ベストフード「トッポッキ」

おやつにも軽い食事にも!真っ赤な国民的おやつは、実は奥が深い!?


こんにちは!ソウルナビです。韓国では道のあちこちに軽食を売っている屋台や小さなお店がありますが、そんな道端のお店で必ずといっていいほど見かける、広い鉄板の上で湯気を立てている真っ赤な食べ物。よ~く見ると、具には一口大のコロコロしたものが・・・?一体何だかわかりますか!?^^ 正解はトッポッキ!韓国のお餅、「トッ」をコチュジャンなどで甘辛味に調理したものなんです。今日の主役は韓国で軽食の代表といわれるこのトッポッキ!焼肉やプルコギ、ピビンパッみたいな「食事」ってカンジではなく、どちらかというとB級グルメの部類に入るかもしれないけれど、日本でも最近は知名度が上がってきているみたいで「韓国でトッポッキを食べてみたい!」という声を聞くことも。それでは、韓国人にとってはごく身近な食べ物だけど、詳しく見てみると意外と奥の深いトッポッキの世界に皆さんをご案内しましょう~^^

◆◆「トッポッキ」って!?◆◆


昔から韓国では、おやつの定番とされるトッポッキ。トッとは韓国のお餅のこと、そしてポッキとは「炒め」という意味なので、つまり直訳すると「餅炒め」ということ。基本的には、細長い棒状の細長いトッ(餅)をコチュジャン(唐辛子味噌)や砂糖などの味付けで炒め煮したり、またはただ煮たりして甘辛~く仕上げます。これにオデンと呼ばれる薄い魚介の練り物を加えたり、家庭で作られる場合にはネギやキャベツ、ニンジンなどの野菜を入れたりするのも一般的。さらに、ゆで卵やティギム(天ぷら)をトッピングしたり、茹でたインスタントのラーメンを入れたラーメントッポッキ、略して「ラポッキ」なんてのもあります。また、トッポッキに使われるトッ(餅)にはミルカル(小麦粉)で作られた「ミルカルトッ」とサル(米)で作られた「サルトッ」とがあり、サルトッのほうがモチモチした食感で価格も若干高めの場合が多いかも。
コチュジャン

コチュジャン

ゆで卵入りトッポッキ

ゆで卵入りトッポッキ

ラーメン入りトッポッキ

ラーメン入りトッポッキ

小麦粉で作ったミルカルトッ

小麦粉で作ったミルカルトッ

米で作ったサルトッ

米で作ったサルトッ

サルトッにはいろんな形のものが

サルトッにはいろんな形のものが


★大きく分けると、二つのタイプに
トッポッキは屋台やプンシッ(粉食)と呼ばれる軽食店で気軽につまめるものもあれば、トッポッキ専門店のものや、また最近ではフュージョントッポッキといってチーズや海鮮入りのものがあったりも。実はいろんな種類のものがあるんですが、それらを大きく分けると、屋台やプンシッ店、家庭などで主に作られる基本的なトッポッキと、専門店などで見られる鍋タイプの2タイプに。
・屋台風トッポッキ
具はお餅と薄いオデン(薄い練り物)などが入り、ソースが絡まって完成した状態でお皿にのせられて出てきます。屋台では爪楊枝で刺して食べるのが一般的。プンシッ(軽食店)や家庭で作るものにはプラス野菜が入っていることも。
・専門店式の鍋タイプのトッポッキ
専門店のトッポッキは、浅い鍋にお餅を含めたさまざまな具が入っていて、テーブルに備え付けられたコンロの上で鍋料理のように自分たちでコトコト煮込みながら食べます。シメに残ったスープで焼き飯を作ることもあるので、完全に鍋料理の一つといったカンジ。

★一時期人気だった海鮮トッポッキ「ヘムルトッチム」
数年の間に専門店が爆発的に増えた「ヘムルトッチム」のお店。ヘムルとは海産物のことで、魚介類とトッ(餅)をトッポッキのような味の甘辛いソースで炒め煮にした料理なんです。以前からヘムル(海産物)入りトッポッキはあることはありましたが、ヘムルトッチムはテーブルの上のお鍋を煮込みながらいただく専門店式鍋タイプの海鮮トッポッキといったところかな?ただブームはだんだん下火になり、今ではほとんど見かけなくなりました・・・

★まだまだいろ~んな種類が!
その他に、こんなトッポッキもあり。またこれ以外にもチャッチェ(チャプチェ)入りのものがあったりカレー味のものがあったり、その種類は無限のよう!?^^
宮中トッポッキ: 辛くない、一般的に醤油ベースの上品なトッポッキ。薄く切った牛肉や野菜が入っています。韓定食のコースに出てくることも。

宮中トッポッキ: 辛くない、一般的に醤油ベースの上品なトッポッキ。薄く切った牛肉や野菜が入っています。韓定食のコースに出てくることも。

チーズトッポッキ: トロ~リとろけるチーズのかかった人気のトッポッキ。甘辛い味とまろやかでコクのあるチーズは相性◎!

チーズトッポッキ: トロ~リとろけるチーズのかかった人気のトッポッキ。甘辛い味とまろやかでコクのあるチーズは相性◎!

チャジャントッポッキ: チャジャンミョンのような、黒いソースで作るトッポッキ。辛くないものと、こう見えても実は辛いものがあり。

チャジャントッポッキ: チャジャンミョンのような、黒いソースで作るトッポッキ。辛くないものと、こう見えても実は辛いものがあり。

ギルムトッポッキ: コレはマニアック!?知る人ぞ知る、ある市場の有名トッポッキ!名前のとおりギルム「油」っぽいけれどハマると病み付きに。

ギルムトッポッキ: コレはマニアック!?知る人ぞ知る、ある市場の有名トッポッキ!名前のとおりギルム「油」っぽいけれどハマると病み付きに。



★新堂洞トッポッキ通り
そして、ソウルでトッポッキと言って忘れてはならないのが「新堂洞トッポッキ通り」!1950年代に誕生したというこちらは地下鉄2・6号線シンダン(新堂)駅から徒歩約5分のところにあり、通りには十数店のトッポッキ専門店がズラ~リと並んでいます。これらのお店で出てくるトッポッキは屋台のトッポッキとは違い、鍋料理のようにテーブルを囲んでワイワイ食べるスタイル。また、お鍋の中に入っている具もトッ(餅)だけじゃなくキャベツなどの野菜に天ぷらやゆで卵、タンミョン(春雨)にインスタントラーメンなどなど盛りだくさんでとっても賑やか!そんなお鍋をテーブルで火にかけて煮詰めながら、さらにフォークでいただく、というのがお約束とか。元祖的な有名店から規模も大小さまざまなお店が集まるそんな「新堂洞トッポッキ通り」は、週末にもなると家族連れが車を乗り付けてやってくるためにあたりが大混雑になるくらい、現在も人気&有名な通りです。


★女子高生たちの社交場だった!?
それからトッポッキといえばもう一つ。その昔、高校などの学校の近くにあるトッポッキのお店というと各お店にDJのいるミュージックボックスやライブステージがあって、カッコイイDJ目当てに若い女性がたくさん集まり、歌を聞いたりトッポッキを食べたりした時代があったとか!?特に上で紹介した「新堂洞トッポッキ通り」には当時そんなお店が集まっていたことで有名で、1970年代ソウルで学生時代を過ごした人なら誰しも1度は立ち寄ったことのある、そんな場所だったんだそう^^ 近頃ではそういったミュージックボックスでDJが音楽をかけたりライブ公演をしたりするトッポッキ屋さんはほとんど見られなくなりましたが、新堂洞トッポッキ通りにはその名残からステージを設置しているお店もあるんですョ。

◆◇◆トッポッキの作り方!◆◇◆

ご紹介したように、一口にトッポッキといってもいろんな種類が。ここでは元祖トッポッキというイメージの屋台風トッポッキの作り方を見てみましょう~。またお家で作るなら、みゆき先生の「お家でトッポッキを作ろう!」や「トッ(韓国のお餅)を使ったレシピ」も参考にしてみてくださいネ!

準備するもの:
・トッポッキ用トッ・・・韓国餅。長さ4cmくらいの細長い形をしたものが一般的
・オデン・・・韓国の練り物。薄いタイプのもの
・ソース・・・コチュジャン(唐辛子味噌)、三温糖、唐辛子の粉、塩、好みですりおろしたニンニク
・水飴
1.フライパンになるトレーに水を入れて火にかけます。

1.フライパンになるトレーに水を入れて火にかけます。

2.沸騰したら、トッを入れます。

2.沸騰したら、トッを入れます。

3.再び沸騰したら、ソースの材料を入れます。

3.再び沸騰したら、ソースの材料を入れます。

4.オデンも投入~。

4.オデンも投入~。

5.煮立ってきたら、水飴を加えま~す。

5.煮立ってきたら、水飴を加えま~す。

6.スープの量が半分くらいになるまで煮詰めたら出来上がり~!

6.スープの量が半分くらいになるまで煮詰めたら出来上がり~!


お家で作る場合でもコレを応用できるのでは!?と考えるナビ。ちなみに家庭で作られるトッポッキには、よく野菜が一緒に入っています。お野菜はニンジン、タマネギ、キャベツ、それからネギなどが定番。その他、薄くスライスしたサツマイモやケニップ(エゴマの葉)などもおススメ!このように野菜入りにする時は、これらの野菜(ケニップを除く)をあらかじめ別のフライパンで軽く炒めたものを、上の手順でいうと2番の段階でトッと一緒に加えるとOK!^^ また仕上げにチーズやゆで卵などをトッピングするのも簡単にできます。ちなみに写真はナビの韓国人友がホットプレートで作った紫イモとニンジン入りのトッポッキ。このようにトックッ(餅スープ)用の薄くスライスしたトッ(餅)を使っても、すばやくパパっとできちゃうんですョ!

◇◇ソウルにあるトッポッキのおススメ店、大集合~!!◇◇

<プンシッ店>
「プンシッ」(漢字で書くと「粉食」)とは、いわゆる軽食屋さんのこと。トッポッキはプンシッ店の定番メニューですが、中でもトッポッキが美味しい!と有名なお店は~!?


●SCHOOL FOOD

プンシッらしくない、とってもオシャレなお店でちょっと現代風にアレンジしたプンシッ店や屋台の定番メニューがいただける「SCHOOL FOOD」。ソウルに何店舗かあるお店は、どこもカフェみたいな雰囲気!トッポッキのメニューはいくつかのバリエーションがある中、スタンダードな「キルコリトッポッキ」と、甘くて辛~いタレを存分に堪能できる(!?)「スープトッポッキ」が特に人気とか。ちなみにキルコリトッポッキの「キルコリ」とは「道端の」といったような意味で、まさに屋台で売られているような庶民的なもの。そしてどちらも辛さはかなりのもの!なので、こちらでトッポッキを食べると洗練された雰囲気の中で韓国の庶民的な辛さや味を体験できる!?といったトコロかな~^^


●へファ・トルセアジョッシ

トッポッキの有名なお店がひそかに多い大学路(テハンノ)。その中でも、チーズがたっぷりかかったトッポッキがブログなどの口コミで人気の「トルセアジョッシ」は、地下鉄4号線へファ(恵化)駅からすぐの小さな路地を入ったトコロにあり。グラタン皿のような器に盛られたトッポッキにはトロ~リととろけた2種類のチーズがかかっていて、見ただけでも美味しそう!ソースのお味は濃いめで、かなり辛いほうかも!?中には大きなトッ(餅)のほかにキャベツなどの野菜、たくさんのオデン(薄い練り物)、そしてラーメンまで入っていてボリュームたっぷり!このトッポッキがインスタントラーメンやキムチ焼き飯、トンカツなどとセットになったメニューもあり、食後についてくるアイスも人気^^


●ウォンジョチャジャントッポッキ

韓国料理になった中華(?)料理、チャジャンミョンのような黒いソースで作られるトッポッキが美味しいと評判のお店!場所は地下鉄5・6号線チョング(青丘)駅から徒歩5分ほどの住宅街の中で、中心地からそんなに離れていないとは言っても、ちょっとマニアックな地元感満点のエリアです。店構えも「トンネ(町)にあるフツーのプンシッ店」といった雰囲気。ウワサのチャジャントッポッキはこう見えて実はコチュジャンも入っておりピリ辛。でも普通の赤いトッポッキとは違ってどこかマイルドさも感じられる、どちらかというと濃厚なお味。追加トッピングもイロイロできますが、中でもゆで卵はソースの味が染みていておススメ!^^ また値段の安さも魅力!

●ウォンジョハルモニトッポッキチッ

ソウル五大王宮の一つ、景福宮(キョンボックン)の横に位置する小さな庶民の市場「通仁(トンイン)市場」には、昔から知る人ぞ知る有名なトッポッキのお店が。それがコチラ、「ウォンジョハルモニトッポッキチッ」の通称「ギルム(油)トッポッキ」。確かに他のトッポッキとは違って、ホントに油で炒めたお餅なんです!味はピリ辛のコチュジャン(唐辛子味噌)味と、珍しいカンジャン(醤油)味の二種類。コチュジャンのほうはそんなに辛くはなく、カンジャン味のほうとともに香ばしい独特の香りと味で両方ともやみつきになりそうなお味!?^^ 実際、油っぽいものの苦手な人の多い韓国人の間では意見が分かれるところだけれど、他では見ないこの味を求めてはるばる遠くからやって来る人も!

<トッポッキ専門店>
お次は、トッポッキが主なメニューの専門店!テーブルのお鍋で煮て、みんなでつついていただくタイプのトッポッキを出すお店~!

●オリジナル

韓国一といわれる名門女子大、梨花女子大学校前にある有名店「オリジナル」。女の子たちの大好きなトッポッキ屋さんが多いこのエリアですが、こちらはなんと40年以上の歴史がある老舗!創業当時学生だった方も、おばあちゃんとなって子どもや孫を連れてやってくるとか^^ 味を守り続けるお店の社長さんは現在二代目で、3年程前に改装した明るくキレイなお店には今も若い女の子たちでいっぱい。ボリュームも満点のお鍋タイプのトッポッキにはさらにラミョン(インスタントラーメン)や揚げ餃子、ゆで卵などをトッピングしてみんなでワイワイとつつくのが地元女子大生流!


●モッシドンナ

伝統家屋、韓屋(ハノッ)が並ぶ街並みが人気の三清洞(サムチョンドン)で超有名な、行列のできるトッポッキ屋さん!細~い路地にあるけれど、この行列が表の通りから見えたので見つけられた!というハナシも^^; チーズ、ヘムル(海産物)、プルコギ(焼肉)などのトッポッキメニューはどれもとってもお手頃なうえ、辛すぎずまろやかなスープが美味しいと地元っ子たちに評判とか。ラーメンやマンドゥ、ゆで卵などイロイロと追加トッピングして、残り汁を使ったポックンパッ(焼き飯)でシメるのがおススメ!

<新堂洞トッポッキ通り>
トッポッキといえば超有名な「新堂洞トッポッキ通り」。いくつものお店が軒を連ねる中で、特に人気の2軒をご紹介!

●マボンニム・ハルモニ・トッポッキ 

「新堂洞トッポッキ通り」で人気ナンバーワン、お店の規模も最も大きく一番有名なお店といえばこちらっ!お餅が見えないほど豪快に様々な具が盛り付けられたお鍋のスープはトッポッキの基本、コチュジャンベースだけれど、チャジャンミョンのソースに使われる味噌が入っているのでは!?とのウワサ。それ以外にもさまざまな材料がブレンドされているそうなんですが、そのくわしい配合や内容はマボンニム・ハルモニ(おばあちゃん)以外、「嫁も」だ~~~れも知らないとか!?そう、この盛りだくさんの具と企業秘密のスープがこちらのトッポッキの人気の秘密のよう^^


●アイラブシンダンドン

この通りで、もう一つ有名なお店というとこちらの「アイラブシンダンドン」。実は今このお店のある場所には元々は7軒の小さなトッポッキ店があったところ、経営難に苦しむこれらの7店が合併してオープンさせた、という誕生秘話のあるお店なんです。(なるほど~、だから「I love 新堂洞」って店名なのかな!?^^)もとは別々だったそれぞれのお店の味やノウハウを持ち寄り、研究を重ねて作られたメニューはとってもバラエティ豊富!プルコギ入りのものやチーズ入りの餅が入ったもの、海鮮入り、そして激辛のヌンムル(涙)トッポッキなど、ちょっと変わった新堂洞風トッポッキを食べてみるならココ!

■その他、こちらのお店にトッポッキがあり!

トッポッキのあれこれや美味しいお店などをご紹介してきましたが、ホントにいろんな種類やスタイルのトッポッキがあってなんだか奥が深い!?そんなふうにイロイロあるけれど、やっぱりナビがトッポッキといって思い浮かぶのは道端の屋台やトンネ(町)にある小さなプンシッの店先で、おばちゃんがせっせと作っている真っ赤なトッポッキ。あれって、かな~り辛いものが多いんですよネ~^^; みなさんの気になるトッポッキはありましたか!?スタンダードなものから変り種まで種類のいっぱいあるトッポッキ、みなさんもおやつとして、また軽い食事として気軽につまんでみてくださいね~!以上、ソウルナビでした。

その他情報

*店舗情報、一部内容を更新しました。<2016.1.21>

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2009-05-04

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