三一節(サミルジョル)

1919年の3月1日、日本の統治下で起きた独立運動を記念した日。公休日です。


こんにちは、ソウルナビです。3月1日は韓国では三一節(サミルジョル)といい、1919年の3月1日、日本の統治下で起きた独立運動を記念した日。1949年にクッキョンイル(国慶日=国民の休日)に指定されてから、毎年お休みになっています。この日は町のあちこちに韓国の国旗である「太極旗(テグッキ)」が翻り、独立万歳運動を導いた民族代表33人をはじめ、独立運動で殉死した人たちを追悼・哀悼する記念行事があちこちで行われます。

3.1独立運動(サミルドンニッウンドン)

1910年から日本の朝鮮総督府により統治された韓国で1919年3月1日、日本の統治に反旗を掲げ、自主独立を求めた独立運動。同年1月22日の高宗皇帝が崩御から、全国各地では追悼行列が続き、国民は悲しみに打ちひしがれていた中、独立運動家たちはこれを独立運動の絶好の機会と考えました。そして3月1日、天道教、グリース道教など各宗教団体のメンバーで構成された民族代表33人が独立宣言文を発表するとともに3.1独立運動が始まり、韓国国内だけでなく国外の同胞にも広がっていきました。

<三一節・打鐘イベント>
1919年当時、三一独立運動の中心地だった現在の普信閣。ここでは毎年3月1日の正午、独立万歳運動を主導していた民族代表33人を追悼するために、打鐘行事が行われます。まずは運動が始まったとされる中央高校で記念式が行われ、日本の軍人、男女学生など当時の衣装に身を包んだソウル各区からの参加者たちが「マンセー(万歳)」を叫びながら普信閣に集合。そして楼閣の外側では太極旗を振り、中央では毎年ソウル市長や関係者、時に芸能人なども参加して鐘を打ちます。民族代表の33人に合わせて鐘を33回打ち、最後は三一節の歌を歌って行事は終了。この日、この打鐘を合図に西大門刑務所などソウル各地で行われる三一節の行事がスタートします。
<その他のイベント>

-タプコル公園
毎年、こちらでは式典が行われています。国旗が入った服を着るこどもたちも。
-光化門広場
世宗大王の前でも記念イベントが。こちらはテコンドーなどの公演がメイン。
-市庁前&市民聴
新市庁舎には大きな国旗のマークが。通る市民もみんなバックに写真を撮っています。
また旧市庁舎の下にある市民聴では記念コンサートも。国旗の展示もあります。

◆◇◆3.1運動の史跡◆◇◆

ソウルのあちこちに3.1独立運動に関連する建物や史跡などが残っています。独立運動が始まった鍾路周辺、そして独立運動家たちが投獄された刑務所跡も含めてご紹介しましょう。
○タプコル公園-1919年、3.1独立運動の発祥地
ソウルの中心部、鍾路(チョンノ)にある広さ15,720平方mのタプコル公園は、1919年3月1日に起こった抗日独立運動の発祥地と言われています。いつもおじいさんたちの憩いの場として親しまれているだけでなく、園内には3・1運動記念塔、3・1運動レリーフ、天道教の指導者で独立運動家としても有名なソン・ビョンヒの銅像などがあり、韓国の独立精神を後世に伝える史跡公園でもあります。園内の中央にある「八角亭(パルガクチョン)」は3.1独立運動時に独立宣言書が読まれた場所。このタプコル公園を起点に独立運動が全国的に運動が広がっていったのです。

○スンドンキョフェ(勝洞教会)-3・1独立運動の記念碑-
もともとは朝鮮時代の金弘根大臣の屋敷跡。1904年に勝洞教会がここに移転、2001年にソウル有形文化財第130号に指定されました。1919年の3・1独立運動のとき、この教会の学生たちを中心に大々的な学生運動が行われた場所として記念碑が建てられています。1939年にはこの教会に朝鮮神学校が創立。1969年には礼拝室の増築工事を行い、その後、教会の土地を拡張して教育館を建立。煉瓦造りのこの建物は何度か部分的に修理したものの、基本的な形体や構造は昔のままで保存状態も良いそう。

・ 住所:ソウル市鍾路区(チョンノグ)仁寺洞(インサドン)137

○ミン・ヨンファン(閔泳煥)の自決跡
泰和ビルの横にある独立宣言遺跡地。3・1独立運動のとき、乙巳条約に反対して独立宣言式を行ったところがここ仁寺洞194番地。民族代表33人が独立宣言書に署名し、韓龍雲先生が宣言書を朗読した泰和館があったところでもあります。このビルの前には条約に反対して自決したミン・ヨンファン(閔泳煥)の碑があり、直筆の公開遺書も飾られています。

・ ソウル市鍾路区(チョンノグ)仁寺洞(インサドン)194−27(泰和ビル前)

○天道教中央大教堂
この建物は1918年に施工、1921年に完成した天道教の大教堂。当時はまだ今のような高層ビルがなかったので、明洞聖堂、朝鮮総督府の建物とともにソウルの三大建物として知られていました。工事資金は天道教の信徒からの募金によって集められた約30万ウォン。しかし3・1独立運動の中心団体として活動していたため、工事費を独立運動資金にあてたために、工事がずいぶん遅れたとか。

・ 住所:ソウル市鍾路区(チョンノグ)慶雲洞(キョンウンドン)88

○西大門刑務所
1923年から約80年に渡り、韓国の近代史を象徴するまさに民族受難の場所。ここに日本の支配に抵抗した独立運動家たちが投獄され、耐えがたい拷問を受けました。日本統治時代に「西大門」といえば、抗日独立運動に対する日本政府の弾圧を象徴する地名でもあったそう。戦後も刑務所として使用されていましたが、現在はソウル郊外に移転、跡地が「西大門独立公園」として保存されています。建物内には刑務所の歴史を伝える資料や書物、再現模型、映像などが展示されています。また近くには独立門(トンニッムン)(史跡32号)、3・1独立宣言記念塔、殉国烈士追悼塔(スンクッソニョルチュニョムタッ)などもあります。

★この日に気をつけることは?
以前、この日は8月15日と並んで、外で日本語を大声で話さないほうが良い、と言われた日でした。現在はそのような雰囲気はまったくなく、特に問題はありません。

いかがでしたか?3.1独立運動、3.1万歳運動を記念する3月1日。国民の休日としてこの歴史を人々が忘れないようにさまざまな記念行事が行われます。またこの日は新年度の最初の日。年度が代わって春が来て、気分も新しくなる、そんな思いも込められています。ソウルの中心部には3.1独立運動に関連した遺跡もあるので、一度足を運ばれてみてはいかがでしょうか?以上、ソウルナビでした。

その他情報

*写真を追加し、一部内容を更新しました。<2014.3.7>

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2014-03-04

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