オセロの留学特派員レポート・最終回「新たな日本を知りたい!!~韓国留学を通して~」

最終回「新たな日本を知りたい!!~韓国留学を通して~」

家を出ると冷たい風と供に潮の香りが漂い、更に街に出ると人ごみの中に「博多ラーメン」という日本語の看板が見える…日本語?!そう、ここは博多湾のある福岡。私は遂に帰国してしまったのです。 福岡と韓国は街並みも人も際立って目立つ違いがなく、帰国してすぐは『日本と韓国は似ているなあ、どっちにいてもあんまり変わらないや』なんて思っていたけれど、日が経つにつれてその差を感じるようになってきました。ビジュアル的・文化的に似ている国同士とは言っても、微妙に似ているからこそ気になる日韓の違い。今回は帰国して感じた日韓のギャップをオセロの大好きな『食事』と夢中で取り組んできた『テコンドー』について報告し、最後に留学の感想を報告したいと思いま~す!!

外食時のギャップ

帰国して数日後、おいし~い和食食べたさに友達を誘い、近所にある鶏料理屋さんに行きました。店に入ったとたん違和感を覚えたのがウェイターさん達の満面の笑顔。「いらっしゃいませ~」と言ってニコッとしてくれるウェイターさん。韓国にはなかなかいなかったと思います。というか、私がよく行っていた食堂にはアジュンマしかいなかったような。 案内された席に付くとお手拭を広げて手渡しし、水はセルフではなく頼めば快く注いでくれる…仕事中に携帯を気にするウェイターはいなくて、暇な時間も何かしら仕事を探して働いたり、私たちから呼ばれるのをピシッと立って待っていました。韓国では、確かに外資系のお店はこんな感じだったけど、それ以外は店員さんが普通に携帯を使い、テレビを見ながらお料理を出していて、むしろアットホームな感じさえしていたのに…(私だけ?)。そして食事中はお皿を持つように注意して食べるのに一苦労でした(韓国ではお皿を持って食べることは無礼だったので)。また食事を済ました後、ウェイターさんに「お会計はご一緒でよろしいですか?」と聞かれたときに気が付いた『割り勘文化』。韓国では別々に払うことは珍しく、お金を集めてまとめて払ったり、お店ごとに分担して払ったりしていて、割り勘にするときは自分から「別々にお願いします」と自己申告していたけれど、ここではウェイターさんがわざわざ確認してくれました。そういえば別々に払うって普通のことですよね。 そうそう、日本で居酒屋でアルバイトをしていた時には、一人当たりの金額を出すために計算機を貸して欲しいというお客様もいたけど…韓国でそんなことしたことなかったな。更にお店を出た後、韓国ではいつもは食べたくなるアイスクリームを全然欲しない自分にもビックリ。韓国料理の辛さには慣れたと思ってたけど、やっぱり食べている時は辛かったんですね…。食事をするだけでも沢山のギャップに出会いました。

テコンドーのギャップ

本場なんだから韓国のほうが厳しいでしょ、と思っていたテコンドー。現実は、というと、日本のテコンドーの方が断然厳しい。考えてみれば韓国は『ケンチャナ』国でした…。韓国は昇段試験しかなく、昇級は師範先生(サボンニム)が「じゃあ君は今日から黄帯ね」と言えば上の級に行け(白・黄・青・赤の順に級が上がる)、その期間も不定期。ちなみに私は白帯から黄帯になるのに6ヶ月かかりました。白帯の期間があまりに長いと思ってサボンニムに尋ねたら「まだ白?黄帯付けてよかったのに」と言われ、やっと昇級。昇級も自己申告??それに比べ、日本では昇級試験もしっかりありました。白、黄、青、(茶)、赤と型(プンセ)を段階的に試験し、技も試験場でしっかりチェック。落ちたら追試までするというかなり厳格な昇級システムです。
今、私は日本で大学のテコンドー部に通っています。そして、確かに型は私の方が知っている(と思う)けど、技は黒帯じゃない級の子たちの方が断然上です。自信満々に言える自分が悲しい…。それでも韓国で10ヶ月間週5日通った成果があって、他の学生に劣らないものもありました。それは柔軟性。毎日柔軟体操をし、オッパー達に容赦なく背中を押されていたお蔭で、これだけはえらく感心されました。エッヘン。でも、テコンドーの目的は柔軟ではないのは事実。これから日本式の黒帯レベルに合う実力を付けなければ…と必死で学生の練習についていくオセロでした。 ちなみに大学のテコンドー部の部員たちは途中入部のオセロを快く受け入れて、とっても親切。私の知るテコンドー部員は日韓問わず思いやりのある人が多いようです。そして入部して日も浅いのに、今年の夏は西江大学校テコンドー部との交流戦を実行してやろうとオセロの野望は尽きません…。

☆感想☆

と、そんなこんなで、帰国したからこそ分かる日韓の文化や習慣的ギャップを感じ日々生活しています。 それから最近気づいたのは、韓国に留学して最初の頃に感じていた「香り」を今福岡で感じていること。ソウルに足を踏み入れた時に感じた、知らない土地へのワクワクと不安の入り混じった「香り」が、今福岡でも冷たい風に乗って私に吹き付けてくるのです。確かに帰国ではあるけれど、私にとってここは留学前の福岡とは違う。日々韓国と比較することで新しい発見がある、新たな場所なのです。新たに日本や福岡を知ることが多いお蔭(?)で、韓国を懐かしむ暇もありません。とはいっても韓国を基準に物事を見てしまうので、しばらくは韓国生活を忘れそうにもないんですけどね。 新しい発見が増えたのは好奇心旺盛なオセロにとっては嬉しい限り。『オセロの留学☆遊学☆日記』は今回で終了ですが、次回からは自分の3年日記に新たな発見を記し『オセロの帰国体験記』を綴っていこうと決めたオセロでした。 

ところで留学中のみなさん、今の留学生活はどうですか?今ソウルは真冬の真っ只中で、外を歩くのは並大抵の業ではないと思います。 さて、私の韓国留学はというと、寒さが身にしみてくる後半になればなるほどハッキリ言って辛いモノでした。言葉が分かるようになった分、知りたくないこと・聞きたくないことも分かってくるし、いろんな意味で自分の限界や挫折を感じました。でも辛かったからこそ、韓国人の情の厚さや思いやりを思う存分に感じることが出来、留学前よりも韓国を好きになって帰国できたんだと思います。
またSeoul naviをチェックしている方の中には留学をためらっている方もいらっしゃるのでは?留学は必ずしなければならないものではなく、自分の必要性に合わせてすべきだと思います。でも、もし語学力や勇気を理由に戸惑っているなら、是非勇気を振り絞って韓国に飛び込んで行ってください。語学力の全く無かった私を大きく受け入れてくれた韓国はあなたのこともきっと受け入れてくれ、想像を超える経験を通じてあなたを大きく成長させてくれると思います。

最後に、これまでの私のレポートが少しでも留学中・留学予定の皆さんにとって役に立ち、また留学するか迷っている皆さんにとっては後押しの一つになればいいなと思います。

ではでは、またお会いする日まで…チャルチネセヨ!!

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2005-01-20

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