韓国のチヂミ(ジョン)いろいろ!

チヂミ?ジョン??ピンデトッ!?お好み焼きに似ていて似ていない韓国の粉もんチヂミ大集合!

こんにちは!ソウルナビです。日本でもよく知られている韓国料理というとキムチ、ビビンバ、プルコギ、冷麺などいろいろありますよね。チヂミもその中に入るのではないでしょうか!?小麦粉などの粉で作る生地をベースにいろんな具をトッピングして焼いたチヂミ。見た目や作り方が日本のお好み焼きに似ていることから、韓国風お好み焼きなんて言われることも。でも実際に食べてみると、もちろんお好み焼きとはかなり違うし、また現地韓国で見るとチヂミには思ったよりもいろんな種類があるって気が付く方も多いのでは?!今日は、そんなチヂミをちょっと詳しくご紹介しましょう!

チヂミって?ジョンって!??

日本ではチヂミと呼ばれているこの料理、韓国では「ジョン(煎)」や「ブッチンゲ」という呼び方が一般的。調べてみると、チヂミというのはもともと江原道(カンウォンド)の方言だそうで、南は釜山まで主に韓国の東側でそう呼ばれることも多いよう。ソウルではどちらかというとジョンというのが一般的。そしてこのチヂミ(ジョン)には、生地に使われる材料や一緒に焼かれる具によって様々な種類があります。ではまず、いろいろあるチヂミの種類をご紹介していきましょう。

<<<お好み焼きのような形のジョン>>>

日本のお好み焼きに見た目の近いジョン。日本でチヂミというと、こんなタイプを思い浮かべるのではないでしょうか。
■ヘムルパジョン

海鮮ねぎチヂミ。たっぷりのネギとシーフードを小麦粉ベースの生地で焼き固めます。日本から来る観光客に最も人気のチヂミで、現地でもスタンダードなジョンメニュー。サクッと焼き固められた表面に中はふんわりとした生地、ネギの風味とシーフードの食感が美味しいですよね!トッピングされている具の種類など、お店によってスタイルもさまざまです。
作り方
油を敷いたフライパンにネギを並べ、生地をかけます。

油を敷いたフライパンにネギを並べ、生地をかけます。

シーフードをトッピングして・・・

シーフードをトッピングして・・・

仕上げに卵を。返しながら焼いて、出来上がり!

仕上げに卵を。返しながら焼いて、出来上がり!


■キムチジョン

小麦粉ベースの生地に細かく切ったキムチとキムチの漬け汁を混ぜて焼いたチヂミ。生地がキムチのオレンジ色。簡単に作ることができ、家庭料理としてもよく登場します。ニラや細かく切ったイカを一緒に焼くことも~。
作り方
生地に細かく切ったキムチを加えて、

生地に細かく切ったキムチを加えて、

混ぜて

混ぜて

焼きます。

焼きます。


■プチュジョン

プチュとはニラ、ニラ入りのチヂミもよくあります。生地は普通、小麦粉ベース。ニラと一緒にエビや貝、イカなどシーフードも入っていることも。またすりつぶしたニラを生地に混ぜてしまって焼いたものもあります。鮮やかな緑色がキレイ。

■カムジャジョン

カムジャとはジャガイモのこと。小麦粉ベースの生地ではなく、すりおろしたジャガイモを焼いて作ったジョンです。カリッと焼かれた表面にもちっとした食感が特徴。ジャガイモの香りと甘みが感じられます。ジャガイモはすりおろしたらすぐに焼くのが色よく焼き上げるコツ。

■ピンデットッ

こちらは緑豆のチヂミ。ノットゥ(緑豆)ジョンと呼ばれることもあります。水でふやかした緑豆を挽いたものを生地とし、野菜やお肉、シーフードなどの具をトッピングしてたっぷりめの油で表面がカリッとなるまで焼き上げます。小麦粉ベースの生地よりも香ばしく、素朴な味わいが特徴。緑豆はビタミンA、B、Cなどを多く含み、疲労回復や美肌に良いほか、解熱、解毒作用、胃腸の働きの強化、頭痛緩和などの効果があるというヘルシーな食材!
ピンデットッのタレには切った青唐辛子や玉ネギがよく入っています。一緒にいただくとさっぱりしますョ。またオリクルジョッという牡蠣の辛い塩辛と一緒にいただくのも、ツウの食べ方。オリクルジョッはピンデットック専門店に時々あるので、試してみては?!
作り方
一晩ほど水に浸けてふやかした緑豆を

一晩ほど水に浸けてふやかした緑豆を

石臼などで挽いて

石臼などで挽いて

こんがりと焼き上げます!

こんがりと焼き上げます!

<<<ひとくちサイズの食材をそのまま焼くジョン>>>

一口大の野菜や魚介、肉などの食材に、小麦粉と卵の衣を薄く絡ませて焼いた料理もジョンと呼ばれます。素材の旨みを衣の中にぎゅっと詰め込んだかんじ!?旧正月や秋夕といった名節や、法事の料理として必ず登場するジョン。野菜、魚、キノコ、豆腐、肉、練り物、ミンチのお肉を野菜に詰めたものなどなど、いろーんな種類があります。お店で注文するときはモドゥム(盛り合わせ)になっていることが多いので、いろんな味を試したい時にはオススメ。
ではこの一口サイズのジョン、どんなのがあるのか、くわしくチェック、チェーック!!
<b>クルジョン</b><BR>牡蠣のジョン。一粒の牡蠣をそのまま焼いたり、小さいものはかき揚げのようにいくつか衣でまとめて焼いたりします。 <b>クルジョン</b><BR>牡蠣のジョン。一粒の牡蠣をそのまま焼いたり、小さいものはかき揚げのようにいくつか衣でまとめて焼いたりします。

クルジョン
牡蠣のジョン。一粒の牡蠣をそのまま焼いたり、小さいものはかき揚げのようにいくつか衣でまとめて焼いたりします。

<b>コチュジョン</b><BR>青唐辛子のジョン。細い青唐辛子の中に、ひき肉や細かく切った野菜などが詰められています。種は取ってあり油で焼かれているので、たいていのものはそんなに辛くありません。 <b>コチュジョン</b><BR>青唐辛子のジョン。細い青唐辛子の中に、ひき肉や細かく切った野菜などが詰められています。種は取ってあり油で焼かれているので、たいていのものはそんなに辛くありません。

コチュジョン
青唐辛子のジョン。細い青唐辛子の中に、ひき肉や細かく切った野菜などが詰められています。種は取ってあり油で焼かれているので、たいていのものはそんなに辛くありません。

<b>ケニップジョン</b><BR>
エゴマの葉でひき肉を包んで焼いたジョン。

ケニップジョン
エゴマの葉でひき肉を包んで焼いたジョン。

<b>ポソッジョン</b><BR>
キノコのジョン。シイタケはこちらも傘の部分が肉詰めになっています。

ポソッジョン
キノコのジョン。シイタケはこちらも傘の部分が肉詰めになっています。

<b>トゥブジョン</b><BR>
豆腐のジョン。素朴な味わい。

トゥブジョン
豆腐のジョン。素朴な味わい。

<b>セソンイジョン</b><BR>
セソンイ(エリンギ)やペンイポソッ(エノキ)などのキノコがジョンになることも~。

セソンイジョン
セソンイ(エリンギ)やペンイポソッ(エノキ)などのキノコがジョンになることも~。

<b>コチジョン</b><BR>
カニカマと細く切った野菜やハムを串刺し(コチ)にして焼いたジョン。

コチジョン
カニカマと細く切った野菜やハムを串刺し(コチ)にして焼いたジョン。

<b>センソンジョン</b><BR>
魚の切り身のジョン。センテ(タラ)などがよく使われます。

センソンジョン
魚の切り身のジョン。センテ(タラ)などがよく使われます。

<b>ホバッジョン</b><BR>
エホバクとよばれるかぼちゃの一種を輪切りにして焼いたジョン。

ホバッジョン
エホバクとよばれるかぼちゃの一種を輪切りにして焼いたジョン。

<b>トングランテン</b><BR>こちらはひき肉を平たい団子にして焼いたもの。コギワンジャ(肉団子)と呼ばれることも。 <b>トングランテン</b><BR>こちらはひき肉を平たい団子にして焼いたもの。コギワンジャ(肉団子)と呼ばれることも。

トングランテン
こちらはひき肉を平たい団子にして焼いたもの。コギワンジャ(肉団子)と呼ばれることも。

<b>コギジョン</b><BR>小さく薄く切った豚肉や牛肉に小麦粉と卵の衣をつけて焼いたジョン。北朝鮮地方の郷土料理で、韓国ではそんなに見かけませんが、以北式料理専門店などで食べられます。 <b>コギジョン</b><BR>小さく薄く切った豚肉や牛肉に小麦粉と卵の衣をつけて焼いたジョン。北朝鮮地方の郷土料理で、韓国ではそんなに見かけませんが、以北式料理専門店などで食べられます。

コギジョン
小さく薄く切った豚肉や牛肉に小麦粉と卵の衣をつけて焼いたジョン。北朝鮮地方の郷土料理で、韓国ではそんなに見かけませんが、以北式料理専門店などで食べられます。

<<<他にもこんなジョンが!?>>>

よく見られる一般的なジョンをざっとご紹介しましたが、他にもちょっと変わった生地や具の材料を使うこんなジョンもあります。
<b>トットリジョン</b><BR>トットリ=どんぐりの粉をベースの生地に使ったチヂミ。どんぐりの粉はデンプン質が豊富なうえ栄養バランスが良いそうで、生地がモチモチしているとか。こちらはネギと海鮮の具でヘムルパジョンになっています。 <b>トットリジョン</b><BR>トットリ=どんぐりの粉をベースの生地に使ったチヂミ。どんぐりの粉はデンプン質が豊富なうえ栄養バランスが良いそうで、生地がモチモチしているとか。こちらはネギと海鮮の具でヘムルパジョンになっています。

トットリジョン
トットリ=どんぐりの粉をベースの生地に使ったチヂミ。どんぐりの粉はデンプン質が豊富なうえ栄養バランスが良いそうで、生地がモチモチしているとか。こちらはネギと海鮮の具でヘムルパジョンになっています。

<b>コンジョン</b><BR>コン=大豆の粉をベースの生地に使ったチヂミ。豆でできているためにちょっとしっとりした食感が小麦粉ベースのジョンと違うところ。香ばしい匂いが特徴的。 <b>コンジョン</b><BR>コン=大豆の粉をベースの生地に使ったチヂミ。豆でできているためにちょっとしっとりした食感が小麦粉ベースのジョンと違うところ。香ばしい匂いが特徴的。

コンジョン
コン=大豆の粉をベースの生地に使ったチヂミ。豆でできているためにちょっとしっとりした食感が小麦粉ベースのジョンと違うところ。香ばしい匂いが特徴的。

<b>メミルジョン</b><BR>
メミル=ソバの粉のジョン。ソバの色。外はカリッ、中はもちっ。

メミルジョン
メミル=ソバの粉のジョン。ソバの色。外はカリッ、中はもちっ。

<b>クォンジョン</b><BR>
クォン=キジ肉入りのジョン。キジ料理専門店でいただけます。

クォンジョン
クォン=キジ肉入りのジョン。キジ料理専門店でいただけます。


パンチャンのジョン
また、食堂などでメインの料理以外に出てくるパンチャン(付け合せのおかず)にも、ジョンはよく登場。

韓定食のジョン
様々な韓国伝統料理が少しずつたくさんいただける韓定食。コースの中にジョンが出てくることも。高級な宮廷料理のコースに出てくるジョンは、ステキな飾り付のされたものもあります。

チヂミあれこれ

雨の降る日にはチヂミ!?
韓国では昔から、雨の降る日に食べたくなるという料理の代表がチヂミ。雨の日には、パジョンやピンデトッの専門店の前に行列ができることもしばしば。ではなぜ雨の日にチヂミが食べたくなるのか?!聞くところによると、いろんな説があるんですが、まずチヂミを焼くときの油がパチパチと弾く音と、雨粒が地面に落ちた時の音が似ているからという説。音との相互関係が雨とチヂミを結び付けているということですね。そして他にも、じめっとして気分が憂鬱になりやすい雨の日には、アツアツの料理を体が欲するという説も。たっぷりの油で焼き上げたパジョンやピンデトッはその条件にピッタリなボリューム満点料理というワケ。また、昔は雨が降ると買い物に行くのが面倒なので、家にある食材を使って小麦粉などで焼いたという話もきいたことがあります。

チヂミにはマッコリなどの伝統酒!
ジョンやピンデットッなどチヂミによく合うと言われるお酒といえば、マッコリやトンドン酒といった韓国伝統の濁り酒。マッコリの爽やかな酸味とシュワシュワとした清涼感は、確かに油をたっぷり使って焼いたチヂミと合わせるとぴったり。雨の降る日に、雨音を聞きながら熱々のチヂミをつまみにマッコリで一杯やれば、アナタもすっかり韓国人!?

チヂミの食べ方
チヂミはやっぱりアツアツの状態でいただくのがいちばんおいしく食べるポイント!そして醤油ベースのタレに付けていただきます。多くのお店では、その醤油ベースのタレにぶつ切りの玉ねぎや青唐辛子、ゴマなどが浮かんでいます。玉ねぎ、青唐辛子は一緒にいただくと油っぽさを緩和してくれますョ。家で作る場合は醤油にごま油、すりニンニクや唐辛子の粉、ゴマ、玉ねぎ、細かく刻んだ青唐辛子などをお好みで調合していただきましょう。

ブッチムカルで楽々クッキング!
お家でチヂミを作るなら、チヂミの粉=ブッチムカルを使うと簡単に美味しくできます。スーパーならどこでも売っているので、旅行中にチェックしてみてくださいネ!
いかがでしたか?ホントにいろんな種類のある「チヂミ(ジョン)」。気になるチヂミはありましたか?韓国グルメでは人気&定番のチヂミですが、まだ試したことのないチヂミにもぜひ挑戦してみてくださいね!以上、ソウルナビでした。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2012-06-27

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