今回はソウルを抜け出して、遠征に出たベアーズを追って大邱まで行ってきました!

今回はソウルを抜け出して、遠征に出たベアーズを追って大邱まで行ってきました!

月に一度のペースで韓国へ出張している私ですが、仕事の都合上、基本的にソウルと京畿道から出る機会は少なく、あったとしても、釜山まで。ところが、今回の出張は、土日を挟んだ上に、その週末は、我らが斗山ベアーズは大邱へ遠征。これは追っかけていくしかない!というわけで、チョー・ヨンピルの昔のヒット曲『旅に出よう(여행을 떠나요)』を口ずさみながら南へ下って行ったのでありました。

大邱までどうやって行こうかな?KTXで行くと少し高いけど早い(1時間50分)、高速バスなら安いけど時間はかかる(3時間40分)。土曜日の試合開始は午後5時。翌日曜日は、都合があって午後にはソウルへ戻る必要があったので、行きは高速バス、帰りはKTXで行くことにしました。宿も大邱に着いてから探さなければならないので、朝7時半過ぎにソウル蚕室野球場の近くの宿舎を出て、地下鉄2号線に乗り、東部バスターミナルへ向かいました。

バスターミナルは7080(=70~80年代=日本でいう昭和)の香り


カンビョン駅に隣接する東部バスターミナルは、昭和の香りが漂う建物で、地方へ向かうバスのチケット売り場と乗り場は2階にあります。電光掲示板を見ながら、『8時半、優等バス(一般バスよりシートが広い分、ちょっと高い)、大邱行き1枚!』とクレジットカードを窓口で差し出しました。ところが『すいません、海外のカードは使えないんです』と言われてしまい、仕方なく25,400ウォンを現金決済。最近は、何でもカード決済の韓国ですが、ときどき海外カードが使えないこともあるので要注意です。

そんなこんなで、バスに揺られること3時間40分。国鉄東大邱駅横にあるバスターミナルに到着しました。実は大邱に来るのは18年ぶり。駅周辺が大工事中で、かつての面影は全く感じられず、まさに異国に降り立った感じがしました。

東大邱駅周辺は旅館とモーテルがいっぱい


嫁はんから『ビンボー学生でもないんやし、40才を超えたんやから、ちょっとはまともなホテルに泊まりや』と言われていたので、観光ホテルがあればいいなと思いつつ、駅の周りを2周半。ラブホテイストが濃いモーテルと安っぽい旅館ばかり。諦めかけていた時に、やっと見つけたのが『イン ザ ホテル』という看板。モーテルではなく、ホテルと表記されていて、下には『NCダイノス選手団を歓迎します』とも書いてあるところをみると、プロ野球チームが宿舎でも使うくらいだから、まともなホテルに違いない!ということで、入ってみましたが、やっぱりラブホっぽかった(笑)。でも、これ以上探すのも面倒なので宿はここに決め、東大邱駅で翌朝のKTXの乗車券を買って、野球場へ向かうことにしました。

ピカピカの新球場 大邱三星ライオンズパーク


以前、三星ライオンズの本拠地球場が『親会社が大財閥で、チームも強いのに、球場がボロい!』とソウルナビでも酷評したことがありましたが、あれから約10年。ようやく立派なスタジアムがオープンしました。場所は、緑の森に囲まれた地下鉄2号線の大公園駅を降りてすぐ。地下鉄のエスカレーターを上がれば、目の前が球場とアクセスも最高。『緑の森に 今、沸き上がる~♪』と西武ライオンズの応援歌を歌いそうになります。球場の形は韓国初の八角形。外野フェンスは左右からセンターへ向けて一直線なので、東京ドームのようにホームランが出やすい造りになっています。

売店は、スイーツ、チキン、ピザ、ホットドッグ、トッポッキ、海苔巻とひと通り揃っていて、小綺麗でオシャレな雰囲気が漂います。以前は、試合が荒れてくると、フィールドに向かってカップラーメンや焼酎の瓶が乱れ飛んだ大邱のライオンズ戦でしたが、そんな光景が似合わない、家族で楽しめるアメリカ風のボールパークです。トイレもピカピカ、座席もピカピカ、内外野には美しい天然芝が広がります。外野席後方には、小さなステージがあり、試合前にはミニコンサートが開かれていて、その隣では子供たちがキャッチボールを楽しんでいました。

プレイボール!普段、ホームランを打たない選手も・・・


この日は、子供が生まれてからは、ほとんど使っていなかったスコアブックを持ち込み、名物の砂ずりの唐揚げをつまみつつ、グレープフルーツビールを飲みながらの観戦。スタンドを見渡すと、ソウルから乗り込んできたベアーズファンがわんさか。SNSで知り合った常連さんと挨拶を交わして、午後5時、試合が始まりました。

ここまでベアーズは、貯金18で1位。対するライオンズは、借金7で6位。対戦成績はベアーズの3勝2敗。ライオンズは、せっかく新居に引っ越ししたのに、昨年のペナントレース1位の面影はなく、元気がありません。ベアーズはチャン・ウォンジュン投手、ライオンズはチャ・ウチャン投手の両左腕の先発。三塁のライオンズ側スタンドに沈みゆく夕日が一塁側のスタンドをじりじりと焦がします。

初回にパク・コンウ選手のタイムリー2塁打で1点を先制したベアーズは、3回に打者1巡の猛攻で5点を追加します。その口火を切ったのが、この日はトップバッターに入ったホ・ギョンミン選手。左中間スタンドに突き刺さるホームランでしたが、左中間の膨らみがない球場の特性がホームランを生み出しました。ホームランバッターでなくともホームランが打てるという意味で、この球場は打撃戦を呼ぶ球場だとみて間違いないでしょう。
その後、3回裏にライオンズも、国民打者イ・スンヨプ選手がライトスタンドの奥まで運ぶソロホームランで1点を返します。さすがは『ライオンキング』、球場の造りは全く関係のない素晴らしい打球でした。6対1でベアーズがリードしたまま、試合は9回まで淡々と進んでいきます。ベアーズは7回途中からチョン・ジェフン投手、9回からイ・ヒョンスン投手と、必勝リレーで投手を繋ぎ、1塁側スタンドのベアーズファン達が『さぁ、食事はどこへ行って何を食べよう』と考え始めた9回裏。3本の長短打、1死球、1失策が絡んで4点を失い、得点差は1点となります。それでも、最後は何とか最後の打者を三振に打ち取って、6対5でベアーズの勝利!
冷や冷やしたものの、何とかライオンズに勝利し、試合後は大邱名物のホルモン料理を食べて焼酎で祝杯を上げました。翌朝はKTXでソウルへ戻りました。楽しい小旅行となりました。


<ソウルから大邱三星ライオンズパークへの行き方&球場ガイド>

ソウルから大邱へは、主に高速バスかKTXを使います。どちらも東大邱駅で降ります。
東大邱駅からはバス(市内バス937番)か地下鉄(1号線東大邱駅乗車、半月堂駅で2号線に乗り換え、大公園駅下車)を利用します。東大邱駅から地下鉄のルートは、遠回りになるのですが、慣れない町でバスはハードルが高いので、自信がなければ地下鉄が良いでしょう。街歩きが好きで、宿を東大邱駅の南側に取った方であれば、そのまま大通りを南に下って、2号線の泛魚(범어)駅まで歩いて行ってもよいでしょう。東大邱駅周辺から球場までの所要時間は約40分~1時間(宿の場所による)。

球場はライオンズが3塁側、ビジターチームは1塁側ですが、普段はビジターチームの応援団が派遣されてこないので、1塁側にもライオンズファンが多く居ます。
チケットはVIP席40,000ウォン~外野立席5,000ウォンまで多種多様。日本から前売り券を購入するのは難しいですが、24,000席あるので、シーズン中の通常の試合であれば、まず売り切れることはないでしょう。
飲食物は1階席と2階席の間のコンコースを中心に販売されています。
ライオンズグッズはレフトスタンド裏にライオンズチームストアがあります。まだ品数は多くありませんが、ライオンズの親会社が持つアパレルブランド『ビーンポール』が展開している衣料品が充実しています(値段は少し高めです)。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2016-08-17

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