ソウルから大邱、セマウル号の旅(後編)

食堂車もあるのだ!

前日の韓国のあっけない敗退で拍子抜けしてしまいましたが、午前11時半発のセマウル号を予約しておいたので、午前中の時間を利用してテグ市内の観光もすることにしました。かといって行きたい所もなかったので、夫のすすめるままに「国債報償運動記念公園」に行くことにしました。「国債報償運動記念公園」は日本からの借金を返すために韓国女性が宝石や貴金属類を寄付し、それが大きな運動にまで広がったのを記念して造られた公園です。非常に意味深い公園なので特別なものがあるのかと思いましたが、記念碑だけあって、あまり面白くありませんでした。せっかくここまで来たのにと、がっかりしてしまいましたが、仕方がないので記念写真だけ撮って、早々と東テグ駅に行くことにしました。
東テグ駅前で時間をつぶしましたが、ぶらぶらするのは得意なので、こういう時しかできないこと。。。つまりお店を冷やかしました。駅前はどこも似たようなものなので、珍しいものはありませんでしたが、子供たちがポップコーンの自動販売機を見つけて、1カップ1000ウォンで買ってきたのですが、これは結構美味しかったです。それから甘栗を3000ウォン分買ったのですが、日本の天津甘栗はとっても甘いのに、韓国の甘栗はちっとも甘くなくて、私はがっかりしてしまいました。ところが夫と子供たちは美味しい、美味しいと大喜びでした。やっぱり韓国人好みの味のようですね。そうこうしているうちに汽車の時間になり、ソウル行きのセマウル号に乗り込んだのです。今度は特室ではなく一般席です。セマウル号の一般席は、ジュースの無料サービスと床のカーペットがないだけで、他は特室と全く同じでした。
今回は席が前後ろだったので、椅子をぐるっと回して4人で向かい合って座れたので、とっても新鮮でした。もちろん子供達は大喜びです。
さて午後も1時を少し回った頃、お待ちかねの食堂車に行くことにしました。食堂車なんて、小学生の頃1回乗っただけですよ。セマウル号の食堂車はソウルプラザホテルのレストランが経営しているとのことだったので、お味の方も期待できるのではないか!とワクワクしてしまいました。メニューを見ながらあれこれ考えた結果、カレーライスとモデゥムトシラク(お好み弁当)を注文しました。お味のほうですが、ずばりカレーライスはホテルのカレーの味がしました。カレーとご飯を分けて出してくれるのもいいですね。これは合格です。でもお弁当のほうは、から揚げがべとべとしていて、あんまり美味しくありませんでした。ハンバーグ定食にしたら良かったかもしれません。でもさすがにホテルで経営しているだけあって、ウエイターの背筋がビシッと伸びていて、気持ちが良かったです。インテリアやウエイターの制服にも気を使ってくれたら、もっと良いと思うんですがね。最近食堂車のメニューにスナックを加えたり、室内インテリアを直すという話も聞いたので、次に乗る機会があったら是非また立ち寄ってみたいと思います。
{セマウル号の食堂車}
日本語 : 不可(会話程度が出来るウエイターが時々いる)
日本語メニュー : なし(韓国語、英語)
クレジットカード : 不可(車両によっては時々可)
営業時間 : 運行時間帯による

- メニュー -
ハンバーグステーキ 9000ウォン
モデゥムトシラク 9500ウォン
カレーライス 7000ウォン
ビビンパ 7500ウォン
キンパプ 3000ウォン
カプチーノ 3000ウォン
コーヒー 2000ウォン
モデゥムアンジュ(お好みつまみ) 10000ウォン
ビール 4000ウォン
ウィスキー 55000~20000ウォン
オレンジジュース 2500ウォン
客車用トシラク(お弁当) 6500ウォン
客室用コーヒー 1500ウォン

お食事が終わり席に帰ってきた頃は、もうテジョンを過ぎていました。あとはひたすら寝るだけです。周りのお客さんたちも、ひたすら午睡を貪っている様子。私も疲れて節々が痛む体を椅子に横たえて居眠りをしたのですが、うとうとすると頭の中で「ジャジャンジャジャンジャン、テーハミング」と応援歌がこだましたり、赤い火花が飛び散ったりして参ってしまいました。これがウワサのワールドカップ症候群なんですね。ぐっすり眠ることも出来ず、かといって本を読む元気もなかったので、娘たちを連れてトイレに行くことにしました。セマウル号のトイレがどうなっているのか関心があったからです。トイレは比較的綺麗だったのですが、タバコの臭いにムッとしてしまいました。韓国はどこに行っても禁煙地帯だらけで灰皿もないので、喫煙者は居場所がないのかもしれませんね。まあこれくらいは我慢しましょう。ないよりは数千倍マシですから。

このように多少疲れはしましたが、バスや自動車よりはるかに楽に、飛行機よりはずっと安く旅行が出来てよかった思います。何よりも運転しないで済んで実に快適でした。私も体力の衰えを日々感じているので、これを機会に積極的に汽車を利用しようかと真剣に検討中です。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2002-07-31

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