ベストフード「クル(牡蠣)」

海のミルク「牡蠣」を使った料理を徹底分析!


こんにちは!ナビです。寒い時期は冷え切った体をあたためてくれる熱々の鍋が恋しくなる季節!また同時にシーフードのおいしい季節!今日は韓国で食べられる牡蠣料理について、ご紹介しましょう。海の牛乳ともいわれる栄養満点のカキ、日本だったらカキ鍋や牡蠣フライが頭に浮かぶ方も多いと思います。韓国では焼肉をはじめとした肉料理が目立つけれど、カキを使った料理もたくさんあるんです。カキ好きの方は寒い時期ソウルに来たら、是非、牡蠣料理をリストに加えてみてはいかがですか?それではさっそく行ってみましょう!

クル(牡蠣)とは


牡蠣 は韓国語では「굴(クル)」。漢字語では「モリョ(牡蠣)」「ソックァ(石花)」ともいわれますが、もっとも一般的なのが「クル」。ハチミツを意味する「꿀(クル)」と似て、発音がちょっと難しい単語でもあります。このクルは韓国でも「パダエウユ(海の牛乳)」といわれ、栄養豊富な食材として知られています。脳や筋肉の活動エネルギーのグリコーゲンを多く含み、ビタミンA、B、C、ナイアシン、ミネラル、たんぱく質もたっぷり含む牡蠣。さらに亜鉛や鉄分、銅も含み、骨づくりや貧血予防にもいいとか。この栄養満点の牡蠣がもっとも美味しい季節といえば秋から冬にかけて。牡蠣好きな方なら、この旬の時期、牡蠣を食べずにはいられませんよね?!

韓国の牡蠣の産地といえば?!牡蠣料理いろいろ!

牡蠣の有名な町といえば、慶尚南道(キョンサンナムド)にあるトンヨン(統営)。ここで全国の70%のカキを生産しているそう。実際、牡蠣の専門店に行くと「トンヨン産の牡蠣を使った・・・」などのPRをよく見かけます。
そんなカキを使った料理を韓国で楽しむならば、屋台や食堂で冬限定メニューとして生ガキを扱っているところもありますが、それ以外にもキムチやクッパ、チヂミにスジェビにビビンバなどなど、牡蠣はいろんな料理に使われる食材。牡蠣がメインのものもあれば、料理の味に深みをもたせるために牡蠣を使ったり。それでは具体的にどんな料理があるのか?!さっそく、韓国で食べられる牡蠣メニューをいくつかご紹介しましょう!

クルクッパッ/牡蠣のクッパ

クッパの中でもここ5~6年の間に出てきたメニュー。韓国のあるお宅で二日酔いの朝、旦那さまのために牡蠣入りのクッパッを作っていたものをお店で出したのがはじまりとか。その後、ウェルビーングブームとともに栄養満点の食材「牡蠣」が注目されはじめ、最近は牡蠣料理専門のチェーン店もたくさん登場。中でもクルクッパッは弱った体に栄養補給&アルコールを飛ばしてくれる最適のヘジャングッ(酔い冷ましスープ)として、お店のメインメニューかつ人気メニュー。もともと韓国のヘジャングッといえばソンジヘジャングッ(牛の血入りスープ)やコンナムルクッパッ(豆もやしのクッパ)などが代表的ですが、クルクッパッも仲間入り!

クルソッパッ/牡蠣の釜飯、トゥッペギクルビビンバ/石焼カキビビンバ

牡蠣入りの石釜飯。これは日本の釜飯のようにシンプルな味付けで、辛い料理が苦手な方にもオススメ。日本の場合はご飯を炊くときにある程度味付けをしますが、韓国では炊き上がったご飯に醤油ベースの調味ソースあるいはコチュジャン(唐辛子味噌)などを掛けて混ぜて食べます。牡蠣の香りと味を楽しめる一品。お店によって牡蠣とモヤシなどを入れたシンプルなものもあれば、エビなどを入れた海鮮釜飯タイプのお店もあり。

クルチュッ/牡蠣粥

韓国の朝ご飯の定番メニュー、チュッ(お粥)。胃にもやさしく消化のいいヘルシーなお粥は、旅先で疲れた胃を元気にしてくれます。お粥の種類は山野菜や海産物を使ったものがいろいろあり、中でもクルチュッ(牡蠣粥)はお粥専門店に行くと必ずといっていいほど扱っているメニュー。海鮮粥としていくつかのシーフードと一緒にカキが入っているところもありますが、カキだけ入っているお粥もあり。これはカキ好きにオススメ。牡蠣入りのお粥はそのまま「クルチュッ(牡蠣粥)」というメニューのほか、「ポソックルチュッ(シイタケと牡蠣のお粥)」や「ヘムルチュッ(海鮮粥)」など、お店によってメニューが違います。朝ご飯に栄養満点&ヘルシーな牡蠣入りのお粥はいかが?
<シイタケの牡蠣のお粥>

<シイタケの牡蠣のお粥>

<牡蠣粥>

<牡蠣粥>


クルスンドゥブ/牡蠣入りのおぼろ豆腐チゲ

スンドゥブとはおぼろ豆腐入りのピリ辛のチゲ。食堂に行けばキムチチゲ、テンジャンチゲと一緒によくおいてあるメニュー。またスンドゥブチゲの専門チェーン店もたくさんあり、お店によっては豚肉入りのスンドゥブ、牛肉入りのスンドゥブ、海鮮入りのスンドゥブのほか、牡蠣入りのスンドゥブを扱っているところも。これはニンニクと唐辛子の粉をはじめとした、韓国料理には必ずといっていいほど入っている香りや味や強い薬味にも負けない、カキの濃厚なスープが味わえる一品。

クルチャンポン/牡蠣ちゃんぽん

チャンポンはあの日本のちゃんぽんと同じく中華料理屋さんで扱っているメニューですが、韓国のチャンポンはスープの真っ赤っ赤な辛いスープが基本。韓国式にアレンジしたチャンポンです。そして「クルチャンポン(牡蠣チャンポン)」とは、そのままカキ入りのチャンポンのこと。これまたカキが入ることによってスープも濃厚に。チャンポンというと、普通にイカやアサリなどの海鮮が入っているところが多いですが、これはほぼ冷凍モノがほとんど。一方、クルチャンポンはしっかり生の牡蠣入りの場合が多く、また味付けも薄味のところが多いよう。

クルポッサム/牡蠣のポッサム

ゆでてやわらかく脂も適度に落ちた豚肉をスライスし、ポッサムキムチとニンニク、青とおがらしなどをサンチュや塩水にさらした白菜などに包んで食べる料理、ポッサム。そのポッサムに牡蠣、ということはもうお分かりですよね。そう、クルポッサムとは豚肉の替わりに牡蠣を使ったポッサム!お店によって牡蠣だけのところもあれば、同じお皿に牡蠣と豚肉スライスが一緒にでてくるところも。牡蠣だけを味わってもいいけれど、豚肉と牡蠣を一緒に食べてもまた美味。
<牡蠣のポッサム>

<牡蠣のポッサム>

<牡蠣と豚肉のポッサム>

<牡蠣と豚肉のポッサム>


クルジョン/牡蠣のジョン

カキをチヂミを作るときのタネにつけてたっぷりの油で焼いたもの。これがシンプルながらもカキの美味しさを味わえる一品。醤油に刻んだ唐辛子や唐辛子粉を入れたソースにつけていただきます。これは韓国の伝統酒、トンドン酒やマッコルリのおかずにぴったり。

クルパジョン/海鮮パジョン

パジョンはネギ入りのお好み焼き。チヂミといえば、ご存知の方も多いと思います。クルパジョンはこれにクル、つまりカキが入ったバージョン。お店によってヘムルパジョン(海鮮チヂミ)ともいい、ほとんどの場合はカキだけでなく、イカやエビなども一緒に入っている場合が多いです。これはお酒、特に韓国の伝統居酒屋に行くとあるドンドンジュやマッコルリなどの伝統酒の定番おつまみ。そのほか、クッパッ専門店でクッパッやビビンバを注文して、追加で一つこのパジョンを頼んでみんなでつまんでもいいと思いますョ。

センクル/生牡蠣

やはり牡蠣のおいしさを味わうにはそのまま食べるのが1番!夏はちょっと恐いですが、冬はそのまま「セン(生)」でつるっといただきたい!ソウルの海鮮料理専門店に行くと、冬期限定で「センクル(生牡蠣)」というメニューがありますが、新鮮な牡蠣を楽しむにはやっぱり水産市場。ソウル一の規模を誇る鷺梁津(ノリャンジン)水産市場に行けば、市場で選んだ魚介類をその場で調理してくれるお店が市場内にあり。他の魚介類は鍋にしてもらって、カキは生で!豪華な食卓になること間違いなし~。

クルタンス/牡蠣揚げの甘酢あんかけ

韓国の中華屋さんに行くと必ずあるメニューがタンスユッ。これは日本でいう酢豚のことで、豚肉に衣をつけて揚げたものに甘酢あんを掛けたもの。味は日本よりも甘めで豚肉も小さく衣の分厚いところが多いですが、中華料理店の人気メニュー。そのタンスユッのカキ版がクルタンス。豚肉の替わりにカキ揚げを使ったアレンジ料理です。

クルクッパッの作り方

クルクッパッ専門店「キムミョンジャ・クルクッパッ」にお邪魔しました~

<材料>
牡蠣
1cm角にカットした豆腐
ワカメ
タデギ(ニンニクと唐辛子など混ぜた薬味。無ければ一味唐辛子などを代用してもいいかも)
ニラ
ネギ

ごま油

(ダシスープ用)
昆布
大根
玉ねぎ

(味付け用)
アミの塩辛


<作り方>

1. ダシスープを作っておきます。昆布、大根、玉ねぎなどを入れて3時間ほど煮込みます。
※実際はこの他に企業秘密の材料が入るそうなんですが、それは教えてもらえず。
2. (気を取り戻して)石鍋に牡蠣、カットした豆腐、ワカメ、タデギ(ニンニクと唐辛子などを入れた薬味)を入れます。
3. 材料を入れた石鍋に煮立たせたダシスープを入れて強火で煮ます。
4. ご飯を入れてほぐしてから
5. 生卵を落としてごま油を適量かけ、ひと煮立ちさせます。
6.鍋がぐつぐついってきたら、最後に刻んだニラとネギを入れて少し煮たら出来上がり!熱いので気をつけて運んでくださいね。味付けが薄いなと思ったら、醤油はいれずにセウチョッ(アミの塩辛)を使うとさっぱりとしたスープが楽しめるそう。

韓国のカキ料理をいろいろご紹介しましたが、いかがでしたか?カキクッパッやカキのチヂミなど、韓国ならではのメニューがいろいろある牡蠣料理。カキ好きのナビも今回、カキの美味しさを再発見。専門店に行くとさまざまなカキ料理が楽しめるし、また他の韓国グルメ店にあるカキ入りメニューを楽しんでみてもいいのでは?特に秋から冬にかけてソウルに来られる方、旬のカキを使った料理にぜひトライしてみて下さいね。以上、ソウルナビでした。

~ナビの紹介店~


<牡蠣料理全般のお店>
○ クルエチャン
牡蠣が新鮮でおいしいと評判のクルポッサムとクルクッパの店。メニューにはビビンバやスンドゥブなど一人で注文できるものからポッサムやパジョンなど家族で楽しめるものまでいろいろ!牡蠣は慶尚南道の統営(トンヨン)から毎朝直送。いつでも新鮮な牡蠣が食べられます。
○クルマウル・ナクチチョン
牡蠣クッパ、牡蠣ビビンバ、牡蠣スンドゥブ、牡蠣入り餅スープといった1人用の食事メニューから、牡蠣の天ぷら、牡蠣チヂミ、生牡蠣などなど数人でいただく一品料理まで、牡蠣を使ったいろいろな牡蠣料理を味わえる牡蠣料理専門店。一番の人気はメセンイという海藻が入った牡蠣クッパ、メセンイ・クルクッパッ。冬はほとんどのお客さんがメセンイ・クルクッパッを注文するほど。その他に牡蠣入り石焼きビビンバ「トゥッペギ・クルパッ」や、サイドメニューの牡蠣のチヂミ(クルジョン)なども人気。

クルクッパッのお店>
○キムミョンジャ・クルクッパッ
ここ数年で支店がどんどん増えている牡蠣入りのクッパ、クルクッパッの専門店。しかも、クルクッパッの専門店を韓国ではじめてオープンした元祖店でもあり。本店はウルサンにありますが、全国に支店が50店舗以上あり、地元のテレビでも紹介されているお店。お店のメニューは牡蠣クッパに牡蠣ポッサム、牡蠣入りチヂミなど、牡蠣入りメニューが豊富。

クルポッサムの有名店>
○サメチッ
豚肉とキムチ、そしてカキとの絶妙なマッチングが楽しめる「クルポッサム」の有名店。場所は鍾路3街駅から徒歩1分、ディープな路地裏にあり。ロケーション的にもお店もまさに庶民のお店。だから、クルポッサムも他の専門店よりもお手頃プライス。ポッサム用の浅めにつけられたキムチの上にふんだんにのせられた牡蠣は、毎朝、韓国の南海(ナメ)から届けられた新鮮なモノを使用しているそう。また、サービスおかずが盛りだくさんなことでも知られています。

クルスンドゥブのお店>
○チョンウォンスンドゥブ(本店)
1969年開業のスンドゥブの老舗!ソウルでも昔懐かしいスンドゥブの味をそのまま引き継いでいる数少ないスンドゥブ専門店。2代目の社長であるチャン・ウォンチョル氏がお店を引き継いでからも昔ながらのお店の雰囲気&味も変らず、地元のサラリーマンに愛され続けてきたお店。特にこちらはノーマルタイプの豚肉ダシの「スンドゥブ」、牛肉ダシの「ソコギスンドゥブ」、牡蠣入りの「クルスンドゥブ」の3種類のスンドゥブを楽しめます。本店は市庁にありますが、明洞にも支店あり。

クルチャンポンのお店>
○梅花(メファ)
華僑の方が始めた中華料理店。1982年に現在の社長のご両親が今と同じ場所にお店をオープンし、2002年からは息子さんである現在の社長さんがお店を切り盛り。メニューはチャジャンミョンをはじめチャンポンやチャーハンといったお手頃メニューからコース料理もありますが、クルチャンポンの名店としても知られています。

クルビビンバ(牡蠣のビビンバ)、クルジョンのお店>
○モニョ
リーズナブルな価格で生牡蠣や牡蠣のチヂミなどがいただけるとソウルっ子にも人気の店!ランチ時は行列覚悟で、オフィスビルの中にあるので地元の雰囲気も味わうことのできます。こちらでいただける牡蠣は慶尚南道の統営(トンヨン)から毎日直送される新鮮な牡蠣のみを使用。また料理には化学調味料をいっさい使わないこだわりも。

センクル(生牡蠣)のお店>
○ファンジェフェヤンニョムチ
新鮮な海鮮が豪快に泳ぐソウル一の水産市場、鷺梁津(ノリャンジン)水産市場!この市場で海鮮を買って持っていくと、その場で食べられるように料理してもらえるお店がこちら。市場で買ったばかりの牡蠣をこちらで生牡蠣(センクル)にしてもらうことができます。調理代と付き出し代などを払えば、ゆっくりと座って食事が楽しめます。

その他情報

*内容をリライトしました。<2016.2.16>

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2016-02-16

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