チゲのお話

寒~い冬も、暑~い夏も、韓国人はチゲ(鍋)が大好き!

こんにちは!ソウルナビです。キムチ、プルコギ、ビビンパッなどなど、韓国グルメブームと共に日本に定着した料理の名前ってたくさんありますよね!その中で今日はキムチチゲ、チゲ鍋でも知られている、"チゲ(鍋)" を特集しちゃいます(^_^) 寒い冬も暑い夏も、ふうふう、はぐはぐっしながら体の中から元気がみなぎってくる "チゲ"。具体的には肉、魚、野菜、豆腐などの材料に味噌や唐辛子などの薬味を加えて煮た鍋物で、韓国では家庭でも食堂でもよく食べる定番メニューなんです。ではさっそく今日は、そのいろんな"チゲ"についてご紹介しましょう。
チゲ=鍋、ならばタン、グッ、チョンゴル=??
チゲについてくわしく掘り下げる前に、韓国でポピュラーなスープメニューの"タン"、"グッ"、"チョンゴル"と"チゲ"の違いについて、ちょっと調べて見たいと思います。でもこの4つのスープメニューの違いについて地元の人に聞いても、明確な答えが出てこない、、、ところを見ると、なかなか難解な質問でもあるよう。そこで、ソウルナビ社長の助けをお借りして、ナビ的に分析してみましたぁ!!

○チゲ=韓国の言葉でグッよりスープが濃く、肉、海鮮、野菜などの材料を入れて煮立たせた濃厚スープ。味は辛いものが多い。食堂では1人分の器に盛られて出て来るお昼ご飯の定番メニュー。またチゲ専門店やプデチゲ専門店に数人で行くと、大きな鍋でぐつぐつ煮ながらみんなで食べることもあり。

<代表的メニュー>
キムチチゲ、テンジャンチゲ、スンドゥブチゲ、プデチゲ(部隊チゲ)など。
○グッ=昔から使われた韓国語でクンムル(スープ(具以外の))の短縮形。薬味程度に野菜や海藻などが入っているものが多く、日本でいうつゆ、お吸いものみたいなもの。味付けは醤油、塩、あるいは味噌、唐辛子味噌などあっさりしたスープが多い。鍋に一度にたくさん作り、1人ずつよそうスタイル。食堂で注文して食べられるものは少なく、だいたい定食用のサービススープとして出て来ることが多い。有名な酔い覚ましのへジャングッは、グッの中では珍しく単独メニューで注文できるスープ。
<代表的メニュー>
コンナムルグッ(豆もやしのスープ)、ミヨックッ(ワカメスープ)、テンジャングッ(味噌汁)など。
○タン=漢字で書くと「湯」となる漢字語。肉や骨を長時間煮出したスープをベースに、その中に肉や野菜など
の材料を入れて軽く煮て食べる、半透明、白濁スープものと、肉、野菜、魚などをたっぷり入れた辛いスープものがある。肉や骨を長時間煮た白濁スープものは1人分だけ作って1人分の器に盛るが、野菜や肉、魚などの材料がたくさん入った辛いスープものは、大きな鍋で煮てみんなで一緒に食べる場合が多い。
<代表的メニュー>
サムゲタン、ソルロンタン、コムタン、タットリタン、カムジャタン、ヘムルメウンタンなど
タンとチゲは食堂でも単品で売られていますが、グッは無料でついてくるような簡単なスープの場合が多いんですね。あともう1つ、チョンゴル(寄せ鍋)がありますが、これは鍋に材料を盛ってテーブルの上で煮ながら食べる即席鍋だと考えれば、大雑把に理解できるんではないでしょうか?(by ソウルナビ社長)
うぅぅぅ~ん、こんな感じで韓国グルメをちょっとだけ探ってみましたが、もちろん、この区分に当てはまらないものもたくさんあります。例えばカムジャタンやテンジャンチゲのようにタンとチゲ両方にまたがっているメニューがあったり、へジャングッのようにクッとタンの2パターンがあったり、韓国料理は奥が深~いわ~^^

チゲの種類いろいろ!

話しをチゲに戻して、さらに詳しく探ってみましょう!
単にチゲといってもいろんなメニューがありますよね。そこで、このチゲの代表的メニューを1つずつご紹介!

1. キムチチゲ
家庭でも食堂でもとってもポピュラーな鍋、「キムチチゲ」。作るのも簡単で、キムチをお漬物のようにご飯のお供に食べる韓国の食卓では余ったキムチの有効利用法としても1番手軽な料理。冷蔵庫の余った食材を入れバラエティにとんだ何でも鍋を楽しめ、かつ冷蔵庫も一挙に片付く一石二鳥鍋でもあり。だしを取るためにキムチの他に野菜や豚肉を入れたりしますが、チャムチ(ツナ)を入れたチャムチキムチチゲ、最近はコンチ(サンマ)を入れたコンチキムチチゲ、ポソッキムチチゲなどを楽しめるお店もあります。
「サムグン(三金)」
キムチ専門料理店のキムチチゲ。お味は酸味が強め。特徴としては、大きな豚肉がゴロゴロと入っていること。最近キムチチゲにコンチ(サンマ)が入ったコンチキムチチゲがメニューに追加され好評らしい。ちなみにコンチチゲは2人前から。
「クァンファムンチッ(光化門チッ)」
ビギナーの方には入るのにちょっと勇気がいるお店ですが、地元でも有名なキムチチゲの美味しい店。酸味が強い深漬けキムチとたっぷりの生モクサル(豚の首の部分の肉)が入った具だくさんキムチチゲ。
2. テンジャンチゲ
テンジャン(味噌)+チゲ(鍋)で韓国風味噌汁。石焼鍋などでぐつぐつ煮てから出てくるので、味が日本の味噌汁より濃厚で、特に肉が入っている場合は、どちらかというと豚汁に少し辛さが加わったような感じ。ダシは肉、あるいは貝で取り、野菜と豆腐を入れて煮立たせます。食堂には必ずと言っていいほど置いてある定番メニューで、食事として頼むと、ご飯とおかずがセットになった定食型で出てきます。また焼肉屋の定番のサービスメニューでもあり。お肉をある程度焼いたら、焼き網の一部にテンジャンチゲの小さな石鍋を乗せ、肉を焼く炭火で一緒に温めながら食べることも多い料理。ご飯を頼めば出てくるところもあれば、お肉を頼むとサービスでついてくる場合があり。ちなみに肉屋のテンジャンチゲはなぜか!?うまいです。
「ゴリラ」
韓国の中央日報の記者が始めた、モソリサル(豚の首の内側の肉)のとテンジャンチゲで有名なお店。テンジャンチゲはいろんな野菜が入っている具だくさんチゲ。ランチにはたっぷりのご飯といろんな野菜のナムルでビビンパッ(混ぜご飯)ができる。
「ソウルフェグァン」
ウロンテンジャンチゲといって、ウロンイ(タニシ)入りのテンジャンチゲで有名なお店。通りがかりに有名店だと書いてあったので入ってみるとヒット!丼飯は、おかずと混ぜてビビンバッにして食べれます。お店の名前と外観は普通の焼き肉屋さんぽいけど、中に入るとバーカウンターもあってカフェバーの雰囲気。ちなみに夜はバー。
3. スンドゥブチゲ
これは日本語でいうとおぼろ豆腐の辛いスープで、日本人にもとっても人気のあるメニュー。石鍋にぐつぐつしながら出てくる地元でも人気の昼ご飯メニューで、最近は有名なチェーン店もエリアごとに増殖しています。お店によっては豆腐や中に入る材料などが違っていて、やわらかいおぼろ豆腐を使っているところ、日本で言う絹ごし程度の豆腐を使っているところ、また、ご飯が別に石焼ごはんになっていたり、コンナムルビビンパッになっているところもあったりします。
あるいは海鮮、牡蠣、キムチ、豚肉、牛肉、餃子などなど中に入る材料によっていろんなスンドゥブを楽しめるお店があったり、ノーマルなスンドゥブだけを扱っているお店があったりします。ソウルのスンドゥブで有名なエリアというと、昔はスンドゥブの工場がたくさん集まっていた市庁付近の「プッチャンドン」でしたが、再開発のために現在そこに残っているのは「チョンウォンスンドゥブ」だけ。その他のお店は他の場所に移動したり、なくなってしまったりしたそう。でもその名残りで、今でもスンドゥブの有名店の名前によく「プッチャンドン」という名前がついていたりします。
「チョンウォンスンドゥブ」
昔のソウルのスンドゥブ通りに唯一残っている、創業33年の老舗スンドゥブ有名店。味はノーマルと牛肉と牡蠣の3種類とも濃厚スープ。現在、市庁と明洞に店舗があり、明洞には+キムチスンドゥブあり。
「プッチャンドンスンドゥブ」
あさりやエビなどの海鮮がたっぷり入っているので、見た目あっさりしてそうで実際食べるとダシが利いて味わい深い。豆腐もふわふわで、ソウルに増殖中の人気のチェーン店。
「ソゴンドントゥッペギ」
1962年から地元の人に親しまれているスンドゥブチェーン店。スープがとてもコッテリしていて、お盆におかずとスンドゥブとご飯がセットになって出てきます。
「カムチョン」
店構えからして年季を感じる清進洞のスンドゥブ専門店。スンドゥブにしては、7,000ウォンと値段が高めだけど、その分大き目の鍋に豆腐が一丁以上??入ってそうで食べ応えばっちり。味わい深いスープと豆腐と卵が絶妙なマッチング。
「ミョンドンスンドゥブ」※閉店
こちらは、スンドゥブのメニューが迷うほどたくさん。あっさり系だけど体に染み渡るような深い味わい。ご飯は石焼きご飯で出てくるので、最後におこげを楽しめる。卵はテーブルにセッティングしてあるので、食べ放題のよう。お昼時はかなり込んでます。
4. プデチゲ
プデチゲとは、プデ(部隊)+チゲ(鍋)のことで、軍隊の部隊から始まったチゲ。朝鮮戦争後の物資不足の時代に、米軍から流出したハムやソーセージなどで鍋を作ったことから、部隊の鍋、つまりプデチゲという名前がついたとか。キムチ、お餅、インスタントラーメン、春雨など、いろんな材料を一緒に煮て食べる、いわゆる何でも鍋で、値段もお手頃。名前の由来にもあるように、米軍基地の近くや学生街にプデチゲ専門店が集まっています。ちなみにプデチゲで有名なエリアというと、ウィジョンブ(議政府)が有名。お昼にご飯と一緒に食べてもいいし、夜は焼酎のお供にみんなでつついて食べるもよし!辛めのスープがご飯にもお酒にもぴったりのプテチゲ。
「ノルブプデチゲ」
全国に広がるレストランチェーン、ノルブチッのプデチゲ店。お店のインテリアも現代風のところが多く、味はダシの白濁スープが決め手。若いコたちに人気。
「シンチョンプデチゲ」
昔から有名なプデチゲ屋。新村と梨大と2店あり。ソーセージなどの追加メニューがあるけれど、もともとソーセージやスパムなどがたっぷりめ。味は見た目より辛くなくてあっさりめ。
いかがでしたか?ソウルの寒~い冬も暑~い夏も、いろんな野菜や肉、魚介類が入っているジモティの元気の源、"チゲ"!!今日ご紹介したメニュー以外にもた~くさんあるので、皆さんもいろいろトライしてみて下さいね^^以上、最近お家でも外でもチゲばかり食べてる、チゲ好きのソウルナビがお伝えしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2003-11-21

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