海に道が!まさに神秘の「珍島の海割れ」を見る!
こんにちは!ソリです。暑~い日が続いていますが、皆さんお元気ですか?太陽ジリジリの毎日だけど、こんなときこそ暑さに負けるもんかと旅に出たいな~と思っていたソリ。そんなとき、全羅南道の珍島(チンド)で<海割れ祭り>があるという情報をキャッチ!珍島といえば…天童よしみさんの歌「珍島物語」!「海が割れるのよぉ~」で始まるあの曲デス!この歌を知らなくても、珍島(チンド)というところで海割れ現象が起きることはたくさんの方が知っていらっしゃるのではないでしょうか!?この海割れは潮の干満によって起きる現象だけど、ソリは写真で見たことがあっただけ。「そもそも<海が割れる>なんて映画や漫画じゃないんだからさ~」てな感じでイメージつかめず。こうなったら直接目で見てくるしかないっ!ということで、海割れの日に合わせて珍島へと向かうことにしました。そこで見てきたものは…本当に神秘の現象!さっそくその模様をご紹介したいと思います。
早朝のKTXで木浦(モッポ)まで!
今回ソリが行く「珍島」はどこにあるかというと、朝鮮半島の西南端。ムム、かなり遠いぞ。さぁどうやって行くか!?調べてみるとソウルから直接珍島まで行く高速バスもあるみたい(約6時間所要)。でも渋滞するかもしれないし、今回は珍島だけでなく同じ全羅南道の木浦(モッポ)も見学したいな~ということで、木浦までKTXで行ってから珍島入りすることに決定!目的地までかなり時間がかかること&海割れ会場の大混雑が予想されることから、できるだけ早くソウルを発つことにしました。ナビ記者てんちゃんと待ち合わせて乗り込んだのは、朝6時35分竜山(ヨンサン)駅発の木浦行き列車。始発です!売店で買った朝ご飯のおにぎりをパクつき、所要時間3時間15分の大半は爆睡~~。
ここで今回の旅の珍島・回洞(フェドン)までのアクセスを整理すると…
【KTX】ソウル<竜山(ヨンサン)>⇒木浦駅
【市内バスorタクシー】木浦駅⇒木浦総合バスターミナル
【高速バス】木浦総合バスターミナル⇒珍島市外バスターミナル
【バス】珍島市外バスターミナル⇒回洞<海割れ会場>
…となります。ちょっとややこしいでしょ!?
今年(2006年)の海割れ祭りは8月10~12日という日程で行われ、ソリの訪れた8月10日はその初日。事前調査によると、この日の海割れ時間は18時だそう!
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木浦(モッポ)
9時49分、湖南(ホナム)線の終点である木浦駅に到着!勝手に田舎情緒のあふれた駅を想像していたけど、KTXの停車駅ということで思っていたより大きくキレイ。改札を出たら真ん前にある観光案内所に直行!なんせ資料があまりないもので、木浦はもちろん、ここで珍島関連のパンフレットをもらいました。外に出てみると、「チンドチンド~」と言いながらタクシーの運転手さんが何人か寄って来た!いや~さすが珍島のお祭り期間。でも珍島まではかなりの距離だし、ここからタクシーにゃ乗らんぞ~。
宿も木浦にしてみました
今回の旅、珍島での海割れを見る以外は木浦で過ごしたかったので、宿は木浦の新安ビーチホテルを予約して、一旦ホテルに荷物を預けに行くことに。(というわけで、私の場合は上記の交通の流れにホテルまでのワンクッションが入りました。)観光案内所でホテルまで行くバスの番号を聞いて乗車(850ウォン)。バスの中を見回すと、ソウルと違ってお年寄り率高い!まったくもってのどかな雰囲気です。バスの窓から見る景色も低い建物が多いし、ホテルに近づくに連れて木浦のビーチが見えていい感じ!さっそくローカル&旅気分~!
木浦のバスターミナルへ! ホテルに荷物を置いた後はまたバスに乗り、20分ほどかけて木浦総合バスターミナルへ。このターミナルもキレイで、セブンイレブンも入っていました。珍島へのバスはだいたい50分間隔。バスが出たばかりだったので、ここで昼食タイム!ターミナルの周辺には小さな食堂が少しあったので、そこに入ってみることにしました。頼んだのは「ペッパン」。これ韓国式の定食なのですが、こうして違う土地で頼むとその地域の味を楽しめますよね?ソウルではあまり見ない、トコロテンのおかずやゴマのふられたタンムジ(たくわん)、魚料理などが並びましたよ。
珍島までの所要時間は1時間。車内はほぼ満席です。バスが出発して木浦の市内を離れるに連れてみるみるうちに田舎の景色に変わっていく車窓の様子。いつ珍島に入るのか!?と外を眺めていると、だいたい45分くらいたった頃かな?「珍島大橋」という橋が出てきて、ついに珍島に上陸です!
■珍島(チンド)
珍島バスターミナルに到着!
ついに珍島に着いた~!バスターミナルは珍島邑(チンドウプ)と呼ばれる地域にあって、この周辺には旅館やモーテルなどの宿もいくつかあるよう。ここが珍島のダウンタウンだそう。バスから降りると麦わら帽子にサンダル姿の学生や家族連れがたくさんいて、みんな海割れに行く雰囲気!ターミナルの一角には簡易テーブルが用意され、観光案内をしてくれる方がいらっしゃいました。ここでもう一度珍島の情報と関連パンフレットをゲット!ここからさらに45分ほどかけてバスで海割れ会場に行くのですが、話によると夕方になるにつれて人が多くなるそうで、早めに会場へ行くことに。回洞行きのバスの切符を早々買ったものの、指定席ではないので座れず。14時半発なのにバスは満員でぎゅうぎゅう~。
運良く窓際だったので45分ほど外の景色を見物していたソリ。この眺めがよかった!緑の木々や田畑、池、青い空…まさに田舎の景色!目に入る家は屋根が青や緑ベースで赤く縁取られていたりするものだし、明らかにソウルと違う風景。
回洞(フェドン)に到着!
45分ほど揺られて到着した海割れ会場の回洞(フェドン)!バスを降り、帰りのことを考えて珍島邑まで戻る最終バスの時間を聞いてみると、「乗る人がいればバスを出します」というなんともおおざっぱな回答が。お~なんか地方っぽい!いやいやでもそれじゃ不安だってば!ということでしつこく聞いてみると、18時半が最終だという人もいれば19時くらいなら余裕でバスは出ているよという人もいて、話がまちまち。「もういいや」と、とりあえず人の波について会場方面へと進みました。海割れの場所まではここから約900mとのこと。
<回洞地図>
ちょうどお祭りだったこともあり、周辺には屋台がたくさん!観光に来たおじさんおばさんを中心に、昼間っから焼酎で一杯やっています。仲間に入れてもらいたい気持ちを抑えて様子を見てみると、やはり皆さんがつまんでいるのはナクチ(タコ)や貝などの海のモノ。
公演場では祝祭で大にぎわい!
さらに歩き進むと大きな屋根のある公演場に到着。ここは今回の海割れ祭りのイベントが行われる中心的存在のステージ。歌謡舞台や太鼓、国楽公演などが行われることになっていて、ここに集まった人の多いこと!ソリがやってきたときはサムルノリの公演が行われていて、暑さの中ウチワで仰ぎながら公演に見入っていました。外では韓国の伝統的な遊び「ユンノリ」に興じる人なども。
海割れの場所に到着
絵画の展示や珍島の伝統文化紹介テントなどが並ぶ道を歩き進めると、ついに海が割れるといわれる場所に到着。「ポンハルモニ」の白い像が目印です。像のすぐ下のところから、「芽島(「モド」。海に向かうと二つある島のうち右側)」までの2.8kmの間に道ができるというのがこの神秘の海割れなんですよね。16時半の時点で海割れの位置を眺めてみると、何の変哲もないただの海の景色。「あれ…ここにほんとに道ができるの!?」「場所ココであってる!?」半信半疑状態…。ただ、ココが現場だとわかって安心したのは周りにものすごくたくさんの人が海割れを待っていたから。暑さから日陰を見つけては皆さん今か今かと待ちわびています。
ポンハルモニの物語とは?
先ほどちらっとご紹介したとおり、ここには「ポンハルモニ」の像があります。この「ハルモニ」とは韓国語で「おばあさん」という意味。珍島の海割れにはこのポンおばあさんにまつわる物語があるんです。それは次のようなお話。<もらったパンフレット参照>
昔、孫同知(ソンドンジ)という人が済州島に島流しにされた時、台風のために珍島の虎洞(今の回洞村)に流れ着きました。この村は虎がよく出没し、これ以上暮らせないと村人たちは向かいの島の芽島へと逃げることにしたのですが、避難の途中にポンおばあさんだけが一人虎洞に残されてしまいました。家族に会いたくて毎日竜王に祈りを捧げるポンおばあさん。ある日夢の中に竜王が現れ、「明日海に虹をかけるから海を渡りなさい」と告げたので、おばあさんは芽島の見える海岸へと出向いて祈りを捧げていました。すると対岸の芽島まで虹のように海に道ができたため、芽島の島民はポンおばあさんを探しにドラや鉦(カネ)を鳴らしながら虎洞村へと向かい、おばあさんと再会。ポンおばあさんは「私の祈りで海の道ができ、お前たちに会うことができた。もう思い残すことはない」と言いながらその場で倒れて息を引き取ってしまいました。これを見た住民は、おばあさんの祈りで芽島から再び戻ってきたと村の名前を「回洞」に変え、このときから毎年海割れのできるこの場所で豊漁や願いの成就のための祭りを行うことに。回洞と芽島の人たちが海割れの場所で会いながらお互い貝などを拾って過ごす風習ができ、現在の祭りになったとか。
周りの様子は!?
それでは周囲の様子や海割れを待つ人たちを写真で少しご紹介~
ファッションチェック!
「珍島物語」の歌紹介発見!
韓国語&日本語の二つの言語で表記。天童よしみさんの名前もちゃんとありますネ。
まさに神秘!海に道ができた! _
あたりをブラブラしていると、だんだんとざわつく周囲。海に目をやると、あっ!潮が引いて道ができているじゃないですかっ!この写真は17時半のごろの様子。この日は18時が最も潮がひく時間とされていたのですが、その前からみんな歩き出してあっという間にこんな状態になってしまいました~!遠くに目をやると、芽島の方からも人が歩いてきているのでまさに人で橋ができたような状態。どんどん芽島の方に向かって歩く人もいれば、急激に引いていく潮のもとで潮干狩りに必死になっている人も。ソリも大興奮で海へ!
歩き出してすぐ、拾った貝からナクチの赤ちゃんを発見!え~こんなの初めて見た!まさに「自然との出会い」、ここがさっきまで海だったことが実感できちゃいます。ソリは持参のサンダルを履きながらどんどん歩く!売っていた長靴を履くのもいいけど、そんな深いところまで行かないのならビーチサンダルなんかでも全然問題ナシ!ただし、素足はやめたほうがいいですヨ。海までは岩がゴツゴツしているし、海の中も小さな石や貝のカケラなんかがけっこうあるので、サンダルを履いていてもちょっと痛いくらいでしたから!
必死に貝をとる皆さん
本当に潮干狩りをしている人が多くてびっくり!そりゃおもしろいですよね、さっきまで海だったのに、こんなふうに底が見えちゃってるんですから。子供が大喜びしているのもかわいかったけど、大人もかなり真剣モードで必死に取っているのがなんだかウケました^^
あまりの引き潮に川に来た気分になっていたけど、やはり海だから波が!
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やっぱり短パンなど短いズボンが一番!
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芽島からの人たちと合流~!
さっきから遠くで聞こえていたサムルノリの音がさらに大きくなったと思ったころ、対岸の島である芽島からの一行が前からやってきた!サムルノリの楽器を持ちながら歩く人、大きな旗を持っている人、踊りながら歩いてくるおばちゃんたち…。みんな海を渡って歩いてきたわけで、いや~これはやっぱりすごいことですよね!時刻を見ると18時を回ったころ。芽島からの行進組の人に聞いてみると、ここまでだいたい1時間くらいかかったとのことでしたよ。
この時点で道の真ん中(一番潮が引くところ)は水がなくなっていて、雨が降ったあとの砂利道みたいになっているではないですか!天童さん、海は本当に割れていました~!!
海割れともお別れ
芽島まで行ってみたいところだったけど、2.8kmはさすがに遠いし帰りのバスのこともあるのでここで海割れ会場とはお別れ。もと来た道を引き返してバス停へと向かいます。途中、ポンハルモニのお葬式を再現した儀式に遭遇。地元の方たちを中心にかなり大がかりな状態で行われていましたよ。ソリたちはスタスタ歩いてバス停に18時半過ぎに到着。珍島ウプ行きのバスに乗り込むと、なんとこれが最終バスだとか!おいおい早くないか!?まだ会場に人はたくさんいるのに…。でも海割れに来るのはツアーでの団体さんが多いようで、貸切大型バスで来ていた人が相当いたみたい。観光バスが何台も停まっていたっけ。それにしても、やっぱりバスの時間はあいまいなんですね。さっき聞いた時は19時過ぎでも余裕であるよ~なんて言ってたのに(ブツブツ)。タクシーもあるようでしたが、バスに乗りたい人は少し早めに切り上げたほうがいいかもしれません。
珍島邑の市外バスターミナルに着いてから、これまた最終便という19時50分発の木浦行きに乗り込み、珍島とはお別れ。また木浦に戻ってきました!
■木浦
夕食は木浦名物のナクチ~!
バスを乗りついで木浦に到着したソリたち。ちょっと遅くなりましたが待ちに待った夕飯を食べなきゃ!木浦名物のナクチを食べてみたいけど、かといっておいしいお店など知らないしなぁ。ということで、とりあえず木浦のバスターミナルからタクシーに乗って運転手さんに聞き、オススメのお店に案内してもらいました。ソリはナクチビビンバ、てんちゃんはヨンポタンを注文。お店は地元の家族連れなどでにぎわっていました。ナクチはソウルでも食べれるけど、ナクチビビンバは初めてだったので新鮮。
ホテルまではまた市内バスを利用。写真左はバスから見えた、木浦駅近くで行われているルミナリエの様子。右の写真はホテルですが、後ろの儒達山(ユダルサン)がライトアップされていてキレイでしたよ。
翌日朝。木浦観光~!の前に…
12:40木浦発のKTXを予約していたソリ。それならば、とお泊り荷物は木浦駅のコインロッカーに入れてから観光することにしました。そして朝食も木浦駅周辺で済ますことに。ホテルマンによると、ソリたちがこれから行こうとしている海洋遺産展示館周辺には食堂がほとんどないとのことだったので。木浦駅周辺なら24時間営業のちょっとした食堂があるんだそうで、駅周辺で簡単に食べてからタクシーで目的地へ。
展示や博物館系が好きな人に!
木浦でどこを回ろうかとてんちゃんと試行錯誤した末に決めたのが海洋遺産展示館周辺。それぞれの見所まで徒歩で行けると聞き、車のないソリのような旅行者にピッタリ。回ったのはカッパウィ、国立海洋遺産展示館、南農記念館、重要無形文化財伝授教育館。それぞれ徒歩10分くらいで行けました。この中でソリが特に興味深く見学したのが「国立海洋遺産展示館」。木浦周辺の海から発掘された遺物や船が展示してあり、海の街木浦の歴史や文化を勉強することができました。建物もキレイだし、海に面した壁はガラス張り。復元された船もスケールが大きかったですよ。日本からのツアー客の方々も見かけましたが、残念ながら展示内容には日本語の説明がほとんどなし。機械による音声ガイドを利用するといいかもしれませんネ。(貸与500W)
<カッパウィ>
笠をかぶったような岩。大きい方が父、小さい方が息子とのこと。でもこれ、後ろからしか見えないとは知らずちょっと残念…。
<国立海洋遺産展示館>
キレイな建物で見どころも多かった展示館。木浦の海の歴史をお勉強。
<南農記念館>
絵画や書の遺産を見学。受付のおじいさんが直々に説明してくれました。かなり地元色あふれるこじんまりした記念館。
<重要無形文化財伝授教育館>
玉工芸がきれいに展示。一つの石を気の遠くなるほどの時間をかけて削って作った作品を見学できます。特に石を削って作ったチェーンは圧巻。
この一帯に9時から12時近くまでいて、そのあとはタクシーに乗って木浦駅へ。そしてささっと昼ご飯を食べてKTXに乗車!無駄な時間が全然なかった満載旅行もこれでシメとなりました~。
今回はなんといっても珍島の海割れを自分の目で見られたのが収穫!やっぱり写真でみるのと潮の引き具合を実際に体験してみるのは感動が全然違いますね。自然の不思議を目の当たりにできたこともよかったけど、お祭りを通してそれを地元の人たちや韓国の観光客と分かち合えたのもうれしかったかな。ソリの行った日は海割れ祭り初日でしかも木曜日という平日だったため、大混雑というほどではなかった会場。でもやっぱり土曜などは相当人が来て渋滞もするということなので皆さんご注意を!なお、お祭り期間以外でも海が割れる日はありますが、お祭りの雰囲気も一緒に楽しみたい方はやはりお祭りの時期に行かれるのがいいかもしれません。地方らしくお店は日本語がほぼ通じなかったり、交通が不便という難しさはありますが、ソウルを離れて韓国の不思議を体験してみたい方、こんな旅に出てみるのはいかがですか?以上、ソリでした。
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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2006-08-18