コーミィの『ソウルで働く多文化ママたちをインタビュー』してきました!

韓国で仕事も子育ても頑張る素敵な外国人ママ達をご紹介♪

みなさん、こんにちは。コーミィです。
最近韓国で『結婚移民者』、『多文化家庭(家族)』という言葉をよく耳にするようになりました。結婚移民者、多文化家庭とは、韓国人と結婚して韓国に暮らす外国人配偶者またはその子供達を意味します。コーミィ家族も多文化家庭です。
日本と同様、韓国もまた国際結婚が急増している訳ですが、
ソウルでは2007年頃から韓国政府による多文化家庭への支援が増えてきたなぁと感じるようになりました。
今では近所を歩けば韓国語教室に当たる?ぐらい、地域の多文化支援センターや福祉館などで韓国語教室はもちろん、お料理教室やパソコン教室など随分支援が拡大してきたと思います。そのお陰で韓国語で意思疎通ができるようになったり、色々な国の友人ができて韓国生活が楽しくなってきたという方も多いことでしょう。そして学んだ韓国語やスキルを使ってさらに一歩踏み出せたらと思っている方も沢山いるのではないでしょうか。
そんな中で外国人ママを正社員で雇用し働く職場を提供して韓国社会の国際化、活性化を担う社会的企業があります。

◇◇『食堂、カフェ、ケータリング、レストラン』 ーお料理で外国人ママ達を応援―◇◇

食堂

食堂

カフェ

カフェ

建物の中に十数種の社会的企業(以下NPO)が入るセンターがソウルにあります。
こちらでは音楽や芸術を通して活動する組織もあれば、子供達への英語教育や読み聞かせを通して活動する組織、青少年の職場体験を支援する組織など多種多様なNPOが入り、通称ハジャマウル(ハジャ村)と呼ばれています。
そのハジャマウルで働く住民達のお腹をいっぱいにしてくれる食堂と、憩いの場所であるカフェの運営を一手に担っているのが、ハジャマウルのメンバーの一つである、オーガニゼーションヨーリ(料理)という組織です。こちらではケータリング事業やレストラン事業も行い、社会的に自立した活動を行っています。オーガニゼーションヨーリは、主に青少年、子育てを終えた主婦達、そして多文化移住女性達を応援しています。韓国で育児と仕事を両立して頑張る外国人ママ達が沢山います。今日はそんな彼女達の1日を追ってインタビューをしてきました。

◇◇ケータリング部門で働く外国人ママをご紹介◇◇

トイさん(ベトナム)

トイさん(ベトナム)


まずはトップバッター、ベトナム出身のトイさんにインタビュー。
トイさんは韓国生活3年半に突入し、もうすぐ3歳になる息子さんを育てながらケータリングの仕事をされています。料理人だったお母さん仕込みの包丁さばきで、カッティングを担当。
また、春巻きなどのベトナム料理の担当もしています。

仕事をして楽しい点、大変な点は?
楽しい点は韓国語能力が伸びたことと友人が沢山できたこと。大変な点は韓国語での意思疎通が未だに難しい。
休みの日は何をしていますか?
主に子供と遊んだり家事をすることが多い。ご主人と休日が合わずそれが少し残念。
好きな韓国料理は?
ユッケジャン・・・ベトナムの郷土料理に似ていて懐かしい味がするので。
自慢の自国料理は?
フォー(ベトナムうどん)・・・韓国式にアレンジされていない香辛料をいっぱい使った本当のフォーを広めたい。
今後の夢は何ですか?
韓国料理だけじゃなく世界中の料理を作れるようになりたい。
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ジョセファさん(フィリピン)

ジョセファさん(フィリピン)

フィリピン出身のジョセファさんは韓国生活11年目。フィリピンでは輸入貿易のお仕事をされていて結婚を機に韓国へ。調理の仕事は初めてでしたが研修を通して調理について色々学び、今ではケータリングの準備から調理までこなします。
仕事をして楽しい点、大変な点は?
楽しい点は毎日が充実して幸せなこと。大変な点は料理についてはまだ初心者なので勉強する毎日だそう。
休みの日は何をしていますか?
家族と過ごしてのんびりすることが多い。
好きな韓国料理は?
最初の頃は何もかもが口に合わなかったけど何でも食べられるようになった。けど、お刺身はまだまだ苦手。
今後の夢は何ですか?
将来はどの国に移住するか分からないけど、どこへ行っても家族で楽しく暮らしたい。
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マリアさん(インドネシア)

マリアさん(インドネシア)

インドネシア出身のマリアさんは、なんと韓国生活16年の大ベテラン。中学1年生の娘さんがいて育児はもうお手の物かと思えば、韓国の受験戦争が悩みの種だとか。
大御所の貫禄でケータリング部門を任されているマリアさんですが、実は料理の仕事は韓国に来てから始められたそう。インドネシアでは秘書として、韓国ではインドネシア大使館でキャリアウーマンとして仕事をされていたそうです。韓国人のご主人との結婚を機に主婦となり、子育てが一段落した頃にお料理教室へ通いだし、縁があってハジャセンターの食堂で1年半働いてからケータリング部門に抜擢されて最近移って来られたそうです。

仕事をして楽しい点、大変な点は?
楽しい点は仕事がおもしろくて毎日が充実し自信感にもつながった。インドネシア料理を広めることができてうれしい。大変な点は在住暦が長いけど韓国語での細かいニュアンスなどの説明が未だに難しい。
休みの日は何をしていますか?
福祉館で知り合ったカンボジア、タイ、日本の外国人ママ達とお出かけするのが楽しみ。
好きな韓国料理は?
ナムル・・・元々肉や魚はあまり食べないので野菜中心の韓国料理が好き。
自慢の自国料理は?
ケバル(牛肉のココナッツカレー)・・・今後ケータリングメニューに登場予定だとか。
今後の夢は何ですか?
いずれは家族でインドネシアの故郷ジャカルタに戻って、ここでの経験を生かして食堂をやってみたい。
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ケータリングチームはどんなお料理を作ってるんでしょうか・・・。ちょっと覗いてみましょう♪
トイさんは、カリフォルニアロールの具になる蟹のマヨネーズ和えを作ってる最中。
マリアさんはインドネシア料理の代表、サテ(焼き鳥)を秘伝のピーナッツソースに合えています。
ジョセファさんは韓国料理のチヂミを調理中♪
調理が一段落し、まかない食を作ってみんなでランチ中。
和気あいあいとした雰囲気の中楽しく食事をされていて、スタッフ同士の仲の良さがすごく伝わってきました。
ケータリングの料理

ケータリングの料理

     <ケータリングについて>

ケータリングとは、お料理の出張配達のことです。
調理施設がない場所でも、会場に赴いてセッティングからサービング、片づけまでしてくれるので、最近韓国でも需要が高まっています。
会社、デパート、学会、自宅でのパーティなど、会の趣旨や性別、年齢などを考慮してメニューが決められています。
こちらでは韓食、洋食、ティーパーティ、ワインパーティなど、お客のご希望に添ってあらゆるプランにお答えできるそうですよ。
昨年12月31日には、新しくヨンドウンポにできたショッピングモールのカウントダウンパーティで、700人分ものお料理を準備したとか。外国人ママ達がいることで本場仕込みの多国籍料理を楽しめるのがこちらのケータリングの魅力の一つですね。

◇◇食堂部門で働く日本人、みちこさん◇◇

みちこさん(日本)

みちこさん(日本)

日本の岐阜県出身のみちこさんは韓国生活4年になります。食堂で働き出して2ヶ月。韓国人スタッフの補助として働かれています。日本にいた頃は居酒屋でアルバイトをしながら調理師免許を取得されたという頑張り屋さん。日本人の友人を通して紹介を受けて就職されました。食堂はお昼の時間までに調理、セッティングをしないといけないので、嵐のような忙しさです。

仕事をして楽しい点、大変な点は?
韓国料理を直に学べるのが楽しい。辛い点はみなさん同様、韓国語がまだまだ難しい。それから材料の切り方から味付け一つまで日本料理の方法とは全く異なるので難しい。
休みの日は何をしていますか?
仕事を始めたばかりで休みの日はのんびり過ごすことが多い。ご主人が家事を手伝ってくれるようになり助かっている。
好きな韓国料理は?
ユッケジャン、プルコギ、ナムル
自慢の自国料理は?
地元特産の飛騨牛、みたらし団子。”日本料理は甘い”という先入観を持つ韓国人がまだまだいるので、日本料理は素材を生かして作られているということをもっと広めたい。
今後の夢は何ですか?
韓国で家庭料理のお店を出したい。
本日の日替わり定食

本日の日替わり定食

コーミィも食堂でランチをいただいてみました。日替わりで出されるメニューは主に韓国料理。どなたでも4,000Wでいただけますが、もし大人数で来られる場合は要連絡。
02ー2677ー9200 内線216(韓国語)
今日のメニューは、豆もやしのスープ、豚カルビ炒め、唐辛子の酢漬け、昆布揚げ、キムチ、りんご。
中でもコーミィが一番気に入ったのは、唐辛子の酢漬け。
唐辛子を秘伝の調味料で10日間熟成させてできたもので韓国人スタッフの自信作だそう。辛さの中にも酸っぱさと甘みが調和してご飯にとても良く合いました。
こちらの食堂では、食器は自分で洗って片付けます。
さすがNPOだけあって助け合い精神が生きてますね。

◇◇カフェ部門で働くロシア人、アリョーナさん◇◇

アリョーナさん(ロシア)

アリョーナさん(ロシア)

ロシアのハバロフスクから来たアリョーナさんは、学生の時にロシアでご主人に会い2002年韓国にやってきました。福祉館の料理教室でマリアさんに出会いカフェの仕事を紹介してもらったそうです。学校を卒業してすぐに結婚の為に韓国に来たので、殆ど働いた経験がありませんでした。
カフェの仕事に就くにあたり、1ヶ月間研修を通してバリスタをイチから学び、今では1人でカフェを任されるほどに。
ロシアの伝統お菓子を作って販売することもあり、楽しく仕事をされています。

仕事をして楽しい点、大変な点は?
色々な人に出会えることが楽しい。コーヒーを作ることも楽しい。辛い点は何もかも分からなかった所から始めたので最初の研修期間は大変だった。
休みの日は何をしていますか?
家族と過ごすことが多い。シオモニ(義母)と同居しているので、一緒にショッピングに行ったりも。
好きな韓国料理は?
カムジャタン・・・ロシア料理に似ていて食べやすいから。
自慢の自国料理は?
クレープ、ロールキャベツ
今後の夢は何ですか?
ずっと韓国で家族仲良く暮らしたい。
カフェには色んな人が訪れます。NPO同士の国際交流で日本からも沢山の方がいらしてるそうです。
今日はアリョーナさんお手製のロシア風エクレアとクッキーが並びました。
ケータリングで働くマリアさんが休憩時間にインドネシアのスカーフを持ってやってきて、話に花が咲いてました。

◇◇弘大(ホンデ)にあるレストランで働く、チンレさん&タティアーナさん◇◇

チンレさん(左)&タティアーナさん(右)

チンレさん(左)&タティアーナさん(右)

昨年11月にオープンしたばかり、”オーガニゼーションヨーリ”プロデュースのレストラン『O YORI(オーヨーリ)』。
ここでウェイトレスとして働くお二人をご紹介します。

ミャンマー人のチンレさんは2005年に韓国に来ました。5才&3才のママです。ミャンマーでは神学校を卒業され、教会スタッフとして幼児クラスで働いていました。結婚で韓国に来てからは、一人目のお子さんが1歳になるまでは殆ど家で過ごし、二人目のお子さんができて育児にも余裕が出てきた頃に、近所のYWCAで韓国語を勉強していました。そしてチンレさんも友人の紹介でマリアさんと出会い、O YORIで働き始めました。

ロシアのウラジオストクから来たタティアーナさんも2児のママです。2002年から韓国に住んでいます。
ロシアでは事務の仕事をしていたので今までレストランで働いた経験はありませんでした。けれど、オーガニゼーションヨーリが主催するバリスタ研修を受けたことで、レストランで働く専門知識などイチから学ぶことができ、ウェイトレスをするのにとても自信がついたと楽しく仕事をされていました。
”オーガニゼーションヨーリ”がプロデュースするレストラン『O YORI(オー・ヨーリ)』は、お洒落で芸術的な街、弘大(ホンデ)エリアにあります。サンス駅から徒歩5分、駐車場通りからちょっと入った路地裏にある、隠れたお店です。レストラン一押しのメニュー『ミーゴレン』、かなりおいしかったです!
レストランの様子については、こちら↓をご参考に!

◇◇多文化ママ達、料理雑誌に連載中◇◇

みなさんは、なんと昨年11月から韓国の料理雑誌に連載を持っているんです。すごい!
毎月テーマを決めて自国の料理を紹介しています。
韓国人にも外国料理が身近なものになってきた証拠ですね~。うれしいかぎりです^^
インタビューを通して、子育てしながらも頑張って働くママ達はどこの国でもキラキラと輝いていて素敵だなぁと思いました。
一緒に働く韓国人スタッフ達にも話を伺いましたが、みなさん一様に同僚の1人として見ていて外国人と意識したことはなく、文化の違いで困ったということもあまりないそうです。
こんな風に韓国人スタッフと外国人ママ達は、お互いに配慮しあい、思いやりを持って楽しく働かれていました。
彼女達のように韓国語を学んだだけではなく、さらに就職もされて充実した韓国生活を送っているのを見ると、羨ましくもあり、さらにパワーをもらいました。
韓国に来たばかりでまだ知り合いも少なく韓国語もできなくてストレスを感じたり、生活に不便を感じている方が沢山いると思います。そんな時は、近所の福祉館で韓国語を学んでみたり、習い事や仕事を探してみるなど何かに挑戦してみると韓国生活がもっと楽しくなれると思います♪ 以上、コーミィがお伝えしました!

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2010-03-05

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