ベストフード「海鮮系チム料理」

豆もやしと海の幸の真っ赤な豪快料理!!ぴりぴりスパイシーな海鮮系のチム料理をホットに味わおう!

こんにちは!ソウルナビです。焼肉やプルコギなどお肉料理も美味しいけれど、海に囲まれていて海産物も豊富に獲れる韓国には美味しい海鮮料理もいっぱい。ヘムルタン(海鮮鍋)やカンジャンケジャン(ワタリガニの醤油漬け)、ヘムルパジョン(海鮮チヂミ)なんかは日本からの観光客にもよく知られていて人気のメニューですよね!またアサリたっぷりのカルグクス、牡蠣の入ったスンドゥブチゲなど、様々な海の幸を使い海鮮ダシのきいた料理もいろいろ。今月のベストフードではそんな韓国の海鮮料理の一つ、海産物を使った「チム」料理をご紹介していきたいと思います!エビやタコ、ワタリガニや貝などの海産物が豆もやしと一緒に、豪快に盛られたこの料理。真っ赤な見た目が韓国らしい!?すっごく辛そう??そんな海鮮系のチム料理って一体どんな食べ物なのか、さっそく詳しく見ていきましょう!!

◆◇◆海鮮系のチム料理とは!?◆◇◆

「チム」とは「蒸しもの」という意味ですが、材料を薬味と一緒に炒め煮したり蒸し煮したりしてじっくり煮詰めた料理のこと。比較的よく知られた料理では「カルビチム」というのは聞いたことがあるでしょうか。こちらはカルビ肉を醤油ベースの調味料でじっくり煮た料理ですよね。海鮮系のチム料理は普通、味付けにコチュジャンや唐辛子、ニンニクなどスパイシーな調味料を使い、見た目は真っ赤でお味もかなりピリ辛。海産物と一緒に大量の豆もやしが使われ、海鮮ダシの染みたこの豆もやしと一緒に海の幸をいただきます。また海鮮の具はカニ、エビ、タコ、貝、イカ、魚、魚の卵などなど様々。そのメインになる具によって、「○○チム」という呼び方をするんですよ。では、どんな種類の海鮮系チム料理があるのか、まずはこちらからチェック!

■ヘムルチム

ヘムル=「海物(海産物)」ということで、いろんな海産物がたっぷり使われたチム。お店によると、10~20種類もの海鮮の具が使われていることも。よくきいた海産物のダシが美味しく、もやしの下からたくさん出てくるいろんな具が楽しい!?一般的にはヘムルチムといいますが、様々な海産物を混ぜて(=ソッコソ)いるので、「ソッコチム」ということもあるよう。

■アグチム

アグ=アンコウのチムは、海鮮系チム料理の中で最もポピュラーといえるかも。アンコウがよく獲れる慶尚道の馬山(マサン)という街の名物料理としても有名。淡白でやわらかい身やプルプルの皮が辛いソースにマッチ。ちなみにソウルのアグチムと本場馬山のアグチムとでは少し違いがあるそう。詳しくは下のリンクを見てみてください~。

■コッケチム

「チム」というと、ただ蒸した料理という意味にもなるので、名前のとおりコッケ(ワタリガニ)をスチームした料理をさすこともあるコッケチム。でも、豆もやしなどと一緒に辛く真っ赤なヤンニョムで味付けたコッケチムもあり。カニ味噌とソースの絡んだ豆もやしが美味!
(※実際には写真のようにコッケがそのままの姿で出てくることはほとんどなく、食べやすく切られた状態で出てきます。)

■ナクチチム

ナクチはテナガダコ。韓国では人気の食材で、辛く炒めたり、お鍋に入れたり、生でそのままいただいたりしますが、チム料理もあり。生きたものを使い、さっと火を通したくらいでいただくとプリプリの食感が味わえます!かなり辛みの強いことが多いかも!またナクチを辛く炒めた「ナクチポックン」との境界もやや曖昧ですが、やっぱり豆もやしがたっぷり入っているのがナクチチム!?

■コダリチム

「コダリ」とはミョンテ(明太)、スケソウダラを半生状態まで干したもの。このミョンテを干したものというと、完全に干してカリカリに乾燥させた「プゴ」や、寒い冬に屋外で凍らせながら干した「ファンテ」が一般的で、スープ料理の具などによく登場しますが、「コダリ」はというと「プゴ」や「ファンテ」ほど乾燥させずにお魚のジューシーさを少し残したくらいの干物になります。このコダリを使ったチムがこちら。

■ポッチム

韓国でも親しまれている高級食材、フグ。韓国語では「ポッ」(または’ポゴ)といいます。鍋、天ぷら、刺身と、日本でいただくのと似た料理にもされますが、辛く豆もやしと一緒に炒め煮するチムになることも~。独特のフグの旨みのきいていそうなポッチム、一度味わってみたいけれど、かなりお値段のはる場合が多いかも!

■アルチム

「アル」とは魚の卵のコト。チム料理のなかではかなり珍しい部類に入りますが、アル料理専門店などでいただくことができます。鱈やスケソウダラ、マグロなど数種類のプチプチ魚卵が豆もやしに絡まり絶妙なお味に!?お酒のおつまみにもぴったり!
このほか、大小様々な貝を使った「チョゲチム」、タイラギ貝(キチョゲ)の貝柱を使った「キチョゲチム」、「オジンオ(イカ)チム」、「チュクミ(イイダコ)チム」、「カリビ(ホタテ)チム」なんかもあり~。

◆◇◆どうやって作る!?海鮮チム料理◆◇◆

それでは、そんな海鮮系の「チム」料理は一体どうやって作るのか!?いろいろ種類のある中でも、いろんな魚介類がたっぷり入った「ヘムルチム」の作り方を有名店で教えてもらいましたあ~!

 ◎材料

・下ごしらえした海産物
・昆布と海産物の出汁スープ・・・昆布にワタリガニやエビの殻、アワビ、ホタテなどの海産物で出汁をとる。
・豆モヤシ・・・たっぷり
・ミナリ(セリの仲間)・・・適量を食べやすい長さに切る。
・玉ねぎ・・・少々を食べやすい大きさに切る。
 ※代わりにネギ(この場合は少し多め)を入れても。
・ヤンニョム(合わせ調味料)・・・コチュジャン(唐辛子味噌)、コチュカル(粉唐辛子)、細かく砕いたニンニク、細かく砕いた生姜(または生姜汁)、水飴または砂糖、酒、塩、醤油少々、水
 ※砂糖や水飴の代わりに梅エキスでも。醤油でなくテンジャン(韓国の味噌)を使うこともあるそう。また、辛くしたい場合はチョンニャンコチュ(辛い青唐辛子)を入れる、とも。
海産物

海産物

出汁スープ

出汁スープ

合わせ調味料

合わせ調味料

ミナリ

ミナリ

豆もやし

豆もやし

玉ねぎ

玉ねぎ

海産物はもちろん、新鮮なものを使えば使うほどグッド。エビ、貝、イカ、ワタリガニ、魚の卵、ミドドッ(エボヤ、小さいホヤの仲間)などなど。例えば・・・
アワビ

アワビ

殻付きエビ

殻付きエビ

ミドドッ

ミドドッ

ソラ(巻貝の一種)

ソラ(巻貝の一種)

大きな貝のヒモ

大きな貝のヒモ

ナクチ(テナガダコ)

ナクチ(テナガダコ)

ムール貝

ムール貝

タコやイカの子

タコやイカの子

ワタリガニ

ワタリガニ

白子

白子

魚の卵

魚の卵

イカ

イカ

 ◎クッキング、スタートォー!!
材料は全て準備しておいてから、一気に作っていくのが良いそう!
1.出汁スープを温めます。

1.出汁スープを温めます。

2.沸騰したら、下ごしらえをした海産物と玉ねぎを鍋に入れて・・・

2.沸騰したら、下ごしらえをした海産物と玉ねぎを鍋に入れて・・・

3.その上に豆もやしをのせます。

3.その上に豆もやしをのせます。

4.10分ほど(再び沸騰してから5分くらい)煮て、

4.10分ほど(再び沸騰してから5分くらい)煮て、

5.ザルでスープを捨てます。

5.ザルでスープを捨てます。

6.準備しておいた合わせ調味料を加えて

6.準備しておいた合わせ調味料を加えて

7.油を少々ふり、

7.油を少々ふり、

8.その上にミナリをのせ、2~3分ほどおいてから

8.その上にミナリをのせ、2~3分ほどおいてから

9.炒め始めます。

9.炒め始めます。

10.全体にヤンニョムがいきわたるようによーく炒めたら、

10.全体にヤンニョムがいきわたるようによーく炒めたら、

11.盛り付けます~。

11.盛り付けます~。

12.完成!!

12.完成!!

※お店ではこうやって最初の出汁スープを捨ててしまうこともあるけれど、家庭で作るときは最初から少なめにスープを沸かしてそのまま捨てずに使うという手も。

◆◇◆食べてみよう!◆◇◆

 ◎大きな具は、ハサミでジョキジョキ

コッケチムのワタリガニ、ナクチなどは多くの場合、そのままや大きなぶつ切りサイズで出てきます。そんなデカイ具は、ハサミで食べやすい大きさに切りましょう~。

 ◎お好みでタレにつけても!?

もともと辛めの濃い味がついていますが、たいていのお店ではいただくときさらに具に付けるタレが出てきます。酢醤油や醤油ベースのものにさらにワサビや辛子まで入っているこのタレ。ワサビや辛子を溶かしてから、具につけます。そのままでも十分イケそうですが、現地流にいただくなら、または味に変化を求めるなら、こうやって食べるのもアリ!?

 ◎シメは!?

シメには、残ったタレを使ってポックンパッ(焼き飯)を作ることも。お店によっては、残りダレではなく別に作った特製ソースで焼き飯を作ってくれるところもあります。でも、炒めずにそのままご飯や麺をタレに混ぜてからいただく、というのも現地の人々がよくする食べ方。

◆◇◆ソウルで海鮮系のチム料理をいただく!◆◇◆

アグチムやヘムルチムは、もともと海の幸が豊富に獲れる海辺、特に慶尚南道地方でよく作られる料理のよう。中でも馬山(マサン)のアグチムといえば有名で、アグチムを専門とするお店の名前にはほとんどに「マサンアグチム」とついているような!?ソウルにあるお店にも、似た名前がたくさんあります。そんなアグチム専門店をはじめ、ソウルで海鮮系チム料理のいただけるトコロをピックアップ!

☆新沙洞アグチム通り

アグチムの有名店が集まっているこちらの通り。地下鉄3号線シンサ(新沙)駅から徒歩1分、大通りから少し路地裏に入るとあり。各お店にはアグチムの他にカンジャンケジャン(ワタリガニの醤油漬け)やコッケッチム(蒸しカニ)、へムルタン(海鮮鍋)など、韓国を代表する海鮮料理がいろいろ揃う、海鮮好きな地元人には要チェックの名物通り。ここに初めてアンコウ料理店が出来たのは1990年代の初め頃。そのお店が有名になり、周辺にたくさんあった高級クラブのお客さんが2次会にぴったりだとよく訪れるようになったとか。こうして人がたくさん入るのでお店もどんどん増えていき、今や30軒あまりのお店が並ぶ「新沙洞(シンサドン)アグチム通り」に~。

☆楽園洞アグチム通り

地下鉄1・3・5号線チョンノサムガ(鍾路3街)駅近く、「楽園商街」(ナグォンサンガ)のすぐお隣に位置する狭い路地。ここには「アグチム」の看板を出した小さなお店がたくさん集まる通りが。40年ほど前に元祖店となるお店ができたそうで、現在では10軒ほどの専門店が並んでいます。ほぼどのお店にも、アグチムのほかにヘムルチムやアグタン(アンコウ鍋)、ヘムルタン(海鮮鍋)などのメニューがあり。中には行列のできることで有名な人気店も!

☆そのほか、ソウルで海鮮系チム料理のいただけるお店!!
韓国では一年を通してみると暑い時期には比較的、海産物をあまり食べない傾向も。秋から春にかけてが旬の海産物も多いことから、海鮮料理をいただくには秋くらいから良いみたい。おなじみヘムルタンやコッケタンなど海鮮系のお鍋も美味しいけれど、もっとスパイシーで豪快、そして現地の人にも親しまれている海鮮系のチム料理はいかがでしょうか!?かなーり辛口なことが多いですが、海鮮ダシの染みたシャキシャキピリ辛の豆もやしは一度その味を体験するとまた無性に食べたくなるかも!?ハフハフしながら熱くて辛い海鮮系チム料理にトライしてみてくださいネ!以上、ソウルナビがお伝えしました。


上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2010-11-01

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