ベストフード「カルグクス」

海鮮系、牛、鶏などいろんなスープに、ツルツル、モチモチの麺。「韓国式うどん」ともいえるカルグクス!

こんにちは!ソウルナビです。3月に入ると寒さもだいぶ和らいできますよね。でも、まだまだちょっとひんやりとすることもあるこの季節。日本にも「花冷え」や「寒の戻り」っていう言葉があり、暖かくなったと思ったら急に寒くなったりすることもありますが、韓国でも「コッセムチュイ」といって、春先に突然寒さが戻ってくることがあります。というわけで、もう寒い!ってほどではないけれど、春本番はまだちょっと先のこの時期におススメの韓国料理として、ほっと温まるカルグクスはいかがでしょうか?!カルグクスとは温かいスープに、小麦粉を主に使って作った麺の入った麺料理。スープや具の材料には様々なものが使われます。この季節限定というワケではないけれど、種類もいっぱいあるカルグクスについて、ツルっとくわしく見てみましょう!^^

◆◇◆カルグクスって!?◆◇◆

専門店も多く、粉食(軽食)屋さんやフードコート、一般の食堂などいろんなお店でいただけるカルグクスは、韓国の麺料理の中で最もポピュラーなメニューの一つ。「カルグクス」とは、麺のもととなる生地を薄くのばして、それを「カル(包丁)」で切った「ククス(麺)」という意味。生地の主な原料は小麦粉ということもあり、日本では韓国風のウドンと認識されることが多いみたい。でも、かつおや煮干、昆布などでダシをとったスープに醤油や味噌といった調味料で味付けされたものが一般的な日本のうどんと比べて、韓国のカルグクスのスープは煮干、あさりなどを使った海鮮系ダシがあったり、牛、鶏などの肉系スープ、またキムチ入りや辛いモノがあったりと、そのお味のバリエーションは様々。また、包丁で切った麺は別の鍋でゆでず、それらのスープに直接入れて一緒にで茹でるので、とろ味のある仕上がりとなるのも特徴。こう見ると、日本のうどんとは随分違いますよね~。


  ☆☆麺は、こうやって作られます!☆☆
小麦粉を主な原料として作られるカルグクスの麺。どうやって作るのか!?まずはこの麺から簡単にご紹介しましょう!

1.麺を打つ!!
小麦粉に少しだけ大豆粉を混ぜます。小麦粉500gに大豆粉を手で二掴みくらいの分量で、5~6人分くらいになるそう。⇒

小麦粉に少しだけ大豆粉を混ぜます。小麦粉500gに大豆粉を手で二掴みくらいの分量で、5~6人分くらいになるそう。⇒

粉に少しずつ塩水を混ぜていきます。このとき、生卵や食用油を一緒に加えると、麺の口当たりが柔らかくなるそうですよ。⇒

粉に少しずつ塩水を混ぜていきます。このとき、生卵や食用油を一緒に加えると、麺の口当たりが柔らかくなるそうですよ。⇒

適当な硬さになるまで、生地を練っていきます。

適当な硬さになるまで、生地を練っていきます。

2.生地をまとめて、ねかせる。
小さな塊に分けて、粉をふりながら形を整えます。⇒

小さな塊に分けて、粉をふりながら形を整えます。⇒

大量に作る場合はこうやって分けるけれども、少量ならそのまま一塊にしても。⇒

大量に作る場合はこうやって分けるけれども、少量ならそのまま一塊にしても。⇒

ビニール袋などに入れて、生地を6時間以上ねかせます。お店によってはもっと時間をかけるところも。

ビニール袋などに入れて、生地を6時間以上ねかせます。お店によってはもっと時間をかけるところも。

3.麺を切る!
ねかせておいた生地を平たく伸ばし⇒

ねかせておいた生地を平たく伸ばし⇒

たたんでから、包丁で細く切っていくと・・・⇒

たたんでから、包丁で細く切っていくと・・・⇒

麺の出来上がり!

麺の出来上がり!

こうやって作り方を実際に見てみると、「カルグクス」というのはまさにカル(=包丁)で切ったグクス(=麺)というコトってのが分かりますね!^^
(※写真は釜山ナビからお借りしました。)

◆◇◆スープやトッピングいろいろ!どんな種類があるの!?◆◇◆

アサリやイリコなどの海鮮系、またはサゴル(牛の脚の骨)、鶏といった肉系など、カルグクスのスープを作るときに使われるダシになる材料は様々。そして、味付けや、トッピングされる素材にもいろ~んなモノが登場します。ここで、どんな種類のカルグクスがあるのか、見ていきましょう~。

  ★★海鮮ダシ系★★

■ミョルチカルグクス


ミョルチとはイリコや煮干のことで、カルグクスのスープの定番、いりこダシのカルグクス。市場や家庭で簡単に作られるカルグクスに多いかも。具はシンプルで、海苔、刻みネギ、ユブ(油揚げ)などがポピュラー。スープ自体は辛くないけれど、ピリ辛味のタデギ(薬味入り合わせ調味料)をちょっと加えていただくことも。
■パジラッカルグクス

パジラッ=アサリのカルグクス!スッキリと澄んだアサリダシの絡んだカルグクスは食べやすく、ホっとお腹に染み渡るお味。専門店ではアサリもたっぷり!
■ヘムルカルグクス

アサリの他にも、牡蠣やエビ、その他の貝類など海の幸がどっさり入ったカルグクス。スープには海鮮ダシがよ~く効いてて、青唐辛子が入っていることもあり。「あ~、シオナダ~!!」(スッキリしてるけど深い味わいで美味い!?)

  ★★肉スープ系★★

■サゴルカルグクス

サゴルとは牛の脚の骨のコト。サゴルをじーっくりと何時間も煮込んだ牛骨スープのカルグクスがこちら。牛の風味たっぷりでマイルドなお味のスープは真っ白な色が特徴~。専門店も多いよう。
■タッカルグクス

タッ(鶏)スープのカルグクス。鶏の骨やお肉を煮込んで作るスープはじみじみとやさしい味わい!

  ★★他に、こんなのも!★★

■オルクンカルグクス

オルクンとは「オルクナダ」=辛い、というコトバから来ている、まさにその名のとおり「辛いカルグクス」。普通、見た目はいかにも辛そうな真っ赤っか!!ダシはアサリやイリコなど、海鮮系ベースが多いよう。専門店というよりも、フードコートなどで主に見かけるメニューかも。しかし、ほんっとに辛いことが多いので、辛いものが苦手な方、そしてホントに辛いものが食べたい!ってとき以外は要注意かも!?^^
■メセンイカルグクス

メセンイとは日本語でカプサアオノリと呼ばれるとーっても細い海草の仲間で、ビタミンやミネラルが豊富な食材。韓国の南の地域、全羅南道の海岸で冬だけに採れ、韓国では健康や美容に良い食物として知られています。このメセンイがカルグクスのスープにたっぷり入っているのがメセンイカルグクス。麺によく絡まった細~いメセンイを、ツルツルっと一緒にいただきます。磯の香り豊かな、ヘルシーメニュー!具としてはパジラッ(あさり)や牡蠣などが入っていることが多く、スープも海鮮系が一般的。
■パッカルグクス

日本のお汁粉のようなパッ(小豆)スープにカルグクスがイン!お汁粉の中に浮かぶ白玉の代わりに、カルグクスの麺が入っているというとよいのでしょうか?!このパッカルグクスは、もともと食道楽で有名な全羅南道地方の珍味とか。小豆は鉄分、ビタミンB1を多く含み疲労回復に良く、むくみを解消するので、とても体に良いそうですョ。ちなみに、普通、塩味も甘みも全くつけられていない状態で出され、塩や砂糖を加えながら好みに味に調整していただくそう。またパッチュッ(小豆のおかゆ)とともに、冬至にいただくメニューでもあります。
■オルゲンイ(タスルギ)カルグクス

オルゲンイとはカワニナ、タニシの仲間のことです!この呼び方は、このオルゲンイカルグクスをよく食べる全羅南道地方の方言で、標準語ではタスルギ。このタスルギがたっぷり入った、滋味深い味わいのカルグクス。ほろ苦く、ちょっぴり大人の味です。タスルギはヘジャン(二日酔い覚まし)の効果がとても高いとか~。
■ポソッカルグクス

ポソッ(きのこ)入りのカルグクス。一人用の器に入って出てくるよりも、テーブルの鍋で温めながら数人でつつくお鍋スタイルでいただくことが多いよう。またスープはピリ辛のものが主流。素朴なキノコの風味とツルツルのカルグクス麺のハーモニーが味わえます!
■キムチカルグクス

韓国料理の定番、キムチで味付けしたスープでいただくカルグクス!熟成されたキムチの酸味と深い味わいで、ピリ辛さっぱりカルグクスが出来上がり~!こちらも一つのお鍋で作り、数人で一緒にいただくことが多いかも~。

◆◇◆食べ方のポイントは?!◆◇◆

テーブルに運ばれて来たら、そのままいただいても美味しいカルグクスだけれど、地元の人たちもよくする食べ方といえば!?

★キムチと一緒にいただいて!

カルグクスを注文すると、ほぼ100パーセント一緒に出てくる付け合わせといえば、白菜のキムチ!カルグクス屋さんのキムチは浅漬けで誰でも食べやすいものが多いよう。でもとっても辛いことも多いような!?このキムチを麺と一緒に、または直接スープの中に入れてしまっていただくのも現地流!また、付け合わせとしてはニラのすっぱ辛い和え物なんかもよく出てきます。
★薬味で辛味をプラスしても!

ポピュラーな海鮮ダシ系やサゴル系スープのカルグクスは辛くないものが主流ですが、そんなカルグクスをウリとするお店のテーブルには、醤油などに唐辛子の浸かった味付けダレや、辛いタデギ(コチュジャンベースの薬味入り調味料)が置いてあることも。これをスープに加えると、辛味がプラスされたりしてまた違った味わいに~。

◆◇◆こちらのお店で、いただけます!◆◇◆

それでは、ソウルにあるカルグクスのお店をピックアップしてご紹介!お気に入りのカルグクスをぜひ見つけてみてくださいね~^^

 ◎パジラッ(あさり)カルグクスの美味い店
 ◎ヘムル(海鮮)カルグクスがいただけるお店
 ◎サゴル(牛骨スープ)カルグクスのお店
 ◎タッ(鶏)カルグクスのいただけるお店
 ◎実はタッ(鶏)ベースだけど、とっても濃厚で独特。地元客にも観光客にも人気の、あのカルグクス!
 ◎ポソッ(きのこ)カルグクスをいただこう!
 ◎キムチカルグクスのいただけるお店
 ◎メセンイ、タスルギ、パッ(小豆)など、いろんな味が楽しめるカルグクス専門店!
 ◎リーズナブルにカルグクスをいただくには?!
カルグクス特集、いかがでしたか?一口にカルグクスっていっても、定番の海鮮系スープや肉ダシ系スープから、キムチ入りのもの、また小豆、メセンイといったちょっと変り種の食材を使ったモノまでいろ~んな種類があるでしょ!?^^ そうそう、韓国では雨の降る日にチヂミやピンデトッなどの「粉モノ」を食べる習慣があるけれど、カルグクスも粉もの料理として雨の日に好んで食べられる料理なんだとか。春には雨が降ることも多いので、そんな時にいただくのもおススメかも!春雨の降る日に、ちょっと肌寒い日に、あったかツルツルのカルグクスでしみじみと温まってみてはいかがでしょうか?!^^ 以上、ソウルナビがお伝えしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2010-03-03

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