ソウルのモダン建物探検、パート1!

建築の門外漢、るみがソウルの建物をご案内~その1

こんにちは、るみです。アジアの大都市の変化は、めまぐるしいものがあります。ソウルも同じ。昨日まであったものがきれいさっぱりなくなって、新しいものがでーんとできているなんて当たり前。韓国人にはパリパリ(速く速く)の気質があるとはいえ、ホントそのスピードにはついていけません!
今回は、そんなソウルの街にある古い建物を紹介したいと思います。韓屋(ハノッ)の並ぶ伝統的な韓国の古い街並みと小さな路地も味わいがあっていいのですが、今回は地味ながらもなにげに歴史を感じさせるモダンな建物にスポットを当ててみました。日本風の家屋から「ビルヂング」と呼びたくなるような古いビルまで・・・・・温室みたいな建物(ガラスと鉄筋でできた)と有名な建物は今回は遠慮願いました。
日本でも、東京では近代建築のバスツアーまで出たとか出ないとか。建物は、そのまま野外美術館でもあります。ソウルを別な方向から楽しめるよう、ナビできたらいいとおもっております!それでは建築の門外漢るみと一緒に出かけましょ!

<北村(プッチョン)付近>

まずはソウル市が力を入れて保存に努めている韓屋(ハノッ)の多い地区、北村(プッチョン)。ここには三清洞(サムチョンドン)・花洞(ファドン)・嘉会洞(カフェドン)・斎洞(チェドン)・桂洞(ケドン)・苑西洞(ウォンソドン)などの街があります。ソウルの喧騒から離れた静かな空間がこのエリアにはあり、初めて来た方は驚かれるようです。
☆現代ビル
韓国の大手企業である現代のビル。威圧感さえ覚えるほどの圧倒的な存在感が企業の性格を十分現していると思いませんか?
☆旧ク・インフェ邸
1967年に建てられたこの邸宅、韓国を代表する大手財閥、LGの創業者&会長の邸宅です。
ここは現在、科学系の資料を閲覧できる図書館としても一部開放されています。建物を見たいがために入っていったのにもかかわらず、案内の方は親切にしてくださり、コーヒーまでいただいちゃいました。中はとても韓国的な部屋なのですが、その外観と妙にあっていて、設計者にブラボー!
☆詩人パク・インファンが下宿していた日本風家屋
パク・インファンという詩人が学生時代、下宿をしていたという家。家はまだ現役で、住んでいる方がいます。勝手に人の家を撮るな!と洗車していたおじさんに怒られちゃいました。スミマセン・・・
☆あるお屋敷
ほんのちょっと前まではなかなか立派な洋館があったのですが、消えちゃいました。廃屋になっている大きな建物がポツポツとこのあたりにはあります。壊される前の写真となくなった写真を比べてみてみましょう。
☆韓国教育評価院
韓国語能力試験の監督を行うところでおなじみですね、願書を出しにここまで行ったことのあるソウル在住の方もいらっしゃるのでは?建物全体が薄い緑で色づいていて、大きな窓にからみえるピンク色のカーテンが印象的です。(赤いカーテンが色あせただけだったりして?)
☆日本風家屋(三清洞−花洞編)
韓屋の多いこの地域に突如と現れる日本人の心にぐっと来る建物!日本の年号で言えばおそらく大正か昭和初期に作られた建物でしょう。丸や六角形の飾り窓がかなりモダン!す、住みたい!

<雲峴宮(ウニョングン)付近>

地下鉄3号線安国駅(アングッ)、日本文化院のある通りを鍾路(チョンノ)方面へ行く途中に二つの気になる建物が。
☆旧李埈(イ・ジュン)公邸
この洋館にまつわるエピソードはかなり奥が深いのですが、今回は簡単に。1911年(1912年説、1903年説もあり)に建てられ、日本の植民地時代に「殿下」の称号をもらった李載冕(イ・ジェミョン)の息子・李埈の家として知られています。建物の中央に菊の花の文様が見えるでしょうか?これは日本皇室を象徴するもの。また昔あった時計は今はただの窓になり、また1946年から徳成(トクソン)女子大の本館として使われていましたが、一時期廃屋状態になり、今は学校の事務室になっているようです。
中に入って1階をうろうろして、中を見せてくれないかとかなり下手に出てみたのですが、ただの事務室なんだから見るところはない!とおばちゃんに怒られちゃいました。ただの事務室にしておくには、あまりにももったいないです。ため息。
☆天道教中央大教堂
1921年に完成。3・1運動のための費用捻出のため竣工が遅れたとも。1920年代にはソウルの3大建物の一つとして数えられ、日本の植民地時代には重要な民族集会が行われた場所だそう。歴史の重みをずしんと感じる荘厳な建物です。

<仁寺洞(インサドン)付近>

仁寺洞の近くに曹渓寺(チョゲサ)という大きな寺のある通りは、仏具を売る店が軒を連ねているのですが・・・・

☆農協鍾路支店
つい最近ソウル市の有形文化財に指定された、現在は農協が入っている建物です。壁の色を塗っておめかし。塗らない前の姿も結構好きだったんですけどね・・・
☆平和堂株式会社
通りをはさんで向かい側にある気になる建物。どうも普通の民間企業の建物らしいのですが、このたたずまいはタダモノではありません!中に入れますが2階までのぼれるだけです。古い建物の独特な匂いがプンプン!後ろに回ると中で仕事をしている人を見ました。何の会社なのでしょう??なぞは深まるばかり。
☆韓国日報
光化門(カンファムン)方面へ行くと韓国日報の社屋が。上にくっついている鉄塔が大変ユーモラスな形をしています。
この建物探訪は、シリーズ化してお届けの予定です。それでは第2回、ご期待くださいね!

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2004-03-22

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