ベスト・フード「サムゲタン」

さっぱりとしたスープとあっさりとしたとり肉を一度に楽しめる精進食、サムゲタン。

こんにちは!ソウルナビです。韓国グルメといえば焼肉や冷麺、ビビンバ、そしてサムゲタンなどが定番人気メニュー!そこで日本人にも馴染み深~いこれらの定番メニューの中から今日は「サムゲタン」について詳しくご紹介しましょう!鶏一匹まるまる使うこの「サムゲタン」は、漢方の王道的存在の高麗人参やニンニク、ナツメ、クリなどと一緒に煮込むタン(湯・スープ)料理で、たくさんある韓国料理の中でも特に栄養価が高い"ボシン(補身)料理"として韓国人の間で長~く親しまれて来た健康メニュー!また暑~い夏には夏バテ防止効果があるということで、夏の人気メニューベスト1に輝くほどのメニューなんです。さぁ~それではさっそく知っているようで知らない、知らないようで知っている「サムゲタン」の魅力について、ナビと一緒に追跡してみましょう~!Go!!
三伏に必ず食べるスタミナ料理「サムゲタン」!
疲労回復効果があることから夏バテ対策として三伏の時に必ず食べるのがこの「サムゲタン」。韓国には毎年夏にポンナル(伏日)と呼ばれる日が3日あり、それぞれチョボッ(初伏)、チュンボッ(中伏)、マルボッ(末伏)と呼ばれています。初伏から末伏までの期間が1年で最も暑いと時期とされ、その期間のことをサンボッ(三伏)、またこの期間の暑さをサンボットウィ(三伏の暑さ)と言ったりします。この暑~い時期を乗り切るため、それぞれの日に"ボシン(補身)料理"、すなわちスタミナ料理を食べる習慣があります。犬肉を煮込んだ補身湯(ポシンタン)やドジョウをスープにしたチョオタンなどもスタミナ料理として人気ですが、でもやっぱりナンバー1はこの「サムゲタン」!昼間はサムゲタン専門店の前にサラリーマンの列ができ、家庭ではオモニが子供たちのためにサムゲタンを煮込んだりします。高麗人参などの漢方剤をいれた漢方参鶏湯は、やっぱりスタミナ食に間違いなし!っということのようですネ!ちなみに、ナビスタッフもこのボンナルには全員でサムゲタンを食べに行くんですヨ!!
そんな「サムゲタン」の栄養価について
サムゲタンに入っている高麗人参には心臓機能を強化する働きがあり、またニンニクには強壮剤の役目が、そしてクリとナツメは胃を保護し、貧血を予防する働きがあるんだそう。そして主役の鶏は豚や牛に比べて値段も安くコレステロール値の低く栄養満点。その上、 肌や骨(特に骨粗しょう症に)優れた効果があるとか(特に手羽先の部分に多い)。また女性の肌につやを与えるコラーゲンは日常生活ではなかなか摂りにくいといわれていますが、鶏肉を食べることによって補うことができるそう。これら以外にも脳の活動を活発にするたんぱく質や、ストレスを減少させる必須アミノ酸も豊富に含まれ、これらの健康食品がひとつの器で出会ってできあがった「サムゲタン」。あの暑い夏にもがんばってこの熱い料理を食べるっということにナビも納得です!
最高級サムゲタンっといえば黒い「オゴルゲタン」!!
一般にサムゲタンといえば白い一般的な鶏。実はその鶏よりも栄養価や健康度をアップさせてくれるワンランク上のサムゲタンがあるんです。それは「オゴルゲタン」、いわゆる日本の烏骨鶏を使ったスープ。カラスのように真っ黒な鶏肉にサムゲタンと同じように腹にもち米や高麗人参、ナツメなどを詰めて煮込むもの。烏骨鶏は昔の漢医学書にも血をキレイにして風邪を防止し、精力も回復する健康食材として記されるなど、昔から宮中だけで食べられていた貴重な鶏だったそう。今ではこうして一般の食堂も食べれるようになりましたが、まだまだ高級。値段は普通のサムゲタンの1.5倍以上はします。見た目は・・・見れば見るほど真っ黒でグロテスク。本当に骨の髄まで真っ黒なんです。その黒さだけ効果テキメンという気分に~!
サムゲタンはこうやってできあがります!
それでは、サムゲタンの作り方を簡単にご説明したいと思います。

<材料>
若鶏1羽、もち米1/4カップ、にんにく2かけ、なつめ 2個、高麗人参(小さいもの)1本、青ねぎ1本、生姜1かけ、わけぎ2束、塩、コショウ適量、水
<サムゲタンの作り方>
1) 皮目がピンクで、重さが500~700gぐらいの若鶏(ひな鶏よりは若干育った鶏)を選びます。
2)もち米を洗い、冷水につけて水分を吸って白っぽくなるまで置いておきます。
3)高麗人参は中ぐらいの大きさのもの(10cmほど)を、包丁で皮をそいで置きます。また栗は薄皮をとり、ナツメはきれいに洗い、ニンニクは薄皮をとって準備します。
4)材料の準備が整ったら、鶏の内臓を取り出してきれいに洗います。
5)お腹の中にもち米を入れ、もち米が出ないようにつまようじで留めます。
6)土鍋に鶏を入れ、かぶるぐらいの水を注いで、高麗人参、栗、なつめ、にんにくを入れて強火で煮込みます。煮立ってきたら火を弱め、スープが濁って白くなるまで長時間煮込みます。
7)出来上がったら、一羽ずつ分けて好みで塩をコショウで味付けして食べます。
おいしいサムゲタンを食べるウマさのポイント!
サムゲタンの中に入れる材料の質ももちろん重要ですが、煮込む石焼き鍋や土焼き鍋などの器によっても味が変わってきます。温度を高く(とっても高く!)してアツアツを食べるのがウマさの基本。だから器もアツアツに熱しなければ意味がありません。そしてもうひとつウマさのポイントは鶏肉につける塩。竹塩を炒めた塩を使うとさらに味が引き立つのだとか。塩はフライパンに煙が立ち上るぐらい熱くして炒めて作ります。こうすることによって塩の中の不純物が取り除かれるそう。またサムゲタンを作る時、こってりとしたスープが好きという場合は長い時間煮込み、歯応えのある鶏肉を食べたいという場合は短時間でサッと調理するのが良いそう。だからサムゲタンの専門店では鶏肉で煮立てたスープはあらかじめ作っておき、鶏肉は注文を受けてから煮込むとか。そうすることで2つの味が同時に楽しめるというワケ!家庭で作る場合は圧力鍋で作っても良いでしょう。これなら短時間でやわらかい鶏肉が出来ますヨ!
<煎り塩の作り方>
1) 塩をいります。
2) すり鉢で細かくつぶします。
3) ざるにとって漉します。
4) ゴマも細かくすりつぶし、ざるにとって漉します。
5) 最後にコショウを加えて混ぜ合わせます。

おすすめサムゲタンのお店!

★明洞にあるアクセス便利なサムゲタンのお店!
<明洞参鶏湯>
忠清道(チュンチョンド・韓国の中部地方)で参鶏湯(サムゲタン)専門店を25年ほど頑張ってきた厨房長が、ふるさとの味を広く他の地域の人にも知ってもらおうと、明洞にお店を構えたのが始まり。以後、この忠清道こだわりの味は韓国人だけでなく、特に明洞にやってくる海外からの観光客の人たちにもクチコミや雑誌などで知られ、今ではたくさんのリピーターも抱える人気のお店に。
住所   ソウル市 中区(チュング)忠武路1街(チュンムロイルガ)25−9
電話   02-778-7370
営業時間 8:00~22:00
<百済参鶏湯>
40年近い伝統を持つ「百済参鶏湯(ぺクチェサムゲタン)」!明洞の街のど真ん中に位置するガイドブックなどでもおなじみのお店。それを証拠に、お客さんの70%が日本人だと言うから驚き!そういえば、ナビの参鶏湯初体験もこちらのお店でした~^^!サムゲタンは熱いうちに食べることがその風味を楽しむ最大の秘訣。こちら「百済参鶏湯」では24時間を過ぎた鶏は全て廃棄し、スープの澄んだ味を守るために一日に5~6回以上は沸かさないようにしているとか。そんな手間暇かけた、「百済参鶏湯」の参鶏湯、ぜひご賞味あれ!
住所   ソウル市 中区(チュング) 明洞2街(ミョンドンイーガ)50-11
電話   02-776-3267
営業時間 9:00~22:00
★ 庶民は市場内にあるサムゲタンのお店!
<ソウルサムゲタン>
味にうるさい市場の商売人さんはもちろん、地元の買い物客から外国人観光客まで幅広い人気を誇る「ソウルサムゲタン」!素朴で庶民的な店構えではあるけれど、その味は天下一品!リピーター客も多いのだそう。そしてその美味さの秘密は他とは違ったこのスープ。鶏の腹に詰められたもち米だけでなく、スープを作る際にももち米を加えるのがポイント。香ばしいこのスープが一度食べると病みつきになる秘訣かも!
住所   ソウル市 中区(チュング)南倉洞(ナムチャンドン)34-52
電話   02-755-6925
営業時間 5:00~20:00
★ サラリーマンの味方、光化門・市庁方面のお店!
<正統参鶏湯元家>
ソウル中心部でもオフィス街として知られる光化門エリアにある「正統参鶏湯元家」!周辺には日本大使館、アメリカ大使館、大手新聞社などがたくさん建ち並び、ランチタイムに行ってみると、もうビルから繰り出してきたサラリーマンやOLたちで満席御礼!ランチメニューはサムゲタン(参鶏湯)とハンゲタン(半鶏湯)の2つのみオーダーOK。一匹は多すぎるという女性は、このハンゲタンがオススメですヨ!お肉は若くて柔らかい鶏「ヨンゲ(軟鶏)」のみを使用しているそうなので、とってもジューシー!ぜひご賞味あれ!
住所   ソウル市鍾路区(チョンノグ)寿松洞(スソンドン)129−1
電話   02-739-4280
営業時間  10:00~22:00
<高麗参鶏湯>
1960年の開店から現在まで46年間、親子2代に渡って伝統サムゲタンの味を守り、韓国国内ではもちろん、海外でもたくさんのメディアに紹介されたかなりの有名店がここ「高麗参鶏湯」!その日その日に養鶏専門農場から直接仕入れたヨンゲ(軟鶏:孵化して49日経った若い鶏)だけを使用しているから、肉の柔らかさは保証付き!また参鶏湯に入れる高麗人参も錦山(クムサン)の畑で栽培した4年ものだけを使用するというこだわり!
住所   ソウル市 中区(チュング) 西小門洞(ソソムンドン) 55−3
電話   02-752-9376
営業時間 10:00~22:00
<長安参鶏湯>
地下鉄1・2号線シチョン(市庁・city hall・132/201)駅から徒歩1分という便利な位置にあるのが「長安参鶏湯」。1971年にオープンしたという歴史あるこのお店の特徴はスープ。ドロドロしていたり漢方の味が強いサムゲタンもある一方で、こちらのサムゲタンはあっさり味が特徴!もちろん塩やニンニクなどで味付けはしてあるけれど、基本的に鶏をグツグツ煮た旨みと栄養たっぷりの純粋な味を楽しめるようになっています。さわやかなのにコクがあるスープは飽きがこないし、やわらかいながら身が締まっている鶏とのバランスも人気の秘密。
住所:ソウル市中区(チュング)太平路(テピョンノ)2街(イーガ)53
電話番号:02-753-5834 / 02-773-3957
営業時間:9:00~22:00
★ 大統領もやってくる?!サムゲタンのお店の大御所!
<土俗村>
キョンボックン(景福宮)に位置する土俗村(トソッチョン)は、その広さに驚き、お客さんの多さにまた驚くほど有名なお店。参鶏湯と丸焼きの鶏の専門店で、お昼時にもなるとお客さんがドアの外まで列を作るほど。伝統的な韓国の家屋風の造りも趣きがあってこれまた人気の秘密だとか?!近くの青い屋根の屋敷(青瓦台:大統領官邸)に住む歴代大統領の御用達店でもあり。人気の秘密はほかとは違う香ばしくて独特な味!!
住所   ソウル市鍾路区(チョンノグ)体府洞(チェブドン) 85−1
電話   02-737-7444
営業時間 10:00~22:00
★ 漢江は南、江南方面のサムゲタンのお店!
<栄養センター(狎鴎亭店)>
参鶏湯を作り続けて48年という老舗「栄養センター」!明洞本店をはじめとし、ソウル市内にチェーン展開されているなかの、ここは狎鴎亭店。ギャラリア百貨店の向かい、ロデオ通りと平行した通りのまさに狎鴎亭の中心地にあり!参鶏湯に使われる鶏は、契約養鶏所から仕入れた冷凍していない生の鶏だけを使用しているから、肉特有の臭みがなくとっても食べやすい!ほかに、電気のロースターで焼き上げた鶏の丸焼き「ジョンギクイ」も超オススメ。不必要な脂を落としたヘルシーな丸焼き、この香ばしい香りは食欲をさらにかきたてます!
住所    ソウル市江南区(カンナムグ)新沙洞(シンサドン)664−1
電話    02-516-4747
営業時間  11:00~23:00
<ロッテワールド民俗博物館・民俗食堂街>
韓国のディズニーランド?!ともいわれるロッテワールド!そんなローテワールド中にあるロッテワールド民俗博物館内に、朝鮮時代にタイムスリップしたかのような伝統空間の中で食事が楽しめる民俗食堂があります。お料理はクッパや 石焼ビビンバ、ソルロンタンといった食事メニューから伝統定食、焼肉などのしっかりメニュー、さらに伝統酒&チヂミといったお父さん向けメニューまでいろいろ!4種類のお店があるのですが、そのうちの一つ「夢村」というお店では、サムゲタンがいただけます!お子様連れのファミリーで訪れるのにピッタリなスポットですヨ!
住所   ソウル市 松坡区(ソンパグ) 蚕室洞(チャムシルドン) 40−1
電話   02−4111−4838
営業時間 11:30~22:00
★ ちょっと珍しい貴重なお店!
<海川>
新鮮アワビをふんだんに使った超豪華アワビ参鶏湯「海川湯(海川湯)」という珍しい参鶏湯が食べられるお店がこちらの「海川」!鶏にアワビ、高麗人参・桂皮・鹿の角・甘草・栗・ニンニク・棗などの漢方材が約10種類以上、そして大根・玉ねぎなどを圧力鍋に入れ、ユッスと呼ばれる秘密のだし汁を入れてコトコト煮込みます。味はもちろん健康食そのもの!この海川湯のウワサはヨン様にまで届き、彼が東京にオープンさせるレストランで、この海川湯を取り扱うことになったとか!そんな魅力的なゴージャススープ、ぜひトライしてみては?!
住所   ソウル市竜山区(ヨンサング)漢南洞(ハンナムドン)682−1 2階
電話   02-790-2464
営業時間 11:00~22:30
<ソンノモッ>
ソウル市内にあるお店とは思えないような田舎の雰囲気をかもし出すお店がこちら「ソンノモチッ」!ウワサを聞きつけてはるばるいった先は、成均館大学の裏門の近くの山奥。緑の中で食べるといった雰囲気で、都会人の心を落ち着けてくれるようなオアシスのようなお店。そして主役のサムゲタン!なんと鉄のお釜に入れて薪の火で煮込む、懐かしい調理法!コレはうまいはずだ!あっさりしているスープは、しつこくなくドンドン胃に吸い込まれる代物!これはまさに穴場中の穴場店!
住所   ソウル市城北区(ソンブック)城北洞(ソンブットン)226-64
電話   02-764-8571
営業時間 11:30~20:00(ラストオーダー19:00)
このサムゲタンと一緒に飲むお酒として人気なのが高麗人参を直接漬けたお酒、人参酒。韓国で健康酒として人気の百歳酒のような甘味はありませんが、すっきりとしていて最後に高麗人参の香りがもわ~っと残る感じ。これはほとんどのサムゲタン専門店に行くとサービスで一杯いただけちゃうもので、この一杯だけでも元気になり、夏バテを防止するお酒なんだとか。今年の夏もこのサムゲタン&人参酒の取り合わせで元気に夏を乗り切りましょう!お財布に余裕の皆さんはぜひカラス色のオゴルゲタンにもチャレンジしてみてくださいね!!以上、ソウルナビがお伝えしました。
関連タグ:参鶏湯鶏料理辛くない

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2006-08-01

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