サムゲタン/参鶏湯

鶏一匹まるまる使う、漢方の王道的存在の高麗人参やニンニク、ナツメ、クリなどと一緒に煮込んだタン(湯・スープ)料理/삼계탕


鶏一匹まるまる使うこの「サムゲタン」は、漢方の王道的存在の高麗人参やニンニク、ナツメ、クリなどと一緒に煮込むタン(湯・スープ)料理で、たくさんある韓国料理の中でも特に栄養価が高い"ボシン(補身)料理"として韓国人の間で長~く親しまれて来た健康メニュー!また暑~い夏には夏バテ防止効果があるということで、夏の人気メニューベスト1に輝くほどのメニューなんです。

三伏に必ず食べるスタミナ料理「サムゲタン」!

疲労回復効果があることから夏バテ対策として三伏の時に必ず食べるのがこの「サムゲタン」。韓国には毎年夏にポンナル(伏日)と呼ばれる日が3日あり、それぞれチョボッ(初伏)、チュンボッ(中伏)、マルボッ(末伏)と呼ばれています。初伏から末伏までの期間が1年で最も暑いと時期とされ、その期間のことをサンボッ(三伏)、またこの期間の暑さをサンボットウィ(三伏の暑さ)と言ったりします。この暑~い時期を乗り切るため、それぞれの日に"ボシン(補身)料理"、すなわちスタミナ料理を食べる習慣があります。犬肉を煮込んだ補身湯(ポシンタン)やドジョウをスープにしたチョオタンなどもスタミナ料理として人気ですが、でもやっぱりナンバー1はこの「サムゲタン」!昼間はサムゲタン専門店の前にサラリーマンの列ができ、家庭ではオモニが子供たちのためにサムゲタンを煮込んだりします。高麗人参などの漢方剤をいれた漢方参鶏湯は、やっぱりスタミナ食に間違いなし!っということのようですネ!

「サムゲタン」の栄養価について

サムゲタンに入っている高麗人参には心臓機能を強化する働きがあり、またニンニクには強壮剤の役目が、そしてクリとナツメは胃を保護し、貧血を予防する働きがあるんだそう。そして主役の鶏は豚や牛に比べて値段も安くコレステロール値の低く栄養満点。その上、 肌や骨(特に骨粗しょう症に)優れた効果があるとか(特に手羽先の部分に多い)。また女性の肌につやを与えるコラーゲンは日常生活ではなかなか摂りにくいといわれていますが、鶏肉を食べることによって補うことができるそう。これら以外にも脳の活動を活発にするたんぱく質や、ストレスを減少させる必須アミノ酸も豊富に含まれ、これらの健康食品がひとつの器で出会ってできあがった「サムゲタン」。あの暑い夏にもがんばってこの熱い料理を食べるっということにナビも納得です!

最高級サムゲタンっといえば黒い「オゴルゲタン」!!

一般にサムゲタンといえば白い一般的な鶏。実はその鶏よりも栄養価や健康度をアップさせてくれるワンランク上のサムゲタンがあるんです。それは「オゴルゲタン」、いわゆる日本の烏骨鶏を使ったスープ。カラスのように真っ黒な鶏肉にサムゲタンと同じように腹にもち米や高麗人参、ナツメなどを詰めて煮込むもの。烏骨鶏は昔の漢医学書にも血をキレイにして風邪を防止し、精力も回復する健康食材として記されるなど、昔から宮中だけで食べられていた貴重な鶏だったそう。今ではこうして一般の食堂も食べれるようになりましたが、まだまだ高級。値段は普通のサムゲタンの1.5倍以上はします。見た目は・・・見れば見るほど真っ黒でグロテスク。本当に骨の髄まで真っ黒なんです。その黒さだけ効果テキメンという気分に~!

サムゲタンはこうやってできあがります!

それでは、サムゲタンの作り方を簡単にご説明したいと思います。
<材料>
若鶏1羽、もち米1/4カップ、にんにく2かけ、なつめ 2個、高麗人参(小さいもの)1本、青ねぎ1本、生姜1かけ、わけぎ2束、塩、コショウ適量、水
<サムゲタンの作り方>
1) 皮目がピンクで、重さが500~700gぐらいの若鶏(ひな鶏よりは若干育った鶏)を選びます。
2)もち米を洗い、冷水につけて水分を吸って白っぽくなるまで置いておきます。
3)高麗人参は中ぐらいの大きさのもの(10cmほど)を、包丁で皮をそいで置きます。また栗は薄皮をとり、ナツメはきれいに洗い、ニンニクは薄皮をとって準備します。
4)材料の準備が整ったら、鶏の内臓を取り出してきれいに洗います。
5)お腹の中にもち米を入れ、もち米が出ないようにつまようじで留めます。
6)土鍋に鶏を入れ、かぶるぐらいの水を注いで、高麗人参、栗、なつめ、にんにくを入れて強火で煮込みます。煮立ってきたら火を弱め、スープが濁って白くなるまで長時間煮込みます。
7)出来上がったら、一羽ずつ分けて好みで塩をコショウで味付けして食べます。

おいしいサムゲタンを食べるウマさのポイント!

サムゲタンの中に入れる材料の質ももちろん重要ですが、煮込む石焼き鍋や土焼き鍋などの器によっても味が変わってきます。温度を高く(とっても高く!)してアツアツを食べるのがウマさの基本。だから器もアツアツに熱しなければ意味がありません。そしてもうひとつウマさのポイントは鶏肉につける塩。竹塩を炒めた塩を使うとさらに味が引き立つのだとか。塩はフライパンに煙が立ち上るぐらい熱くして炒めて作ります。こうすることによって塩の中の不純物が取り除かれるそう。またサムゲタンを作る時、こってりとしたスープが好きという場合は長い時間煮込み、歯応えのある鶏肉を食べたいという場合は短時間でサッと調理するのが良いそう。だからサムゲタンの専門店では鶏肉で煮立てたスープはあらかじめ作っておき、鶏肉は注文を受けてから煮込むとか。そうすることで2つの味が同時に楽しめるというワケ!家庭で作る場合は圧力鍋で作っても良いでしょう。これなら短時間でやわらかい鶏肉が出来ますヨ!

<煎り塩の作り方>
1) 塩をいります。
2) すり鉢で細かくつぶします。
3) ざるにとって漉します。
4) ゴマも細かくすりつぶし、ざるにとって漉します。
5) 最後にコショウを加えて混ぜ合わせます。
このサムゲタンと一緒に飲むお酒として人気なのが高麗人参を直接漬けたお酒、人参酒。韓国で健康酒として人気の百歳酒のような甘味はありませんが、すっきりとしていて最後に高麗人参の香りがもわ~っと残る感じ。これはほとんどのサムゲタン専門店に行くとサービスで一杯いただけちゃうもので、この一杯だけでも元気になり、夏バテを防止するお酒なんだとか。今年の夏もこのサムゲタン&人参酒の取り合わせで元気に夏を乗り切りましょう!お財布に余裕の皆さんはぜひカラス色のオゴルゲタンにもチャレンジしてみてくださいね!!
関連タグ:サンゲタン初伏補食スープビギナー向けタン

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2000-05-14

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