しばさきのキムチとバット~日韓野球考・第26回「がんばれベアーズ2010(育児編その2)」

ワールドカップが終わったら、子供を連れて野球場へ行こう!

ゴールデンウィークに何をしようか?カレンダーとにらめっこをしながら考えた。遊園地に行こうか、美味しいものを食べに行こうか、買い物にも行きたい、親父としては野球場にも行きたい・・・一気に解決する妙案はないか・・・ソウルに行くしかない!子供を寝かしつけつつ、妻と話をしながら、そんな結論を導き出したのは、3月の半ばだった。ロッテワールド、ヤンニョムチキン、ロッテマート、斗山ベアーズ・・・。ソウルに行けば、ソンパ区蚕室に行けば、夢のようなゴールデンウィークが待っている!

 こうして、ゴールデンウィークはソウルで過ごすことが決まった。航空券を予約し、あとは、ホテルをどこにするか、ソウルナビを見ながら検討することになった。昨年に比べると息子は大きくなったとはいえ、まだ満1歳と9ヶ月である。旅行中でも適度に遊ばせる時間や休憩も必要だ。夫婦二人の旅行とは違って、無茶はできない。ホテルから空港、スーパーマーケットからホテルといったような、大きな荷物を持っての移動の際は、出来るだけ距離が短い方が良い。蚕室のロッテホテルに泊まってしまえば、空港からのリムジンバスの停留所も、遊園地『ロッテワールド』、ロッテ百貨店、ロッテマートも同じ敷地内である。そんな理由でホテルはロッテホテルワールドと決めた。航空券とホテルが決まれば、後は『行け行けゴーゴー』である。

4/29(木)
時差がないソウルを目一杯楽しむには、午前便が一番である。家を出発するのは早朝であるが、幸い、息子は日が昇れば起きだすような健康優良児である。着替えを済ませて、車に乗り込んで関西国際空港を目指す。午前6時。少し空気は冷たいが天気は良い。7時過ぎに空港に到着。少々混んではいたが、ベビーカーを押していると、優先的にチェックインをしてもらえた。息子を連れての外出は大変なことも多いが、時々、得もする。ソウルの天気予報を見ると、例年より寒そうなので、冬服もパッキングしたせいか、行きの時点でトランクは少し重め。帰りは、どうなることやら・・・。
インチョン空港に到着!

インチョン空港に到着!

カート置き場で遊ぶ息子

カート置き場で遊ぶ息子


飛行機に乗り込む際に、韓国語のスポーツ新聞を貰って席に着いたからか、客室乗務員から韓国語で話しかけられる。息子には斗山ベアーズのユニフォームも着せているし、日本人だと思われていないのか!?(笑)。税関申告書を貰ったり、息子用の機内食(ベビーフード)を貰ったりするのも韓国語。そんなこんな、しているうちに、飛行機は半島へ向かって進む。息子は、母親に抱かれながらスヤスヤ。ぐずらないのは良いけれど、妻はちょっと機内食が食べにくい。息子はインチョン空港到着までそのまま寝息を立て続けていた。インチョン空港に到着。哨戒船沈没事件の慰霊のために、空港には太極旗のモニュメントが置かれていたり、空港職員が喪章を付けていたりした(この日は軍主催の慰霊祭が行われ、テレビで中継されていた)。空港はいつもと少し雰囲気が違うが、これから始まる楽しいソウル旅行に一家3人、胸を躍らせていた。

KALリムジンバスでホテルに到着。時刻は午後1時半を少し過ぎていた。チェックインをするときに、『小さいお子様がいらっしゃるのであれば、部屋に加湿器を設置させましょう。ベビーベッドは16ヶ月までのお子さんが対象ですが、ご希望であれば、準備させましょう。ノートパソコンは後ほどお持ちしましょう。インターネット接続料金はかかりますが、パソコンのレンタルは無料です』と何かと親切にしてもらえた。さすが一流ホテルである。
ロッテホテルの室内

ロッテホテルの室内


簡単に荷物を解いて、さぁ、いよいよソウルを満喫にかかる時間である。ロッテホテルはミョンドン(明洞)と蚕室の間でシャトルバスを運行している。経由地はイテウォン(梨泰院)である。この日はベアーズもテジョンに遠征していて、球場に行く予定もないので、まずは、このバスを利用してイテウォンに行くことにした。我が息子はバスの振動と午後の太陽の暖かさでスヤスヤ。機内食を食べ損ねた妻は空腹で少しイライラ。約30分でイテウォンに到着し、まずは何か軽食を食べに行った。カフェに入って、メロンパン(みたいなもの)とコグマラテ(サツマイモラテ)を頂く。この日のソウルは、4月末の割には肌寒かったので、ほっと一息。息子は少々、退屈気味だが、ミニカーを握らせて落ち着かせ、イテウォンでのショッピングを開始。イテウォンの面白さは、狭い店に大量に並ぶ米国4大プロスポーツのグッズを漁るところにあるのだが、ベビーカーでのショッピングにはあまり向いていないのは確かである。通りを簡単に往復して終了。でも、半地下のTシャツ店でOBベアーズTシャツ(1万8千ウォン)をゲット!まずは1点先取というところである。
斗山ベアーズの前身OBベアーズのTシャツ

斗山ベアーズの前身OBベアーズのTシャツ

明洞で息子と一緒に

明洞で息子と一緒に

続いて、タクシーでミョンドンへ移動し、メガネを作ることにした。以前、妻が行ったことがあるというチョ・ソンミン眼鏡店。妻はコンタクトを外した時用のメガネ、私は部屋でのくつろぎ用メガネと野外用メガネ(野球観戦用に度は少し強め)をオーダー。日本語が通じ過ぎるので、気を抜くと梅田の地下街かと錯覚しそうになる。粗品に海苔をたくさん頂く。帰りに、『どこぞで旨いもんでも食うて・・・』とも思ったが、初日から飛ばし過ぎて、後半に一家揃って倒れても仕方ないので、キムパプ(海苔巻き)とヤンニョムチキンを買って、ホテルに帰った。
4/30(金)
私たち夫婦は、ウチの息子のことを、影でこっそり『農民くん』と呼んでいる。なぜかというと、体調を崩していない限り、天気の良い日は、日の出と共に起きてきて元気一杯動き始めるからである。この日も6時前には起き出して、ママのベッドに登って遊び始めた。窓の外はソウル特有の青い空。息子に合わせて早く起きられないパパとママはベッドの上で、まどろむ。テレビは音だけ聞いている状態。8時半頃、何とか体のエンジンをかけて、朝食を食べにホテルを出る。目指すはダンキンドーナツ。蚕室駅の地下街は通勤通学の人で一杯。そんな中、息子をベビーカーに乗せてダンキンドーナツに向かうが、階段登り遊びをしたい息子は何度もベビーカー脱出を試みる。根負けして、『放し飼い』にしてやると階段を登って喜ぶ。ある程度、遊ばせて、もう一度、ダンキンドーナツへ向かうが、遊び足りない息子は手足をバタバタさせる。無理やり抱きかかえて何とか開店直後のダンキンドーナツへ入る。ドーナツ、マフィン、コーヒー、オレンジジュースをオーダーする。店内にはKポップが流れる。他に客は居ない。息子はオレンジジュースを飲んで少し落ち着く。妻と一日のスケジュールを確認。まずは、Sporting21の新しい事務所に挨拶に行って、午後は東大門の斗山タワーでショッピング。夕方からは蚕室野球場で斗山ベアーズ対ネクセン・ヒーローズ戦を観戦というスケジュールである。ダンキンドーナツから一度、ホテルに帰って、パッカスD(韓国版リポビタンD)を飲んで出発した。
Sporting21のファン・ヨンソンさんとキム・テギュン選手(現・千葉ロッテマリーンズ)実使用帽子の前で記念撮影

Sporting21のファン・ヨンソンさんとキム・テギュン選手(現・千葉ロッテマリーンズ)実使用帽子の前で記念撮影

地下鉄のエレベーター

地下鉄のエレベーター

地下鉄に乗る息子

地下鉄に乗る息子


Sporting21の新しい事務所は、地下鉄3号線シンサ(新沙)駅から徒歩で行けるというので、地下鉄で向かう。地下鉄の改札はベビーカーや車椅子でも入りやすい構造の物が設置されていた。Tマネーをかざして、ベビーカーを押して構内に入る。今回の旅では、基本的に市内の移動は地下鉄を利用した。正確に言うと、思ったよりも使えたから地下鉄を利用した。地下鉄の駅は、以前に比べてエレベーターの数が増えたので、いちいちベビーカーを畳まなければならないタクシーよりも割安な上に、渋滞にも巻き込まれずに済んだ。もっとも、駅の改札から地上へ向かう際には、エレベーターがない駅も多いので、最後は子供とベビーカーを抱えて上がる場合も多いのだが、そのくらいは父親として頑張らねばならない。話を戻そう。シンサ駅の7番出口から、地図の通りに中国東方航空の事務所を左折して進む。しばらく歩いて、ようやくビルが見つかる。以前の事務所のように1階ではないので、ちょっと見つけるのが難しくなったが、新しい事務所は以前より広々としていた。以前から何度かメールをやり取りしていた、ファン・ヨンソンさんが出迎えてくれた。日本の野球も好きで、東北楽天イーグルスのファンだというファンさんと日韓の野球の話で盛り上がる。今季からデザインが新しくなった斗山ベアーズの帽子は、まだサンプルしか出来ていないとのことで購入できなかったが、私にはベアーズのOBベアーズ時代のデザインを模したオールドキャップ、息子にKBL(韓国プロバスケットボールリーグ)の熊のぬいぐるみをプレゼントしてもらった。
野球は斗山ベアーズ!買い物は斗山タワー!(その昔、阪急電車の広告に『買い物は阪急、野球も阪急』と書いてあった)

野球は斗山ベアーズ!買い物は斗山タワー!(その昔、阪急電車の広告に『買い物は阪急、野球も阪急』と書いてあった)

息子の服を熱心に品定め

息子の服を熱心に品定め

斗山タワー前を散歩する息子

斗山タワー前を散歩する息子

再び地下鉄に乗って東大門に向かう。地下鉄の東大門運動場駅の名前が、いつの間にやら東大門歴史公園駅になっていたのに驚きつつ(個人的には東急東横線の都立大学駅が都立大学の移転後にも駅名を変えていないように、運動場駅の駅名が残って欲しかったけど)、駅から直結のグッドモーニングシティで昼食を取る。グッドモーニングシティは、まだテナントのラインナップが寂しく、子供服売り場もそんなに大きくなかったので、我が家の公式子供服サプライヤーとなりつつあるドゥータ(斗山タワー)に移動、6階の子供服売り場に直行した。ここの子供服はラインナップが幅広く、縫製もしっかりしている。そのうえ(これが重要)、値段が手ごろな割には、物が良いのだ。同じものがソウル市内のデパートで1.5倍近い値段で売られていることもあったりして、本当に子育て家庭には嬉しい。Tシャツ、ポロシャツ、パジャマ・・・次々とクレジットカードの決済サインをしてしまう。しかしながら、我が息子は、まだ自分のものを買ってもらっていることがわかる年齢でもないので、ショッピングに退屈してくる。不機嫌な息子を抱きかかえつつも、『一階のインフォメーションにレシートを持っていった外国人には海苔プレゼント』というサービスがあったので、海苔をしっかりと頂き、外に出た。ドゥータからミリオレ、グッドモーニングシティの前まで息子を歩かせる。息子は楽しそうだが、いつまでも遊ばせているわけにも行かず、3時過ぎに嫌がる息子を抱きかかえて、再び地下鉄に乗る。2号線に乗って、蚕室のホテルに戻り、荷物を置いて、野球に行く前に少し休憩することにした。
ホテルのベッドで親子揃って少し昼寝をした後、息子にバナナ牛乳を与え、オムツを換え、親子でユニフォームに着替え、いよいよ本日のメインイベントであるナイター観戦に出発である。
総合運動駅のエレベーター

総合運動駅のエレベーター

蚕室駅から総合運動場駅までは2駅。球場には午後5時半には到着できそうである。総合運動場駅に到着すると、構内は改修工事が終わったこともあって明るく見えた。今季から新しくなった斗山ベアーズのロゴやマスコットが柱に描かれていたり、ベアーズの主力選手の大きな写真が貼られた写真撮影スポットが出来ていたり、『野球の駅』らしくなっていた。以前の駅は薄暗く、2号線のほかの駅に比べると乗降客も少なく、プロ野球人気が低迷していた時期は、試合のある日でも不気味な静けさを感じる駅だったのだが、女性でもナイター帰りに安心して歩けそうな雰囲気の駅となった。エレベーターが設置されたのも、ベビーカーを押す親としてはありがたい。
地下鉄総合運動場駅構内

地下鉄総合運動場駅構内

総合運動場駅には写真撮影コーナーがある

総合運動場駅には写真撮影コーナーがある

写真撮影コーナーでキム・ドンジュ選手、キム・ヒョンス選手、イ・ジョンウク選手と写真が撮れる

写真撮影コーナーでキム・ドンジュ選手、キム・ヒョンス選手、イ・ジョンウク選手と写真が撮れる

蚕室野球場に到着。ベビーカーに息子を乗せて入場口へ向かう

蚕室野球場に到着。ベビーカーに息子を乗せて入場口へ向かう

ネクセン・ヒーローズの前身である現代ユニコーンズの応援風船棒がいまだに売られていた

ネクセン・ヒーローズの前身である現代ユニコーンズの応援風船棒がいまだに売られていた

ベアーズ広報のチョ・ソンイル次長にチケットをもらう

ベアーズ広報のチョ・ソンイル次長にチケットをもらう

グッズを品定め中

グッズを品定め中

2010年ベアーズファンブックと観戦ガイド

2010年ベアーズファンブックと観戦ガイド

新しくなったベアーズのマスコット(鉄熊くん)ちょっと強面

新しくなったベアーズのマスコット(鉄熊くん)ちょっと強面

球場に到着し、いつものように斗山ベアーズの広報担当のチョ・ソンイル次長に電話をし、球場中央口に向かう。今回もチョ次長は優しく迎えてくれた。かつて大統領も乗ったというエレベーターでVIP席に案内してもらう。このVIP席は一席5万ウォン。数年前までは、プロ野球の観客数が少なかったので、罪悪感(?)をあまり感じずに入場していたのだが、この2、3年は、観客数が伸びているので、良い席を無理して確保してもらっている感が以前よりも強まっている。日本から持っていった手土産では不足しているように感じられたが、ひたすら『カムサハムニダ』と言う以外にない。その上、『新しいユニフォームを買うんですよね?売店に行きましょう』と、プロ用ユニフォームを売る売店『We Fan』へ連れて行ってもらった。息子と私のパーカー、私のユニフォーム、ステッカーを購入。チョ次長の交渉で大幅にディスカウントして頂いた。『シバザキさん、自分と息子のものだけ買って、奥さんのものは買わないんですか?』と突っ込まれてしまった。その後、チョ次長は仕事場である記者席、私たちは座席に戻ったのだが、試合開始直前に、チョ次長は妻にプレゼントとして女性用のピンクの帽子を持ってきて下さった。もう、ひたすら『カムサハムニダ』と言う以外になかった。
うどんやトッポッキの食券売り場。隣の調理場で商品と引き換える

うどんやトッポッキの食券売り場。隣の調理場で商品と引き換える

うどんとトッポッキ

うどんとトッポッキ

コーヒーショップにはスターバックスのようにカタカナの長い名前の商品が充実

コーヒーショップにはスターバックスのようにカタカナの長い名前の商品が充実

この日のソウルの最高気温は15度。ナイターが始まる頃は、さらに気温が下がり、体感気温は10度くらいだったと思う。球場に着いてから、しばらくすると息子が寝てくれていたので、パパとママは、息子が起きているとのんびり食べられないフライドチキンやトッポッキを、喜んで買ってきた。一緒に買ってきたホットカフェラテ、ホットココアの温かさも嬉しい。客席は、一塁側(ベアーズ応援席)は、7~8分の入り、3塁側のネクセン・ヒーローズ側は少し寂しいものの、5、6年前に比べれば、客足はかなり良い部類である(発表された観客数は10,607人。人気のないヒーローズを迎えた、凍える寒さの金曜日としてはまずまずだと思う。)。

愛国歌を歌って、18時半、いよいよ試合開始である。ベアーズがヒメネス、ヒーローズがバーンサイド(元・読売)という外国人投手が先発した試合は、一回からベアーズ打線が爆発。先頭バッターのコ・ヨンミン選手、二番のイム・ジェチョル選手の連続四球のあと、イ・ソンヨル選手がタイムリーヒットで先制するなどして3点。応援席から大歓声が上がる。その後も、寒さで震えるベアーズファンに配慮したのか、打線は爆発を続けた。楽な試合展開に、パパとママはゆっくり、トッポッキとフライドチキンを・・・と、そうは問屋が卸さない。2回にも1点を追加した時の大歓声に、息子は起きてしまった。晩御飯も食べていない状態で、長く寝ることはないとは思っていたが、予想よりも早かった。チキンとトッポッキはまだたくさん残っているが、息子にも食べられるものを仕入れに売店に向かう。
凍える寒さの金曜日だったが熱心なベアーズファンが大勢詰め掛けた

凍える寒さの金曜日だったが熱心なベアーズファンが大勢詰め掛けた

早速、ベアーズバーカーを着込む

早速、ベアーズバーカーを着込む

この日は毎回得点と爆発したベアーズ打線

この日は毎回得点と爆発したベアーズ打線

観客席をウロウロする息子

観客席をウロウロする息子

最近、蚕室野球場は売店も充実してきた。以前からあるバーガーキング、ケンタッキーフライドチキンの他にも色々な食べ物が選べるようになった。その中で、寒い日向けのメニューで辛くないものとして、うどんとホドグヮジャ(くるみ饅頭)をチョイス。うどんは関西風のだしに刻みきつねが載っているもので、息子も良く食べた。セルフサービスで、小さな取り皿(通常はキムチや沢庵を入れるもの)と割り箸を貰えるので、麺を冷ますのにも役に立った。食券を買ってから引き換えるので、韓国語が全く出来ない人は少し戸惑うかもしれないが、他のお客さんの様子を見ながらトライして欲しい。うどんは、日本語の発音と近いので、『うどん!』と言えば、ちゃんとうどんが出てくる。ホドグヮジャは中にこしあんが入っているのだが、和菓子好きの息子にとってありがたいデザートであった。

 ベアーズが怒涛の攻撃を続ける間、息子はジャンパーの上からユニフォームを着て、記者席とVIP席の間の通路をうろうろ。それをパパとママが追いかける。最近は、韓国でも子供を連れて野球観戦に来る人も増えたが、満2歳にもならない子供がユニフォームを着ているのは珍しいらしく、様々な人から『イップダ~(可愛いね)!』と声をかけられる。通路を行ったり来たりしながら、女の子二人組の席を後ろから覗き込む息子。女性客は何人も居るのに、この二人組の席にだけ頻繁にちょっかいをかけに行っている。息子には小さいながらも『好み』ってものがあるらしい。おやつを貰ってご機嫌である。後で話を聞くと、二人とも普段は蚕室野球場でアルバイトをしているらしく、この日はプライベートで観戦に来たとのこと。『来週、日本に旅行に行くんです。大阪で、ホテルは心斎橋です。プロ野球も見たいのだけど、大阪ドームは試合がなさそうで、甲子園に行きたいんですが、心斎橋から甲子園は遠いですか?』と聞かれたので、『甲子園は心斎橋から30分から40分くらいかな。梅田で阪神電車に乗れば行けます。問題はチケット。平日なら3塁側のチケットが残っているかもしれないけど、週末は早めに売り切れることも多いですよ。大阪ドームのオリックスは、ソウルでいうネクセンより人気がないからチケットは何枚でも買えるけど・・・』と大阪の野球事情を教えてあげた。

 また、隣の座席の格好良い紳士の方から、日本語で話かけられた。『私は、昔から読売ジャイアンツが好きで、10年ほど前に北海道に留学していたときは、年に一度ある丸山球場での試合に行っていました。仕事?歯科医です。お子様は可愛いですね。どちらにお住まいですか?』『10年前ならファイターズも札幌ドームもなかった時代ですね。住んでいるのは大阪です。ゴールデンウィークなので旅行で来ています』『旅行で斗山の試合にいらしたんですか!?しかもこんな指定席(VIP席の客は年間契約者が多い)で、息子さんにもユニフォームを着せていらっしゃるので、ソウルにお住まいかと思いましたよ!』確かに蚕室のネット裏VIP席に居る外国人は、選手の家族か日本からのスカウトくらいなので、うちの家族は珍しいのかもしれない。そもそも、家族揃ってナイター見物という日本人観光客も多くはないだろう。しかし、日本語ペラペラな韓国人歯科医でかなりの野球ファンというのも珍しいに違いない。息子のおかげで声を掛けられる機会が増えたからか、妻と二人で来たときよりも、こんな楽しい交流が増えているような気がする。

 試合は後半戦に進む。気温はどんどん下がる。普段は入場者特典としてアイスクリームが配られるテーブル席(クレドールゾーン)も、この日はアイスクリームではなく、ひざ掛け毛布貸し出しサービスが行われていた。私達の座席はクレドールゾーンではなかったが、毛布を貸してもらい、息子を包んで声援を送る。息子を抱きかかえていると肩や背中はしんどいが、ぬくいので天然カイロになる。ベアーズは毎回得点が途切れそうになるイニングも2アウトなのに下位打線からホームランが飛び出したりして、スコアボードにゼロが入らない。打線が活発なので、スタンドは盛り上がり続ける。普段は8時半には寝ている息子も、9時を回っても寝る気配がない。昨年、蚕室に来たときは1歳1ヶ月だった息子もずいぶんと体力がついた。親としては早く寝てくれる方がありがたいのだけれど・・・。結局、毎回得点で12点を奪った打線のおかげで、12対5でベアーズの勝利。息子は試合終了まで寝なかったので、トッポッキは何とか食べたが、すっかり冷たくなったフライドチキンはホテルに持って帰ることになった。チョ次長はダッグアウトの前を慌しく走り回っている。勝った日の広報は、色々と忙しいのだろう。他の球団職員の方に、お礼を伝えてもらうようにし、球場を後にした。
明洞のクリスピークリームドーナツで朝食

明洞のクリスピークリームドーナツで朝食

仁寺洞にはバッティングセンターがある

仁寺洞にはバッティングセンターがある

鐘閣での妻と息子

鐘閣での妻と息子

仁寺洞でお昼ごはんを食べる息子

仁寺洞でお昼ごはんを食べる息子

タプコル公園で散歩する息子

タプコル公園で散歩する息子

5/1(土)
この日も蚕室では斗山ベアーズ対ネクセン・ヒーローズの試合が行われるが、この日は球場に行かず、ショッピングに精を出すことにした。まずは、朝9時頃にホテルのシャトルバスに乗り、蚕室から明洞へ移動。韓国の繁華街は夜遅い分、朝も遅い。朝10時からうろうろしている人間は、ほとんどが日本からの観光客である。おとといオーダーしたメガネを受け取り、10時頃、クリスピークリームドーナツで朝食を取る。次々と日本からの女性客が入ってくる。片言の英語で頑張ってオーダーする姿が涙ぐましいが、新宿店のように長蛇の列に並ぶ必要はない。ドーナツを食べ終えると、気合を入れて、明洞の通りに飛び出していく。化粧品、服、靴、バッグ、韓流俳優のグッズ・・・素敵な戦利品を獲得できることを祈る。
 私たちも『戦利品獲得』を目指し、出撃。まずは、妻に付いて、親戚や友人への土産にBBクリームを買うため、化粧品店を回る。ハンスキン、エチュードハウス、ネイチャーリパブリック・・・結婚しなければ、覚えることのなかった単語である。合間、合間に、私もスニーカーを見て回る。ABCマートに入るが、ゲットしたのは息子のアディダスのサンダル。あれれれ・・・。でも、いくつかあるスポーツ用品店や帽子店で、韓国プロ野球の帽子が売られているのを発見。ソウルに行ったけど、家族サービスに忙しく、野球場に行く時間がないという方でも、帽子くらいは入手できそうだということをお伝えしておこう。
 明洞のショッピングは午前中で終了。仁寺洞に移動する。やはり、明洞や仁寺洞はソウル観光の王道である。仁寺洞は、日本で言うところの京都というよりも、鎌倉駅前に近い趣がある。伝統的な情緒がモチーフになった店と観光客向けのお土産物店と現代アートが程よくミックスされている。この日は前日の凍えるような寒さはなく、日差しも温かいというよりは少し暑いくらいである。人通りも多く、子連れだと大変だと思っていたら、ベビーカーに揺られた息子は昼寝を始めた。おかげでパパとママは色々と買い物が出来た。太極旗(韓国国旗。一本2000ウォン)、キム・ヨナ選手のクリアファイル(3000ウォン)、ハングル柄のネクタイ(40000ウォン)、息子の韓国サッカー協会公認の赤いTシャツ(8000ウォン。ワールドカップに備えて購入)などなど。日本で言う『昭和風な懐かしい雑貨を扱う店』でボール紙の野球ゲーム(2000ウォン)を発見。思わず3枚購入してしまった。
 続いて、近くの楽園商街へ。息子にバイオリンをやらせようという、我が夫婦の秘かなる野望を実現するために、まずは楽器の調達という目的を達成すべく、息子を乗せたベビーカーを抱えて階段を上がる。幼少期にピアノを習い、高校時代は吹奏楽部だった私も、バイオリンについてはまったくわからない(ちなみに妻は、中学時代は吹奏楽部でフルートを吹き、高校時代は合唱部という経歴の持ち主である)。妻と果敢に弦楽器店に飛び込み話を聞く。『まだ1歳なら1/16サイズだね。でも、まだ楽器がどんなものか分かってないなら、習い始めるのは先になるでしょう。なら、1/8が良いかな・・・。サイズが違っても、値段は同じです。中国製だけど、韓国から技術指導を行っている工房で作っているので、物はしっかりしています』と説明を受けながら、色々なサイズのバイオリンを見せてもらう。結局、1/8サイズで12万ウォンのものを先行投資として購入した。まったく親馬鹿である。
 続いて、子育てに奮闘する妻の滋養強壮に韓薬(漢方薬)を調合してもらおうかと、鐘路3街駅から地下鉄に乗り、京東市場へ。適当な韓薬房に入る。中に韓医さんがおり、そこで相談しながら、何を調合してもらうかを決めるというシステム。鹿の角やら、木の実やらを調合してもらうのだが、材料もピンキリらしく、我が嫁さん用の調合は35万ウォンだと言われた。普段は無駄遣いをせずにがんばっている妻が、『欲しい』と言えば、買っても良かったのだが、『20万ウォン程度なら考えてもいいけど、こんな値段ならパッカスDを10万ウォン分飲んどくわ』と言うので店を出た。
そんなこんなで、午後4時も過ぎたので、地下鉄で蚕室に戻る。一度、部屋に戻ってひと休みして、ロッテマート、トイザラス、本屋などを回る。気がつけば、ホテルの部屋に買ったものが山になりつつあり、帰りのパッキングを心配しつつも、トルジャバン(海苔のふりかけ)、粉末の紅茶、子供の電車のおもちゃなどを次々と購入。ええぃ、行っちゃえ!
蚕室は文字通りロッテの世界(ワールド)である

蚕室は文字通りロッテの世界(ワールド)である

ロッテワールドにある書店にはキム・ヨナ選手の本の広告看板もある

ロッテワールドにある書店にはキム・ヨナ選手の本の広告看板もある

前職で世話になった友人二人と記念撮影

前職で世話になった友人二人と記念撮影

選手フィギュアを売る店には等身大のキム・ヒョンス選手のマネキンがある

選手フィギュアを売る店には等身大のキム・ヒョンス選手のマネキンがある

5/2(日)
この日は夕方5時開始の斗山ベアーズ対ネクセン・ヒーローズを観戦に行くので、あまり遠出をせずに、蚕室エリアで大人しく過ごすことにした。朝食は地下のロッテ百貨店入り口近くのロッテリアへ。パンより米が好きな息子は野菜ライスバーガーをパクパクと食べる。オレンジジュースも飲んでご機嫌である。その後、地上に出て、しばらく息子を遊ばせながら、ロッテ百貨店の開店を待つ。ベビーカーに乗せてゆらゆらしたら気持ちが良かったのか、息子がうとうとし始める。ここぞとばかり、開店直後のロッテ百貨店とロッテ免税店に行く。母の日と父の日用にプレゼントを購入する。ロッテ百貨店では子供服も見に行くが、ドゥータに比べて、高いので購買意欲が湧かず。セールのワゴンに載っているリーバイスのジーンズが6万ウォン!ちょっと手が出ない。
 息子が思ったより長く眠ってくれたので、予定より買い物を延長したこともあり、昼食は少し遅めの2時過ぎ。ロッテ百貨店地下のフードコート。私は部隊チゲ、妻は石焼ビビンバを食べる。驚いたことに、ベアーズのユニフォームを着た客(しかも若い女性と子供連れのファミリー)がちらほら。ロッテ百貨店で買い物をしたり、食料を調達したりしてから野球観戦ということらしい。ここでもプロ野球人気の高まりを感じる。
 球場に着いたのは午後3時半過ぎ。前職時代の同僚二人が『別の用事があって、試合は一緒に見られないけど、少しだけでも会いましょう』ということで、野球場前まで来てくれた。コンビニGS25で買ったコーラを飲みながら近況を語り合う。それにしても、球場の周りは人が多い。『最近は、野球の人気が高くて、週末は売り切れになることも多いよ。韓国ではエルロッキ同盟と言って、LG、ロッテ、キアの調子が良いと客が増えるんだけど、斗山も人気があるよ』とのこと。数年前まで、試合開始時間になっても閑古鳥が鳴いていることも珍しくなかったのに、嬉しいことである。

中央入場口でチョ次長が用意してくれたチケット(VIP席のチケットは手首に巻くような形に出来ている)を受け取り入場。西日がスタンドと芝生に照り付けている。今日は寒さに凍えることなく観戦できそうである。試合開始まで時間があったので、妻のパーカーを買いにグッズショップへ行ったり(これで家族全員分のベアーズのパーカーを買ったことになった)、息子を散歩させたりして過ごすことにした。息子は1塁側から3塁側へつながる内野席下の通路を一生懸命パタパタと走っていく。それを見たデートで観戦に来ているカップルの女の子の方が、彼氏に向かって『可愛いよね?』と言うと、彼氏の方は微妙な顔をしたりするのが面白い。小さな子供を連れて野球観戦という文化が、もっと韓国に根付いて欲しいものである。
VIP席での妻と息子。後ろは記者席

VIP席での妻と息子。後ろは記者席

蚕室野球場で食べるチキンは美味しい

蚕室野球場で食べるチキンは美味しい

熊のカチューシャを付ける息子

熊のカチューシャを付ける息子

記者席とVIP席の間の通路をウロウロする息子

記者席とVIP席の間の通路をウロウロする息子

日曜日のデーゲーム。幸せの時間である

日曜日のデーゲーム。幸せの時間である

午後5時。週末の試合は、まだ明るい5時にプレイボールがかかる。金曜日から始まったネクセン・ヒーローズとの3連戦は、初日はベアーズが12対5で勝利、土曜日は3対11でヒーローズが雪辱。そして迎えた3戦目は・・・3対11で、またもヒーローズにボコボコにされてしまったのであった。ヒーローズのユ・ハンジュン選手は5打数5安打4打点。まぁ、こんな日もあるのが野球である。

そんな試合展開でも、ベアーズファンの声援は温かい。9回の最後のアウトまで一生懸命に選手の名前を叫んでいた。今回の観戦で非常に印象的だったのが、ファンの声援であった。ベアーズの選手が打席に入るとき、①選手の名前と写真がスコアボード全体に表示される、②ウグイス嬢が選手名をコールする『(例)5番打者、ファーストベースマン、チェ・ジュンソク(聞こえる通りに表記するとオーボンタァチャ、ファストベースメン、チェ、ジュン、ソクとなる)』、③スコアボードの右側が『選手の写真とプロフィール』、左側が通常の得点と打順表示になる、④スコアボードの右側から選手の写真が消え、その日の全打席結果や打率などが表示される、となるのだが、今年は①の段階で、スタンド全体がワァーと沸きあがってくる。そんな歓声に送られて打席に入る選手は幸せであろう。
 私たち家族は、ベアーズ大敗の展開にも関わらず、野球場=美味しいものを食べながら野球を見物するところという原則にのっとり、食べて笑っての野球見物である。昼食が遅めだったので、あまり腹は空かなかったが、バーガーキングのハンバーガーを食べ、生ビールとアイスクリームも頂いた。この日は、春と初夏の間くらいの陽気だったので、家族3人で食べたアイスクリームが本当に美味しかった。食べている時間以外の息子はスタンドと裏の通路を走り回るので、妻は息子を追いかけ回って大変であったが、『パパはゆっくり見ててもいいよ』と言ってもらえたので、試合の後半は比較的ゆっくりと観戦することが出来た。感謝、感謝である。
 試合終了後、チョ・ソンイル次長に挨拶をした。『次はいつ来るの?』と訪ねられた。果たして、次は、いつ一家揃ってソウルに来られるのだろうか。来年にでも、もう一人子供を授かることが出来たら、なかなか来るのは難しいかもしれない。答えに悩んでいたら、『わからないですか。また来るときは連絡してください』と優しい言葉をかけていただいた。この2試合分のお礼を伝え、中央口より外に出た。その横をネクセン・ヒーローズの選手が大きなバッグを肩に担いで通り過ぎて行く。ペナントレースは続いていく。
蚕室野球場の前には食べ物を売る屋台が充実

蚕室野球場の前には食べ物を売る屋台が充実

グッズショップのベアーズハウスも新装開店!

グッズショップのベアーズハウスも新装開店!

野球をテーマにしたモニュメントも新たに設置された

野球をテーマにしたモニュメントも新たに設置された

朝食はロッテリアで!

朝食はロッテリアで!

ロッテワールドに入場!

ロッテワールドに入場!

息子の大好きな汽車ぽっぽ

息子の大好きな汽車ぽっぽ

気球に乗って遊覧飛行

気球に乗って遊覧飛行

気球からの眺め

気球からの眺め

5/3(月)
今回のソウル旅行の目玉の一つであるロッテワールドの日である。1997年以降、数えるのが少し面倒なくらいソウルに来ているが、『初ロッテワールド』である。野球場がある蚕室エリアは、ソウルの中でも最も頻繁に来ているところのひとつだが、意外なことにロッテワールドは初めてである。事前にホームページを調べたら、『仮面祝祭(カミョンチュクチェ=“行けばお祭り”という意味とのシャレになっている)』というイベントを実施中で、仮面舞踏会のようなパレードやショーが繰り広げられているようで、妻とホームページで流れるテレビCMに合わせて、少しばかりダンスを事前に練習して盛り上がっていたのだが、旅行初日にインフォメーションで聞いたら、月曜日はパレードがお休みとのことであった。残念だったが、土曜日にロッテワールドの遊園地部分の下にあるレストラン街で食事をしていたら、上の遊園地でパレードが行われている時間にあたったので、雰囲気だけは楽しむことが出来た。
 
 この日の朝も、朝食はロッテリア。蚕室駅周辺にはロッテリアが何件もあるので、前日とは違う店舗に行った。ロッテマートの奥にある店舗で、近くにはキッザニアソウルの入り口もある。月曜日なのに、朝から小学生グループがロッテワールドへ向かって走っていくのが見える。この日もやはり野菜ライスバーガーを食べる。息子は朝から機嫌が良い。遊園地に入っても機嫌良く遊んでくれたら良いのだが・・・。

 ロッテワールドは今回の旅行中、エレベーターに乗るたびに上から眺めていたし、蚕室駅周辺で買い物をしているときに、何度もロッテワールドの入り口の前を通過していたが、いよいよ、実際に中に入ってみることになった。チケットは外国人料金があり、大人二人で5万ウォン。ボストンの地下鉄のように二人でチケット一枚である。日本語の案内図も貰って、中に入ってみると、思ったより大きく感じられた。天井の方を見ると、気球型の乗り物と、モノレールが動いている。息子は指を指して言葉にならない何かを訴える。気球型のアトラクションに行く前に、外国人観光客向けプレゼントを指定の売店に貰いに行く。マスコットキャラクターのロリーちゃん(女の子)の人形であった。吸盤も付いていて、車の窓にも付けられる。ロリーちゃんだけでは寂しいので、後でロッティー君(男の子)も買ってしまった。しっかりロッテワールドの策略にはまってしまっている!?(笑)

 寄り道をしたが、気球のアトラクションに向かう。ところが、この日も5時台から早起きしていた息子は眠くなってきてしまったのか、ご機嫌ナナメになる。難しいものである。気球の形をしたゴンドラは、ロッテワールドの室内部分を天井の真下で一周する。上から、メリーゴーランドやローラーコースターなどのアトラクションと真ん中のスケートリンクを眺めると、壮観であったのだが、結局・・・息子は昼寝(朝寝?)を開始。ゲートで手にスタンプを押してもらい、一度、外に出て、買い物をすることにした。児童書や食料品など、まだ買っていなかったものを買いに行く。「息子が寝ていると何でも出来る」と妻は大喜びである。毎日毎日、息子の育児に奮闘している妻には頭が下がる。
ロッテワールドにも立派なお城がある

ロッテワールドにも立派なお城がある

息子を抱えて遊覧船に乗り込む

息子を抱えて遊覧船に乗り込む

ちょっと疲れ気味の息子

ちょっと疲れ気味の息子

一度、ホテルに帰って一眠り

一度、ホテルに帰って一眠り

癒し系アトラクションを息子と楽しむ

癒し系アトラクションを息子と楽しむ

園内には記念撮影スポットもいくつか用意されている

園内には記念撮影スポットもいくつか用意されている

トイザラスやロッテマート、駅の地下商店街などを回ってショッピング。パパは『旅行中に良いものが見つかったら買おう』と思っていたスニーカーをロッテマート出口近くのナイキで見つけてゲット!その後、息子が目覚めたが、荷物も増えたので、遊園地ではなく、一度、ホテルに戻ることにした。結局、午前中はほとんど遊園地を楽しむことが出来なかったが、ホテルが同じ敷地になければ、寝ている息子を抱えてアトラクション回りをしていたであろう。小さい子供連れなら、ロッテホテルは最適である。
 ホテルで一休みし、息子の機嫌も良くなったところで、昼食を食べに行く。場所はロッテマート横にあるフードコート。私はとんかつ定食、妻はオムライスを食べる。息子は食欲が少し落ちているのか、朝ごはんをしっかり食べたからか、食いつきが悪い。パパとママが食べている最中だが、椅子から脱走する。息子を追いかけながら何とかカントカ食べる。
 遊園地に戻る。この日も気温は20度くらいまで上がる春の陽気だったので、月曜日なのに客がとても多い。こどもの日が近いからか、一部の職場は臨時休業だったりしたようだが、学校は休みなのだろうか?遊園地の野外部分へ出て、池を一周する船に乗る。頬を撫でる風が心地よい。ホテルも見える。私たちが泊まっている部屋はどのあたりかなと話しながら景色を楽しんだ。
 船に続いて、小さな観覧車とモノレールに乗る。息子を抱えて絶叫マシン系には乗れないので、癒し系のアトラクションを回る。生まれて初めての遊園地なので、息子は緊張しているのか、きょろきょろしていた。2歳にならないこの時期では、まだ、動くものに乗るよりは、動いているものを眺める方が好きなようである。そんな息子であったが、室内部分に戻ってから乗った、汽車型自動車のアトラクションは気に入ったようだった。
 多くのアトラクションに乗ったわけでもないのだが、園内を回っているだけでも時間がどんどん過ぎる。気がつけば、夕方近くになっていた。フルーツとアイスクリームのデザートが食べられる『アイスベリー』に行った後、ホテルに戻って休憩して、また遊園地に戻る。旅行も後半の大詰め。こまめに休憩しながら、ラストスパートである。ホテルから、ミュージカルが上演されているシャーロッテ劇場の前を通って、遊園地の野外部分と室内部分を結ぶ高架橋の下にある入り口から入場する。入場すると、色々なお土産物や食べ物を売る店が並んでいる。その中で、写真を金属の上にレーザーで焼き付けてキーホルダーなどを作ってくれる店がある。写真を撮ってもらい、その場で10分くらい待てば完成。家族3人の写真に、『僕たちはいつも一緒だよ(ウリンオンジェナハムケヤ)』という意味の韓国語と日付を入れた12000ウォンのキーホルダーを作る。ボルティモアの球場で夫婦の名前と日付を刻印したミニバットを作ったことがあったが、こういうお土産物は本当に良い記念になる。
 そうこうするうちにステージでコンサートがあると聞き、ステージに向かう。普段は梨泰院で活躍しているというフィリピンのロックバンドが洋楽とKポップを熱唱。大音響のロックに最初はとまどっていた息子だが、段々気に入って踊りまくる。予想外の展開にパパとママは笑うしかない。踊る息子を回りのお客さんも楽しそうに見ていた。
 コンサート終了と同時に、もう一つくらいアトラクションに乗ってから食事に行こうと、汽車型自動車に向かうが、私達の目の前の客までで最後の運行が定員になってしまった。残念がるパパとママを尻目に、息子は楽しそうに車が走っていくのを眺めていた。韓国旅行最後の夕食に何をしようかと食堂街に下りる。時刻は8時半。洋食、和食(とんかつ、うどん、ラーメン)、何でも揃っているだけに迷ったが、洋食レストランでオムライスを食べる。オムライスにもキムチが付いてくるのが韓国である。
 オムライスを食べ終わり、ホテルに戻る前に、こどもの日のキャンペーンとして、子供の入場者にはロッテのお菓子詰め合わせをプレゼントするという企画が行われているという張り紙を発見。そういえば、子供たちが嬉しそうにお菓子の大きな箱を抱えているのをたくさん見かけたのを思い出す。息子にももらえないかと思い、引換所に行く。外国人優待チケットはあくまで大人2名で発行されているので、本来はもらえないらしいのだが、息子にもプレゼントしてくれた。何を貰ったのかわからないものの、息子は嬉しそうだった。
 ホテルに戻ってから、日本に持って帰るヤンニョムチキンの調達という最後の重大なミッションが待っていた。近くにチキン店がないかとコンシェルジュに相談したら、『お客様は韓国語ができるので、部屋の電話から配達を注文すると良いですよ。店はBBQチキンといいます。電話番号を印刷しましょう。到着したら、フロントから部屋に電話してお知らせします』とのこと。一流ホテルがチキンの出前を容認してくれるというのが嬉しい。日本の一流ホテルで、丼物やらピザを注文しても止められそうな気がするが、さすが出前天国の韓国である。
 
5/4(火)
前日の晩は遅くまでパッキングに追われた。何しろ、バイオリンから斗山ベアーズグッズ、子供服、海苔、ロッテのお菓子詰め合わせまで、単価が高くないがかさばるものを一杯買い込んだ上に、寒い天候に合わせて防寒具まで持って来ていたからである。おかげで、帰りの飛行機ではしっかり追加料金を払うことになった。しかし、荷物の量と同じくらい、今回の旅行も多くの思い出が出来た。ソウル、斗山ベアーズ、妻、息子に感謝、感謝、また感謝である。

<今回の旅行でゲットしたもの>
様々なバリエーションのベアーズ帽子

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プロ仕様ユニフォーム(ホーム用)は7万ウォン

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キム・ヒョンス#50のユニフォーム

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プロ仕様帽子(23,000ウォン)

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車の窓ガラスに貼る『駐車お知らせ版』携帯電話番号を知らせるもの。個人情報は問題ではない?

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ベアーズのテディベア(蚕室駅の商街で店じまいセールをやってたときにゲット)

ベアーズのテディベア(蚕室駅の商街で店じまいセールをやってたときにゲット)

親子3人分のベアーズパーカー(@45,000ウォン)選手も同じものを着用している

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ベアーズロゴが入ったネックレス

ベアーズロゴが入ったネックレス

ベアーズ子供用傘

ベアーズ子供用傘

キム・ヨナ選手グッズ(明洞や仁寺洞などで売っている)

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ご存知『ぐりとぐら』の韓国語版

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地下鉄のオモチャ。ボタンを押すと走行音やアナウンスが楽しめる

地下鉄のオモチャ。ボタンを押すと走行音やアナウンスが楽しめる

韓国の人気キャラクター『ポロロ』のコンピューター。トイザラスで人気商品として山積みで売られていた

韓国の人気キャラクター『ポロロ』のコンピューター。トイザラスで人気商品として山積みで売られていた

昭和な香りのするボール紙の野球ゲーム

昭和な香りのするボール紙の野球ゲーム

ロッテのお菓子詰め合わせ

ロッテのお菓子詰め合わせ


追記:過日、妻の友人と食事をしたあと、JR鶴橋駅改札近くにいたら、男性の方に『ソウルナビ見てますよ』と声を掛けていただいた。ありがとうございます。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2010-07-05

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