まいの留学特派員レポート・第14回「3級について~演劇大会報告~」

第14回「3級について~演劇大会報告~」

ヨロブン、アンニョンハセヨ!
語学堂もとうとう3学期目(夏学期、秋学期、冬学期)となり、韓国生活も8ヶ月が過ぎました。韓国に来たはかりの頃は「まだ日も浅いし、韓国語ができなくて当然よね」という暖かい目で見てくれた韓国人も、今では「え?8ヶ月もいるのに、韓国語はまだその程度なの?」というあきれ顔に変わってきている昨今となりました(泣)。
今回のレポートでは3級で学ぶ内容と、中間試験と期末試験の間に行われる3級の学生全員参加の大イベント「演劇大会」についてレポートします。

<3級とは?>

延世大学韓国語学堂のパンフレットには、「3級を終了すれば韓国で日常生活をするにあたって、不便のない程度の意思疎通が可能である」とあります。
ということは1級で「カナダラ(韓国語のあいうえお)」すらおぼつかなかった韓国語超初心者でも、真面目に勉強していれば、3級を終了時には日常生活に不便を感じない程度の語学力を身につけることができるわけです!
テキストは4冊使用します。
難しくはなっているものの、日本語の解説もしっかりあるので安心です。
これは文法書「韓国語3」の中身です。
こちらは「面白い韓国語読本 3級」の中身です。
4級以上になると日本語訳はおろか、文法説明までオール韓国語!!日本語解説の恩恵を受けられるのは今学期までのようです・・・。
写真左から「韓国語3」「面白い韓国語読本 3級」「韓国語練習帳 3級」「資料集」です。資料集を使って聞きとり練習や作文練習を行います。

<選択班>

延世大学韓国語学堂では3級から「選択班」が始まります。3級の選択班は毎週月・水・金曜日の週3度、3時間目に行われています。
3級の選択班は「聞き取り」「会話」「書き取り」の3つから選択可能で、一番人気は「会話」。特に「書き取りは得意だけどマラギ(会話)が苦手で・・・」という日本人に人気があり、クラス数も一番多くなっています。授業開始後1週間以内には選択科目の変更もできますよ。
使用するテキストは各自購入する必要があります。これは私が選択した「会話」のテキストです。

<3級の一大イベント!!演劇大会の全貌!>

延世大に語学留学をしている人はもちろん、留学を考えている人の間でも伝説になっている?!「3級演劇大会」。私は2級に通っているときに見学したのですが、「うわあ、大変そう。できればしたくないなあ」と思ったほど。なぜなら、演者はもちろん、舞台セット、衣装準備まで学生だけでしなくてはならない!さらに一番大変なのは台本作成。物語はすべてオリジナル!さらに韓国語!考えただけでも気が遠くなりそうだったのです。
演劇大会は授業開始後8週目に行われます。中間試験が行われたのは5週目。中間試験が終わった週の終わりに班長を一人選出し、その班長を中心に話し合いをします。我がクラスはアメリカから来た大学生の女の子が多数決で班長に。彼女は我がクラスが最初、なかなか楽しい雰囲気をつくれなかった1週目の週末に「みんなで飲みに行こう!」と声をかけてくれた人。その宴会のおかげで、次の週からすっかりうちとけることができたこともあり、二十歳という若さながら、一番信頼を集めての選出となったのでした。
まず、台本づくり。
クラスみんなで「どんな話にするか」を決めます。班長が前に出て、会議を進めます。我がクラスは「白雪姫」をベースに韓国で大人気の映画「王の男」の要素を取り入れたものをつくることに決定!しかし完成した台本は「シンデレラ」を主題にしたものに変わってました(笑)。タイトルは「ワンジャ エ アジュンマ(王子のおばさん)」。話の内容は「意地悪なお姉さんと義母と暮らしていた“キムチ”レラ(シンデレラではなく・・・)は義母の魔法によってその美しい姿からアジュンマ(おばさん)に変えられてしまいます。その魔法を解くにはアジュンマの姿でも愛してくれる男性が出現しなくてはいけません。パーティに参加するための条件はキムチを持参すること。キムチレラもキムチをつくりますが、姉たちの陰謀で捨てられてしまいます。天使が現れて新たにキムチを作ってもらい、無事パーティへキムチを運ぶことができたアジュンマ。王子はそのキムチを気に入り、キムチレラの家にやってきます。そこにおいしいキムチを作ったアジュンマが登場。アジュンマを見た王子は「自分にはとても美しく見える」といい、アジュンマと結婚することを誓います。するとキムチレラはもとの姿に戻ることができ、幸せに暮らしました」という話です。どうですか、なかなか韓国らしくアレンジされているでしょう?(笑)。
配役は班長が手際よく決めてしまい、もはや反論の余地なし(笑)。
アジュンマ役は背が185センチもある、我がクラスで一番の男前?が演じることになりました。彼はもちろん「いやだ~」といいましたが黙殺されましたよ(笑)。
練習ですが、毎週月・水・金の13時~15時に行うことで決定。おのおのアルバイトや家の用事などある中で、参加できる人はできるだけ参加する、という形で練習をすすめます。
台本読みからはじまって、この日は教室を舞台と見立てて、立ち稽古です。
舞台で使う衣装や小道具もできるだけ自分たちでつくることに。色画用紙を学生会館の文具店で買い、グローバルラウンジで手作りしています。あまりの場違い?さに注目を浴びてしまいました。
本番前日には教室にいわゆる出前をとってみんなで食べました。韓国の大学ではよくあることのようです。メニューはもちろんジャジャンミョン(笑)。酢豚とギョーザも注文して一人3000ウォン!!
そのあと大講堂に移動して最終確認です。みんなもいつになく真剣です。
これは我がクラスの一番の見せ場、アジュンマに変えられたキムチレラが再びもとの美人なキムチレラに戻るシーンです。
さて、本番がやってきました!!
まだ憶えきれていないセリフを覚える私を横目に、演劇大会は幕をあけました。
出番前には服を着替えて、化粧をして最後のセリフ合わせをします。みんなの緊張も高まります。うわ~出番だ~~。
王女役(王子の母)の私です。舞台裏で手作りの王冠を準備中~。
本番がはじまってしまいました!!
みんなどきどき、失敗もありましたが、そこはなんとかカバーして、10分の舞台をしっかりやりとげました!!
他のクラスの出し物を紹介します~。
こちらも「王の男」のパロディ「王の学生」。わがまま好き放題の先生(王)と王に振り回される学生たちの話です。イ・ジュンギのように美しい?男子も登場して会場は沸いていましたよ。
スライドを使い、人気テレビ番組のパロディをするクラスも。3級の教科書に出てくる文法が無理やり?使われていて(3級で習った文法を使いなさい、という指示が出ましたが)皆爆笑でした。
辛ラーメンのCMをつくったクラス。本物のラーメンをNGが出るたびに何口も食べる姿に同情も(笑)。コントのようにテンポよく進み、皆引き込まれていましたよ。
優勝した「キムチ売りの少女」。少女役の男性の熱演がすざましく、会場は大拍手&大爆笑!整形手術をしてスリムに変身するシーンなどの見せ場も!台本もしっかりできていて、笑いどころも満載で「これぞ演劇!」という感じでした。
どうでしたか~?
私のように年齢の高い学生(笑)にはちょっとキツイかな、と思ったのですが、やってみるとこれか予想以上に面白い!!クラスメイトたちとも仲良くなれるいいチャンスでした。週末はもちろん打ち上げ宴会もしました。今週末もみんなで宴会をする予定です!
さて、まいのレポートも次回が最終回!
留学生活の総括をお送りします。まいはいったいどのくらい話せるようになったのか?ならなかったのか?(笑)それではト マンナヨ~~!!

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2006-03-21

ページTOPへ▲

その他の記事を見る