忠清南道の修徳寺(スドクサ)に行く

お寺へ山へ、みぽりん一家週末日帰りの旅

忠清道(チュンチョンド)はソウルの南にあって、ソウルから車で1時間半~2時間くらい。日帰りで行けるグッドなスポットです。そして今回の目的地は「修徳寺(スドクサ)」。韓国のお寺ってお墓もないし、明るくて健康的で観光地として意外と見ごたえがあるんです。
いざ出発!
午前9時、マイカーに乗ってまだガラガラの京釜高速道路でひたすら南下。そしてさらに開通間もない西海岸高速道路に乗り入れて、遠浅の海(黄海ですね)を右手に見ながら、走り続けます。あっという間に京畿道(キョンギド)を走り抜けるともうそこは忠清道。韓国ってソウル近郊をちょっとはずれただけでも長閑な田園地帯が広がっていて、ソウルの喧騒は信じらないくらいなんです。
海の見えるサービスエリアで休憩。韓国のサービスエリアって、おやつが充実しているので大好きなんです。あれこれ悩んだ末、ホドカジャ(くるみ菓子、2000ウォン)とホバクパン(かぼちゃパン、2000ウォン)を購入。それにジャガイモ焼きやコーヒーも食べてしまいました。とっても美味しい。
忠清南道の修徳寺(スドクサ)に行く 忠清南道の修徳寺(スドクサ)に行く
<ホドカジャ>

<ホドカジャ>

<ホバクパン>

<ホバクパン>

午前11時、「修徳寺(スドクサ)」に到着。ちょっと意外だったのは駐車場からお寺に続く道の両側にお土産屋と食堂が沢山並んでいたということです。まるで川崎大師に来たような錯覚に陥ってしまいました。こんな道を何も食べずに買わずに通り過ぎるのは至難の業ですぐに誘惑に負けてしまい、お寺に行く前にまずはお昼を食べることにしました。
サンチェビビムパッ、8000ウォンこのお値段にはちょっと驚きました。ソウル市内と同じか、多少高めですね。それにおかずの種類や味付けも平凡で、地方に来たという実感が全然沸きませんでした。でもお腹がすいていたのでがつがつ食べる。
「修徳寺(スドクサ)」。599年に創建された、現存する唯一の百済寺院。大韓仏教曹溪宗(禅宗)に属し、忠清道一帯の60余箇所のお寺を総括しています。西の金剛山ともいわれる徳宗山(トクスンサン)の中腹に建てられていて、渓谷、松・桜林なども兼ね備えた風光明媚なお寺。
入場料は大人2000ウォン、子供1000ウォン。1つめの門は小さ目でしたが、このあとにまだ2つも門あり、だんだん大きくなります。このお寺の特徴は山の斜面に建物が分散して建てられているという点で、本殿である大雄殿(国宝)や観音菩薩立像など、大小20余りの建物があります。
キレイに装飾が施された韓国独特のお寺。建物の周囲にはお釈迦様の人生画が極彩色で描かれています。ぐるっと一周してみると興味深いです。お庭には日本でお馴染みの金鳳花や椿が植えられていて、もうちょっとで満開というところでした。手入れも綺麗にされていて、とても気持ち良かったです。さすが忠清道随一のお寺ですね。
本殿である大雄殿と石塔。この大雄殿は1308年に建てられたもので、木造建築物としての歴史的価値が大変高いそうです。ところでみぽりんがびっくりしたのは、信者だけではなく観光客も中に自由に入って、お祈りをしているということなんです。今でも信仰の場として使われているんですね。
大雄殿の前庭から眼下に広がる絶景。素晴らしいの一言に尽きました。百済人はお寺を建てるセンスが抜群だったようです。
さあこれから山登りよ!
お腹もいっぱいになったし、お寺も見たのでこれで帰る予定だったのですが、徳宗山(トクスンサン)はそれはそれは有名な山だということのなので、突然山登りもすることになってしまいました。山登りの準備なんてしていなかったので、大丈夫かな~と多少不安でしたが登り始めちゃいました。
庵(アム)と呼ばれる小さな建物が所々に散らばっていますが、そこでは今でもお坊さん達が修養しているということなので、邪魔にならないように通り過ぎました。観音菩薩立像も見て、清水で喉を潤し、さらに山道を登って行きましたが、なかなか頂上が見えません。海抜500mに満たない小さな山のはずなんですが、頂上に近づくにつれ、傾斜が厳しくなり、岩も多くなって、歩くというよりは「這う」という表現がぴったり。
視界が開けて「やった!頂上だわ」と思うと、まだ先があり、がっかりし続けました。登山時間は正味1時間ほどでしたが、軽い気分で登り始めたのが間違いの元だったようです。その上大切な牛皮の短ブーツが岩に擦れてギザギザになってしまい、ショックでした。
頂上!ここからは何と遠くに黄海が見えます。お天気が良かったので気分は最高。やっぱり山登りまでして大正解でした。充実感が違いますね。
午後4時、麓に下りてお菓子と飲み物を買い込み、トイレ休憩をしてから、ソウルに向かいました。来た時はガラガラだった高速道路が車でいっぱい。行けども行けども車の列で参ってしまいました。何時になったら懐かしの我が家に着くのか。これだから日帰りは辛いんですよね。

このようにして久しぶりの日帰り旅行は無事終わりました。帰宅途中でキムパプ天国というチェーン店で夕食まで食べたので、家に着いたのが8時過ぎでした。それでも皆大満足で「また行こうね」を連発。綺麗な空気。抜けるような青空。そして松林。そんなモンはソウルではお目に掛かれないので、やっぱり地方の旅は良いのですよ。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2004-03-08

ページTOPへ▲

関連記事

修徳寺(礼山)

修徳寺(礼山)

599年に創建された、現存する唯一の百済寺院。

その他の記事を見る