まいの留学特派員レポート・最終回「のべ9ヶ月・・・留学生活のまとめ」

最終回「のべ9ヶ月・・・留学生活のまとめ」

アンニョンハセヨ!
約11ヶ月間にわたってお送りしたまいのレポートも今回が最終回! 今回のお題は「留学生活のまとめ」(ちょっとカタイですね^^;)としてお送りします。 韓国在住9ヶ月で一体どう変わったのか?生活、語学、友人などに分けてレポートします。

<生活>

韓国には授業がはじまる一週間前の2005年6月21日に入国。当時は韓国人の友達どころか、日本人の友達もいない状態・・・。来てすぐは、新生活の準備、周辺地理の把握など、さまざまな用事に追われるものの、連絡をとる友達もなく、かなり寂しい状態でした。
生活用品一式はナビの記事を参考にして、新村のDCマートや、近所のダイソー(1000ウォンショップ)、新村駅上のグランドマートで買いました。

<友達~日本人・在日韓国人~>

友達できるかな・・・学校が始まるとそんな不安もなくなりました。まず語学堂には日本人や在日韓国人が多い。そのため韓国語がまったく話せない状態の私にはとてもありがたかったんです。生活用品はどこが安いとか、勉強はどうやって進めていけばいいのか、などまずは日本から来た友達に相談。心強かったですね。留学となれば長期の海外生活。やはり日本人・在日韓国人の友達はたくさんいるに越したことはない、と実感。

<友達~韓国人~>

最初は一人もいなかった韓国人の友達。私はまず日本人の友達に連れられて新村にある日韓交流ハウス「トトロハウス」に行きました。そこで意気投合したのがジニョン(女性)。私の方がだいぶ?お姉さんでしたが、帰国するその日までいつも遊んでくれたのが彼女でした。日本語を一生懸命勉強する彼女の役に立ちたいと、彼女と会うときの私はいつも「国語辞典」を持参!ジニョンの日本語レベルが私の韓国語レベルよりもはるかに上だったので、日本語での会話が主でしたが、時には厳しく韓国語で話しかけてくれる彼女は私にとってかけがえのない友人になりました。写真は帰国する前日、清渓川で撮影しました。変わらない友情を誓って!
そのほかでは、私と友人がノレバンで歌っていたら、隣の部屋に日本語を勉強している韓国人学生がいて、彼らが話しかけてきたのをきっかけに交流が始まった、というのもありました。彼らとは一緒に釜山に行ったり、毎週飲み会に誘ってもらったり、楽しい時間をすごすことができました。 写真はその仲間で釜山に行ったときのもの。彼らの韓国語がまったくわからなくて、辛かったなあ(笑)。

<エクスチェンジ(言語交換)>

延世大学韓国語学堂では、2級になるとエクスチェンジ(言語交換)の相手を紹介してくれる制度があります。私の年齢が学生たちよりはかなり上だということと、できれば社会人とエクスチェンジをしたい、と思っていたこともあり、申し込みはしませんでした。それに2級当時は韓国語もほとんど話すことができず、「もう少し勉強してからにしよう」と思っていたのでした。
そして3級になった1月、大学の掲示板に「社会人です。貿易関係の仕事で日本語をつかっています」と張り出していた女性にメールを送りました。翌日その彼女から「よろしくお願いします」というメールが!翌週から初めてのエクスチェンジを開始しました。 彼女はインギョン。とてもかわいくて、ファッション、ネイル、俳優などに興味のある「若い韓国の女の子」。大学で日本語を専攻したという彼女の日本語も、やはり私の操る韓国語よりはずいぶん上でしたが、下手な韓国語を話す私の話を一生懸命聞いてくれました。彼女とは週2回、水曜と土曜に会って勉強していました。私の住む新村で会うときは韓国語、彼女の家の近くで会うときは日本語で話す、と最初にルールを決めました。学校であったこと、会社でのできごと、恋愛相談?など彼女とはさまざまな話題でたくさんお話しました。「オンニ、オンニ(お姉さん)」と慕ってくれた彼女もまた、一生の友達です。

<韓国語~会話力~>

さて、みなさんが一番知りたいのはこれではないでしょうか?「9ヶ月でいったいどれぐらいマラギ(会話)ができるのか?」。
1級から同時スタートした仲間たちの中でも、それぞれのレベルは実にまちまちです。「うそお、それだけしか話せないの?」という人もいれば「ほんとに3級?もうペラペラですよね?・・・」という人も。
主観的ではありますが、私の会話力は他の人たちに比べると劣ると思います。ですが、元来おしゃべり好きの私は「頭に浮かぶ話したいネタ」をなんとか韓国語で伝えたい!という気持ちは人一倍でした。なので積極的に話していたと思います。あまり宿題をしなかったので、文法が頭に入ってないのが伸び悩んだ原因かも・・・。
これから韓国留学に行かれる人へのアドバイスとしては、「下手でも韓国語で話してみてください」です。そして、それは語学堂に通う日本人相手に話す韓国語ではなく、ネイティブの韓国人との交流が大切だと思います。たとえば韓国人の集まりに行って、「自分ひとりしか日本人がいない」という状況などは「言っていることがわからない」ということであり、とても怖いものです。私は一時それでホームシックになったぐらいでした・・・。しかし、だからといって日本人ばかりで集まっていては意味がないですよね。やはり怖くても、恥ずかしくても、「韓国語を話す、韓国語で伝える」という気持ちが大切だと実感。私もそれができるようになるまで半年以上かかりましたが、それができるようになってからは「だいぶ伸びたね」といわれることもしばしば。
そして次に大切なことは「話題がある」ということ。たとえば作文。定期試験では韓国語で作文を書かされるテストがあります。作文力は韓国語力だけではありません。いわゆる国語力が求められます。やはり自分の中に「伝えたい」という話題や、情報の幅がないと会話は続かないことを実感。自分自身が話題の多い人間になることも、語学習得の近道だと思いますよ。

<読み、聞き取り、書き取り>

読み・・・電車内の広告などのキャッチコピーはほぼ理解できるように。最難関の新聞は見出しで精一杯。単語を調べれば内容の理解はできるのですが、日本語で日本の新聞を読んでも難しい私にとってはほとんど手が出ませんでした。
聞き取り・・・道がわからないときや、突然韓国人に話しかけられたとき、下宿のおばちゃんとの何気ない会話・・それらは問題なくできるようになりました。テレビはドラマならほぼ半分?ぐらいは聞き取れるように。しかし状況がころころ変わるバラエティなどは依然聞き取りが難しい(泣)。
書き取り・・・韓国留学生活で絶対必要な携帯電話。もちろん、韓国製なのでメールのやりとりは韓国語になるわけです。それがたとえ日本人同士でも、です(あたりまえですよね・・・)。というわけで日常使う言葉たちはメールのやり取りの中で綴りもマスターできます!あとは韓国人の友達にパソコンでメールを書くときはすべて韓国語で書くことを心がけました。
写真は1,2,3級を通してお世話になった先生と。たぶん年はわたしと同じぐらいかな(笑)。先生のおかげで楽しい9ヶ月でした。

ほんとうにあっという間だった韓国生活。
10年ぶりの学生生活にうきうきしたのもつかの間、韓国語のみで行われる授業に慣れず、帰宅後はなにもできないぐらい疲れた日々。聞き取れない、会話についていけない。私以外の留学生が皆上手く見えて、なぜ自分が上達しないのが、イライラしたこと、焦ったこと。そんな「ハングル超・初心者」の私が、帰国の際には韓国人の友達がくれた韓国語ぎっしりの手紙を読んでその内容を理解し、涙が止まらなくなるなんて思ってもみませんでした。
仕事を辞めて、30すぎて飛び込んだ韓国留学。いろんな不安がありましたが、来てよかったと思っています。
ソウルナビに掲載されてからは、日本からたくさんのメールも頂きました。ほんとうに感謝しています。あまりに大量に頂いたためお返事できなかった方もいました。もしよろしければまたメールをいただけるとうれしいです。
一番たくさん頂いた内容が「韓国留学をしたいのですが、迷っています」というものでした。そんな方々には
「迷っているなら、留学したほうがいい」
とお答えしてきました。韓国、あるいは韓国語に関心を持った理由はさまざまですが、韓国に興味を持ってしまい、さらに留学まで考えるに至ったのであれば、ぜひ飛び込んでみるべきだと思うのです。直接就職に結びつかなくても、長い人生で留学の価値を見出せばそれは留学して正解だった、といえるのではないかと思うのです。 外国語で意思の疎通ができる、という喜びと自信。これもまた、なにごとにも変えがたいものです。

韓国を知り、韓国で暮らす。
思った以上に大変なことでもありました。
たった9ヶ月で隣の国のことをどれだけ知ったのだろう?と思うと自信がありません。 けれど知ってしまったことはもう忘れることができない。
「隣の国」だけだった韓国が「大切な人たちが暮らす国」になりました。言葉以上のものをこの留学で得ることができたことは、大変意味があったと思っています。

最終回、いかがでしたでしょうか?
約1年に渡ってお送りした「まいの留学レポート」。留学を考えている人たち、あるいは留学中の人たちの、少しでも助けになればいいな、という気持ちで続けてきました。読者の方々はもちろん、大学で私を見かけて「いつも読んでます」と声をかけてくれた方々、またメールでのやりとりを通して実際お会いした方々など、私にかかわってくれたすべての人々に感謝します。

ありがとうございました。出会えてうれしかったです。
いつか6級卒業を目指して、また戻りたいと思います。
ヨロブン、サランへヨ~~
そしてまたお会いできるその日まで、ヨロブン、トマンナヨ~~!

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2006-05-02

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