ソウルのモダン建物探検、パート2!

建築の門外漢、るみがソウルの建物をご案内~その2

こんにちは、るみです。
アジアの大都市の変化は、めまぐるしいものがあります。ソウルも同じ。昨日まであったものがきれいさっぱりなくなって、新しいものがでーんとできているなんて当たり前。韓国人にはパリパリ(速く速く)の気質があるとはいえ、ホントそのスピードにはついていけません!
今回は、そんなソウルの街にある古い建物を紹介したいと思います。韓屋(ハノッ)の並ぶ伝統的な韓国の古い街並みと小さな路地も味わいがあっていいのですが、今回は地味ながらもなにげに歴史を感じさせるモダンな建物にスポットを当ててみました。日本風の家屋から「ビルヂング」と呼びたくなるような古いビルまで・・・・・温室みたいな建物(ガラスと鉄筋でできた)と有名な建物は今回は遠慮願いました。
日本でも、東京では近代建築のバスツアーまで出たとか出ないとか。建物は、そのまま野外美術館でもあります。ソウルを別な方向から楽しめるよう、ナビできたらいいとおもっております!それでは建築の門外漢るみと一緒に出かけましょ!
今日は前回に引き続き、ソウルのモダン建物探訪第2弾をお届けします!

<鍾路(チョンノ)・光化門(カンファムン)付近>

☆東亜日報社屋
堂々とした李舜臣の像がある十字路は、政治(市庁や王宮)と商業(鍾路・東大門)の交差点でもあるようです。韓国ではデモ行進がよく行われるのですが、このあたりを行進するのには大きな意味があるのかもしれませんね。その交わったところに位置するのが、東亜日報(トンアイルボ)の社屋です。1925年、清水組によって建てられ、その後何度かの増築を経て今の姿に。現在は1階にカフェレストランが入り、またガラスと鉄筋の建物がさらにくっついて美術館と新聞博物館が入っています。
☆鍾路のビル
鍾路の変化ほど、今のソウルのスピードを表しているところはないでしょう!古いビルはどんどん壊され、昨日まであった店がさっとつぶれて、また新しいお店が・・なんて当たり前。商売の厳しい生存競争(!)の様子を見ることができます。けれども上を見れば、古い古い建物もがんばっていますし、裏に回ればノスタルジックな雰囲気でいっぱい。丸窓のあるビルなんて、珍しいですよね?
☆鍾路の教会
この教会も鍾路の裏通りにありました。窓はコンクリで塗り込められて倉庫として使われていました。どうみても結構古い建物だと思うのですが・・・
こういうビルもまだまだ現役。
鍾路2街、タプコル公園のある十字路を仁寺洞(インサドン)とは反対に向かう道を入りましょう。ちなみにこの大きな交差点にあるバーガーキングのとなり(前はタワーレコード、現在はイタリア系コーヒーショップ)の場所は、『商売のうまくいかない魔の(!?)場所』というジンクスがあるとかないとか!(韓国人の友人談)
☆三一ビル
道を入ってぶつかる道が三一路(サミルロ)です、ここに大きな建物が。1970年代には韓国で一番のノッポビルだったそうですよ。設計は韓国の有名な建築家金重業(キム・ジュンオブ)、ソウルオリンピック公園の大きなモニュメント「平和の門」や、釜山大学本館・済州大学本館を設計したのも彼です。20世紀を代表する建築家、ル・コルビュジエの門下生として勉強した後に帰国、すばらしい仕事を数多くこなしました。そんなすごい建築家がいたなんて!三一(サミル)ビルディング、なんてスマート!

<明洞(ミョンドン)付近>

このあたりには、新世界デパートや韓国銀行、第一銀行旧本館と有名どころの建物がめじろ押しなのですが、今回ははずしました。

☆ウリ銀行
現在工事中の清渓川(チョンゲッチョン)に架かっていた広橋(クァンギョ)と乙支路(ウルチロ)入口にあります。このあたりには大きな銀行が多く、この建物は道からちょっと奥まっていて最初は見過ごしてしまうかもしれません。昔は"広通館"と呼ばれ、経済界の人々の集会所として使われ、天一銀行という韓国初の民間銀行となり、以後朝鮮商業銀行鍾路支店→ウリ銀行と変わっていきました。銀行名が漢字で書かれたのが目をひきます。
ソウルに来たらまず訪れたい繁華街・明洞。ちょっとにぎやかな通りを外れると、こんな建物たちが。
☆旧国立劇場
旧国立劇場は現在証券会社が入っていますが、1936年にできたこの建物、"明治座"という映画館でした。当時日本人がたくさん娯楽を求めてやってきたのでしょう・・1957年に国立劇場になり、他にもいろいろな劇場と共に文化の中心を担いました。60−70年代の明洞、"芸術とロマン"を求める若い人たちで大変にぎわったといいます。柔らかい感じの彫刻がきれいですね。現在、国立劇場として復活させる話が進んでいます。
☆謎の建物
旧国立劇場からさらに奥に入っていくといきなり現れる堂々とした建物。窓の感じとちょっとしたところにある彫刻具合に、ただならぬものを感じてさっそく中へ・・いつ建てられたのでしょう?以前は大きなナイトクラブが入っていたようですが、つぶれてしまったようです。
中に入るときれいな曲線をしたアーチが。このドアとハングルの"サムゲタン"がマッチしているのだかしていないのだか・・?
2階から上にはビデオバン(ビデオを個室で見る)やヨガ教室、個人病院などが入っていて雑居ビルと化していました。階段が今にも壊れて落ちそうで危ない危ない。素敵な建物なのにもったいないです。明洞のど真ん中でも、上を見上げればこんな建物もけっこうあるんです。
☆ソウル中華青年会議所
このあたりはリトル中国です。以前はここに中国大使館がありましたが、今は移転しました。華僑小学校の前にある建物です。

<貞洞(チョンドン)付近>

☆赤十字社のビル
先ほどの光化門の交差点を鍾路からそのまままっすぐ、巨大なハンマーを打つ人と歴史博物館を通り過ぎる前に見えるのが赤十字社のビル。
☆京郷新聞社社屋
すこし進んで左に入る道は、ナンタやトッケビストームなどのパフォーマンスを楽しめる劇場"貞洞A&C"のあるビル。ここは京郷新聞社の社屋です。窓がたくさんあっていいですね。
ここから徳寿宮まで抜ける道には歴史的な建物がたくさん。ソウル市立美術館やロシア公館など見所が。レンガ色の建物が多く、なんとなくヨーロッパにいるような錯覚さえおこしてしまいます(!?)新聞社の旧社屋や士官学校などがポツポツあるので、散歩しながら探してみてくださいね。
みなさんいかがでしたか?街の風景に溶け込んでいる建物たち。ちょっと立ち止まって見ると、面白い発見があるかもしれません。変な建物や素敵な建物があったら教えてくださいね!
ソウルを愛するるみでした!

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2004-04-16

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