2001釜山国際映画フェスティバルに行く

韓国最大の国際映画祭、行ってきました!

こんにちは!ソウルナビです。今日はソウルナビ、ながら釜山(プサン)で行われたビックなイベントの報告で~す。11月9日から16日まで行われた第6回釜山国際映画祭に週末だけの短い日程で行ってきました(同じ日程でナビくんも別ルートで行って来ました)。ナビは釜山映画祭、今回が初めてどころか釜山に行くこと自体が初めてだったので、つい海の幸なんか美味しいものも期待しちゃったりなんかしちゃったりして、、、それでは、ナビと一緒に釜山国際映画祭へGO !

11月9日(金)開幕式の日

オープニング作品は韓国の国民的俳優、アン・ソンギ、今回初の本格アクション映画に挑戦したというイ・ジョンジェ、そして、子役から芸能界にデビューしたイ・ミヨンという豪華キャストの「黒水仙(フッスソン)」。映画の上映が終わった後に行われたオープニングパーティーには監督、俳優、スタッフ達がこぞって参加、豪華なパーティーだったということ。
ところでナビはいつ釜山に行ったかって?そう、ナビはその日の夜11時30分に梨泰院の取材を終えソウル駅に直行、夜食にバーガーキングでチキンバーガーセットを買って、夜11時50分の汽車で釜山へ出発!残念ながら開幕式には間に合わなかったけど、友達2人と汽車の中で会った女の子と4人で映画談議に花が咲く咲く、、、が釜山到着まであと2時間を残して突然睡魔が、、、汽車の中で一眠り、一眠り。
釜山へとうとう到着!
朝5時30分、釜山に到着しました!(汽車を利用するとソウル−釜山は5時間40分、ムグンファ号)映画祭もあってか結構人がいっぱい。疲れているけど今の時間宿は取れないしとりあえず朝市を見学しにチャカルチシジャンへ。さすが港町釜山。朝早くから漁から帰ってきた人たちで大賑わいでした。見ると新鮮、取れ立ての魚介類がたくさん!その中に日本のパッケージに入った冷凍もの?も売ってたりして釜山がとても身近に感じたり。もたもた歩いていると、後ろからリアカー押して突進してくるおじさんおばさんたちが、「クルマ~、クルマ~!」と叫んでくる。最初はなんで一言もしゃべってないのに日本人だってバレたんだろう?って思っていたら、韓国でリアカーのことを「クルマ」って言うらしいですョ。
一通り見た後、映画祭の行われている劇場が集まってるところに行ってみる。すると、もうすでにチケットを手に入れようと並んでいる人たち発見!今回、特に人気のある映画は開幕前からチケットが売り切れという噂もあって、皆さん寒さの中必死。そのチケット購入の列を横目で見ながら、ナビはというと、釜山の美味しいおでんを食べに屋台に入り、オデン、トッポッキ、スンデを注文。ほんとオデンは分厚くて中に野菜なんかも入っていて美味しかった~。ソウルのオデンが1としたら、釜山のオデンは3倍ありましたね。日本の天ぷらにも近い気がしました!
お腹いっぱいになったらモギョッタン(銭湯)で一休み。どうしても眠くて椅子の上で居眠りをこいていたら、モギョッタン(銭湯)のアジュモニ(おばさん)がゆっくり寝なさいと枕を準備(ナビのカバンだけど)小2時間ほど釜山なまりのおばさんたちのおしゃべりを聞きながら、オンドルの温かい床の上で眠りました。気づいたときにはもう10時半!とっとと準備して11時の映画を見ないと!友達がチケットを取ってくれてるはずなので、さっそく劇場街に直行!
行ってみると人、人、人!週末ということもあってかすごい賑わい。映画祭以外にも普通の映画上映もしていて、韓国映画「タルマヤノルジャ!(達磨よ、遊ぼう!)」は全回売り切れの大盛況。映画祭の相乗効果かもね。

11月10日(土)

1本目
11:00 「Fat Girl 」フランス映画 Cathrine Breillat監督

体型、顔、どこをとっても似てない姉妹。姉はスタイルもよく美貌、妹は太っていて食べてばっかりいる。この2人のある夏休みの出来事を描いた作品。姉妹の精神的な対立やひがみ、羨みなどがだんだん表面化し、最後は突然現れた強盗に姉と母親は殺され、自分はレイプされてしまうという、、、なんとなく進行してきたストーリーが突然パンチを受けた形で終わってしまっただけに、後から後から前の場面が思い出される映画でした。
2本目
13:00 Chiyoko-Millennium Actress (千年女優)日本アニメ−ションコン サトシ監督

30年前全盛期だった1人の女優の生き様を、彼女のドキュメンタリー映画を撮るという設定でコミカルに振り返るという作品。
ここで昼食タイム!
はい、映画祭の中心、南浦洞(ナンポドン)から地下鉄で10分ちょっと、釜山(プサン)の新しい中心、西面(ソミョン)までやってまいりました。ところでナビが目指すのは釜山にもあるロッテ百貨店でもロッテワールドでもロッテ免税店でも釜山で有名なお店サモジョンでもなく、テジクッパ横丁!サモジョンの前の路地を入るとそこにはテジクッパのお店お店お店がっ!テジクッパとはその名の通り、テジコギ(豚肉)入りのクッパのこと。もうこのチープ感がたまりません!
3本目
17:00 「The Marriage Certificate(お母さんは更年期)」中国映画 2001年作品 HUANG Jianxin監督

更年期の妻、反抗期の娘、医者である夫が、官僚主義によって変質した中国の伝統的な婚姻制度の中翻弄する姿をコミカルに描いた作品。

↑上映終了後の監督との対話コーナー
4本目
20:00 「On the Edge 」アイルランド、アメリカ映画 2000年作品 John Carney 監督

ナビはこの主人公の男優に出てきたときからかなり不思議な魅力を感じ、かなり見入ってしまいました。内容は現代社会の中で様々な悩みや苦しみで精神的に弱ってしまった10代の若者達が、精神病院の中で生と死を考える映画。英語のタイトルだと「On the Edge」、韓国語のタイトルは、「世界の終わりで」。ぎりぎりのところで生きている若者達の姿が儚く感じてならなかったナビ。これもウルウルきてしまいました。
映画祭ならでは!
映画の上映の後に監督や俳優とその映画について話の出来るコーナーがあったり、野外に設置された特設舞台では映画の監督、俳優がやってきて、釜山まで引っさげてきた新作映画の挨拶をしたり、テレビの生放送をしたりしてました。有名な俳優が舞台に上ると、当然舞台を囲んで人が動けない状態になり、すごい歓声があがる。ナビはイ・ジョンジェの姿をチラリと見ただけ。(あ~、もっと前に待機しておけば良かった。)
映画祭の夜が。。。
これがまた盛り上がる。パーティや飲み会をして映画について語り明かす。そして映画祭ならでは、映画祭開催期間中、夜こっそりポジャンマッチャ(一杯飲み屋風屋台)をのぞくと、有名な監督や俳優と一緒にお酒を飲んだり話したり出来るらしい。昼間も歩いていると出くわしたりするということで、ナビも韓国の俳優、パク・サンミョン、見ましたよ~!
この日ナビは夜食にキムパッ(のり巻き)を食べてからPCパンで夜を明かす。12時から朝の5時までメールをチェックしたりしながら。一方ナビくんはというとちゃんと宿を予約。
ゆっくりのんびりお休みになられたとか。。。
(羨まし~)。PCパンを出てから昨日のモギョクタン(銭湯)にまた行ってしっかり温まって、さあ2日目に突入!
午前中時間があったからちょっと釜山の街を一回り。

11月11日(日)

5本目
13:00 「All about LilyCho-Cho」日本映画 2001年作品 岩井俊二監督 岩井俊二監督

の今年の新作映画。前作「ラブレター」が韓国ではかなり人気だったこともあり、話題も高かったこの映画。ナビはこの映画でも涙してしまいました。今の高校生も学校だけを考えれば同じ学校生活を送っているんだなあという懐かしさと、10代のときのどうしようもない苛立ちや苦しみを思い出して、そして殺伐とした現代の若者の孤独さを感じて見ながら辛かったです、ハイ。

昼食タイム!
釜山といえばここでしょう。ナンポドンから歩いて10分ぐらいのところにある「チョナン(天安)コムタン」。なんでも50年ぐらいの老舗らしいですよ。ナビくんは釜山でこの店に行かなかったことはほとんどありません。たぶん韓国でここのコムタンが一番おいしいと思っております。
6本目
16:00 「Ray-Ban」韓国映画 2001年作品 JANG Hyun-Su監督

韓国の舞台俳優たちのコメディー映画。上映中会場は爆笑の嵐。サングラスの有名ブランドの名前からとったのは間違いないらしいこの映画はもう韓国で劇場公開された作品。思いのほか興行成績を残せなかったので、上映後のティーチインの席で会場いっぱいの観客を前に感謝の気持ちともう一度敗者復活にかけるという意気込みを見せていました。監督、俳優、スタッフへまんべんなく多くの質問が投げかけられ、新たにこの映画に自信を持った感じでした。
7本目
19:00 「Lola」カナダ映画 2001年作品 Carl BESSAI監督

複雑な現代社会の中で自分を見失ってしまったローラが、自分とは違う生き方をしてきたサンドラに会ってから、自分の人生を、これからの生き方を考え直す。

●●おまけ・・・ナビくんの見た映画

11月10日
17:00 「Golilla Bathes at Noon」ユーゴスラビア&ドイツ映画 1993年作品 Dusan MAKAVEJEV監督。
ドイツ映画。東西統一で東ドイツに居残る旧ソ連軍の青年、、、居場所がない、社会とのずれ、そこにほわっと共感が持てました。レーニンがちょっとかわいい。

20:00「Super 8 Stories by Emir Kustrurica」ドイツ&イタリア映画 2001年作品 Emir KUSTURICA監督
「アンダーグラウンド」「黒猫、白猫」で有名な監督自身が率いるロックバンド「ノースモーキングバンド」のミュージックビデオみたいな映画、しかしユーゴスラビアの音楽って伝統音楽以外もどうしてこう底抜けに明るく元気でさがわしいのでしょう!メーキングビデオぽいところがまた面白かったです。

11月11日
11:00「Goal Club」タイ映画 2001年、Kittikorn Leo LAIWSIRIKUN 監督
うーんかっこいい、韓国映画みたい!うん韓国で一般公開してもぜんぜんいける!おもしろさです。タイの若者達がお金ほしさに賭博の元締めとなって、、、若者達のやるせなさ、若さが光ってます。今回1番面白かった作品。主人公は高橋和也に似てました。

13:30「Grandmas Hairpin」台湾映画 2000年作品 HSIAO CHU-CHEN 監督。
ドキュメンタリー。かつて国民軍に属し、そのまま台湾に移らされ、大陸に戻ることもできず、いまは除隊して台湾でおじいさんになった人たちのドキュメンタリー。20世紀の現代の歴史とはこうなんともむごいことか、胸がふさがるような映画。

17:00 「Promises」アメリカ映画 2000年 Justin SHAPIRO監督。
ユダヤ系アメリカ人がイスラエルとパレスチナを往復して撮影したドキュメンタリー。バスに乗るのがこわいイスラエルの子供、パレスチナにある開拓農場でここはもともとイスラエルの土地だといいながら柵の中で一人で自転車で遊ぶ子供、同級生をを戦争やインティファーダで失ったパレスチナの子供。監督はそんな「2つ」の国の子供達を会わせたりします。「私たちはもっとイスラエルの人と話し合うべきよ」というパレスチナの女の子の意見が今思い出されます。

20:00 「The River」フィンランド映画 2001年 Jarmo LAMPERA監督。
ばーん、川に響く雷のような音、その瞬間をキーにいろんな人たちが登場します。少しずつつながっている世界。構成がうまい映画でした。
●●●●
あっという間に2日が過ぎてしまいました..
もっといたいけれど退散!帰りのチケットを予約していなかったナビ。釜山駅に行って聞いてみたら汽車は売り切れ。それでは高速バスしかないということで、釜山から地下鉄で45分ぐらいのノポドン駅まで行きチケットを購入しようと思ったらまたしても売り切れ、しょうがないのでバス乗り場に直接行ってキャンセル待ちをすることに。。。15分くらい待ったところで1席空きが!ナビは運良く無事にソウルに向かうことが出来ました。
皆さん映画祭に行くときは往復のチケットをちゃんと予約しておきましょ~。夜10:30に釜山を出発してソウルの高速バスターミナルに到着したのが朝の4:00(つまり高速バスを利用すると釜山−ソウルは5時間30分)でした。
忙しい日程だったけど、映画を7本も見れたし、楽しかったです。次回はもうちょっとゆっくり出来たらなあ。今回おあずけになった海の幸も楽しみたいし。以上、釜山国際映画祭報告でした。次回は全州(チョンジュ)映画祭でお会いしましょ~!

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2001-12-13

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