌方面乗り場」の字が・・・> 

<駅には記念のハンコ>

<駅には記念のハンコ>

<入場券と記念葉書で500ウォン> 

<入場券と記念葉書で500ウォン> 

<お土産コーナー> 

<お土産コーナー> 

<ユーラシア横断鉄道路線図。いつかはヨーロッパまで・・・> 

<ユーラシア横断鉄道路線図。いつかはヨーロッパまで・・・> 

<南北頂上会談までD−23> 

<南北頂上会談までD−23> 

ちょっと駅の外も探検してきましょう。
日本語の案内も。「南側の最後の駅ではなく北側への最初の駅だ」>

日本語の案内も。「南側の最後の駅ではなく北側への最初の駅だ」>

<路線図。せめて開城までは行きたい・・・> 

<路線図。せめて開城までは行きたい・・・> 

<外に出るとトラ山が見えます> 

<外に出るとトラ山が見えます> 

<駅の横には貨物ターミナルができる予定。南北物流の中心になる日も近いかも> 

<駅の横には貨物ターミナルができる予定。南北物流の中心になる日も近いかも> 

<この先へ歩いていけるのでしょうか・・・・>

<この先へ歩いていけるのでしょうか・・・・>

ちょっと気になったもの。
なぜかここに「出境」と言う文字が。中華圏では見かける単語ですが、韓国では初めて。
奥には出国手続きらしいコーナーが見えます。
韓国から「出境」し北朝鮮へ。そんな時のために中華圏で使われている言葉を「輸入」したのでは?
駅と言うよりは何か施設のようなトラサン駅でした。

■トラサン−>臨津江:セマウル号 ■臨津江ー>金村:通勤列車

あっという間に時間に。また通路みたいなまた改札を通って再びトラサン駅のホームへ。
今度は「南」へ戻ります。

最後のトラサン駅ホーム。
未だ使われないホームが奥にならんでいます。 
左は平壌、右はソウル。

左は平壌、右はソウル。

こちらは本来の案内板。左が臨津江。右が開城。開城まであと1駅。 

こちらは本来の案内板。左が臨津江。右が開城。開城まであと1駅。 

おそらく韓国から「出境」用ホームになるホームの看板。「開城」行き。 

おそらく韓国から「出境」用ホームになるホームの看板。「開城」行き。 

この先が開城、平壌。いつの日か乗りに行きたい。 
この先が開城、平壌。いつの日か乗りに行きたい。 

この先が開城、平壌。いつの日か乗りに行きたい。 

帰りもセマウル号。12時25分、トラサン駅出発。
再びわずか5分で再び臨津江駅に戻ってきました。
このセマウル号は折り返し、12時40分発のトラサン行きになります。
12時40分はトラサン駅からのツアーの接続も良く、沢山の人が乗ってきます。

次のソウル駅行きまで、乗り換え時間は20分。今度は金村に向かいます。
再び通勤列車に乗り込みます。
<案内板。臨津江−>ソウル>

<案内板。臨津江−>ソウル>

<段差があります。これはホームが低いため> 

<段差があります。これはホームが低いため> 

今度は座席に座ることができました。
再び農村風景の車窓が広がります。
<こちらは電鉄化された時の車庫に> 

<こちらは電鉄化された時の車庫に> 

<山の合間に巨大な建物が。>   

<山の合間に巨大な建物が。>   

<ひなびた雰囲気がいいです。>  

<ひなびた雰囲気がいいです。>  

1時18分、金村(クムチョン)駅で途中下車。 

1時18分、金村(クムチョン)駅で途中下車。 

高架工事中の下を抜けていきます。 

高架工事中の下を抜けていきます。 

高架橋の向こうに金村駅舎が見えてきました。 

高架橋の向こうに金村駅舎が見えてきました。 

金村駅舎。高架工事が終われば見納めかも。 

金村駅舎。高架工事が終われば見納めかも。 

■金村駅−>オドゥサン展望台

さて、ここでちょっと寄り道。金村駅から、オドゥサン展望台に向かいます。
まずはバスで向かうことに。
<駅の前の横断歩道を渡り> 

<駅の前の横断歩道を渡り> 

<左へまっすぐ> 

<左へまっすぐ> 

<バス停に到着。徒歩2分>  

<バス停に到着。徒歩2分>  

「1−3」のバス表記を確認。確かに行き方には「チョンマンデ」とあります。
でも運行時間、時刻表などはまったくなし。 
ところが、バスが来ない。40分待っても来ません。
40分おきや60分おきとかいろんな情報があったのですが、結局40分待っても来なかったということは、60分おきが正解だったのかも。
これ以上待つのは体力の限界。
駅に戻り、駅のすぐ右にあるタクシー乗り場に向かいました。

タクシーに乗って「チョンマンデ」まで。
途中で上まで行きますよね、といわれ、そのまま山道を登って展望台前に到着。
時間はちょうど20分。料金はちょうど10000ウォン。これならタクシーの方が楽かも。

■オドゥサン展望台−>トンイルトンサンー>ソウル

オドゥサン展望台見学が終わり、帰りは無料シャトルバスでトンイルトンサンへ。
<オドゥサン展望台前、無料シャトルバス乗り場> 

<オドゥサン展望台前、無料シャトルバス乗り場> 

<5分でトンイルトンサンに到着>

<5分でトンイルトンサンに到着>

さて問題。ここトンイルトンサンからどうやってソウルに帰るか。
1.トンイルトンサン−>金村駅−(鉄道)−>ソウル
2.トンイルトンサン−>金村駅−(バス)−>ソウル
3.トンイルトンサン−(バス)−>ソウル
やっぱり鉄道の旅なので、金村駅に向かおうかな。
ところが、金村駅行きのバス停が見あたらない。
トンイルトンサン入口にはバス停がありますが、ここにあるのはソウルの合井駅に向かう220番のみ。
結局、今日は220番は乗ってソウルの合井駅へ向かうことに。
ただどっちがソウル方面か分からず、適当に検討をつけて、道を渡った反対側で待ちます。
ところがまたバスが来ない・・・
20分後、反対側をバスが通り過ぎて行きました。
35分後、そろそろ飽きてきて、タクシーで金村駅に戻ることも検討。まだ次の列車に間に合います。
ところがタクシーもあまり通りません。これはタクシーを呼び出すしかないか・・・
と思いだした頃、ようやくバスがやってきました。
午後3時50分、乗車。満員バスにゆられます。
20分後、バスは「ヘイリ芸術村」に到着。
え、ヘイリ?それじゃ反対方向です。
次の英語村であわてて降り、向かい側のバス停へ。
またバスを待ちます。
幸い、今度は10分後に次のバスが。
合井に向かいますよね。今度は運転手に確認。
無事座ることが出来ました。
バスはあちらこちらに寄り道ながら、ときどき自由路をまっすぐ。
途中で眠りこけて目が覚めると、イルサンの街でした。
午後5時50分、ようやく終点の合井に到着。約1時間30分の道のりでした。

結局、1日がかりの旅となりました。京義線+オドゥサンの旅、いかがでしたでしょうか。
トラサンの経験はなかなか貴重なものでした。DMZツアーに間に合わなくても、こんな旅でちょっと雰囲気を味わってみてはいかがでしょうか。
またオドゥサンでは大失敗しましたが、コレに懲りず、またソウルから脱出の鉄道の旅に出たいと思います。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2007-09-20

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