特集「夏にぴったり!ひんやり冷たい麺」

冷麺、コングクス、マッククス・・・他にもまだまだある、韓国の冷たい麺!キンと冷えた麺とスープで暑さを吹き飛ばしスタミナ回復!!

こんにちは!ソウルナビです。いや~毎日、暑い、暑い!!・・・え?夏だから仕方がないって!?はは、そうですよね~^^; でも毎日こう暑いと食欲も減退しちゃいそう。しっかり食べて、夏バテしないようにしなきゃいけないのにぃー・・・っと、そんな時におススメなのが冷たい麺料理!よーく冷えたスープや麺をツルツルっといくと、暑さで食欲がないときでもあーら不思議、どんどん食べられちゃう、なんてこともありますよネ。ということで、今日は夏にぴったり、ひんやり冷たい麺特集をお伝えしたいと思います!韓国にも様々な種類のある、冷やしていただく麺料理。おなじみの韓国冷麺からコングクス、マッククス、さらにはあまり聞いたことのないあんな麺まで!?一挙ご紹介していきましょう~!さっそくいってみよ!!

◆◆冷麺◆◆

まずは韓国の冷たい麺料理というと、一番ポピュラー&知名度の高いコレ!韓国冷麺、韓国語では「ネンミョン」といいます。現在は暑い夏の料理として定番だけれど、その昔は寒い冬の日の食べ物だったとか。寒い冬、夕食に暖かいオンドルの部屋に集まって、歯がジーンと痛くなるほど冷たいトンチミ(水キムチ)に麺を入れて食べたのが、ネンミョンの由来と言われています。そして冷麺というと、このような冷たいスープに麺の入ったスタイルが日本では一番よく知られていますが、スープではなく真っ赤な辛いソースと麺を混ぜていただく食べ方も。一般的に、前者は「ムル(水)冷麺」、後者は「ピビン(混ぜ)冷麺」と呼ばれます。
<ムル(水)が主流の平壌式、ピビン(混ぜ)の咸興式!>
もともとは現在の北朝鮮にあたる地方の郷土料理という冷麺。伝わった地域によって麺や主となる食べ方は大きく二つに分かれます。一つは平壌地方の「平壌冷麺」(ピョンヤンネンミョン)、もう一つは咸鏡道の「咸興冷麺」(ハムンネンミョン)。平壌式は蕎麦を主な原料とした香り豊かな麺を牛など肉のダシをベースとしたスープに入れていただく水冷麺スタイルが主流。一方、咸興式のほうはジャガイモやサツマイモのでんぷんで作ったコシの強い麺を、コチュジャンベースのタレと混ぜ混ぜしていただくピビン麺スタイルがポピュラーな食べ方。しかし現在では、平壌式の麺を使ったピビン冷麺もあるし、咸興式の麺を水冷麺にしていただくこともあります。

   -平壌式冷麺-
基本のスタイル水冷麺

基本のスタイル水冷麺

ピビン冷麺

ピビン冷麺

蕎麦の香り高い麺

蕎麦の香り高い麺

   -咸興式冷麺-
水冷麺

水冷麺

基本のスタイル、ピビン冷麺

基本のスタイル、ピビン冷麺

細いけれど弾力のある麺<br>(刺身入りのフェ冷麺)

細いけれど弾力のある麺
(刺身入りのフェ冷麺)

<その他にも、こんな種類があり!>

伝統的な平壌式と咸興式だけでなく、麺にいろんなものが練り込まれてあったり、ちょっと変わった食べ方をしたりと、他にもこんな冷麺がありますョ!
ほのかな緑色が見た目にも涼しい<br>「緑茶冷麺」

ほのかな緑色が見た目にも涼しい
「緑茶冷麺」

真っ黒で弾力と香ばしさが特徴の<br>「チン(葛)冷麺」

真っ黒で弾力と香ばしさが特徴の
「チン(葛)冷麺」

麦の素朴な風味が!?<br>「ポリ(麦)冷麺」

麦の素朴な風味が!?
「ポリ(麦)冷麺」

夏の味覚、大根の若葉キムチ=ヨルムとその漬け汁でいただく「ヨルム冷麺」 夏の味覚、大根の若葉キムチ=ヨルムとその漬け汁でいただく「ヨルム冷麺」 夏の味覚、大根の若葉キムチ=ヨルムとその漬け汁でいただく「ヨルム冷麺」

夏の味覚、大根の若葉キムチ=ヨルムとその漬け汁でいただく「ヨルム冷麺」

激辛味をウリとする冷麺専門店も! 激辛味をウリとする冷麺専門店も! 激辛味をウリとする冷麺専門店も!

激辛味をウリとする冷麺専門店も!

数年前から流行中の「コギ(肉)+冷麺」セット。専門チェーン店でいただけます。 数年前から流行中の「コギ(肉)+冷麺」セット。専門チェーン店でいただけます。 数年前から流行中の「コギ(肉)+冷麺」セット。専門チェーン店でいただけます。

数年前から流行中の「コギ(肉)+冷麺」セット。専門チェーン店でいただけます。

<食べ方は!?>

水冷麺: 麺をハサミで切って、お酢と辛子をお好みの量で加えます。ただし麺の弾力が控えめの平壌式冷麺の場合は、切らずにいただくのがツウの食べ方とか!?
ピビン冷麺: 「ピビン(混ぜ)」ということで、全体をとにかくよく混ぜてからどうぞ~。こちらもハサミで麺を切っておくと食べやすいですョ。

◆◆コングクス◆◆

暑い季節になると、「コングクス(始めました)」という張り紙が食堂で見られる夏の定番麺料理。真っ白なスープの正体は、大豆!水でふやかして皮を取り除いた大豆を茹で、それをミキサーなどにかけてすり潰してから冷やしたものなんです。大豆の他にゴマやピーナッツ、松の実などを少し混ぜるとより香ばしくなるとか。なんだか聞いただけでも栄養がたっぷり詰まったヘルシースープのように感じませんか!?^^ 食欲の減退しがちな夏に、おいしいだけでなく暑さに疲れた体と心に活力を与えてくれる栄養食でもあるそうですョ。実際に大豆は蛋白質と不飽和脂肪酸が豊富で、疲労回復、動脈硬化、老化防止にも効果があるそう。淡白な色や、やさしい味わいに似合わず、実はかなりのスタミナ食!?
<食べ方のポイント!>

塩味がついていない状態で出されることも多いコングクス。そんな時は各自でお塩を加えて、味の調節をしてからいただきましょう。また大豆のスープが麺によく絡むと美味しいので、軽く混ぜ混ぜしながらいただくのがおススメ。それからコングクスのお供に欠かせないのがキムチ。麺とキムを一緒にいただくと単調になりがちな味に変化も出て◎^^

◆◆キムチマリグクス◆◆

冷やしたキムチベースのスープに、素麺を入れていただくキムチマリグクス。ピリ辛で酸味の効いたキムチスープと軽い素麺でさっぱりツルツル!キムチと素麺というシンプルさもあって価格もリーズナブルなものが多く、暑い日に手軽にいただけるメニューです。また焼肉店では食後のシメ用メニューとしてよく登場し、脂っぽいお肉を食べた後のお口直しにもぴったり。その他、プンシク(軽食)店などでもいただけますが、わずかながらこのキムチマリグクスを看板メニューとしているお店も~。
<夏の限定メニュー、ヨルムグクスも!>

キムチの中でも、大根の若葉を漬けたヨルムキムチ。夏によく食べられるキムチですが、このヨルムキムチと漬け汁で作ったヨルムグクスも夏の味として定番!辛味と酸味のきいたさっぱりスープとシャキシャキ歯ごたえのあるヨルムキムチが爽やか~!

◆◆ピビングクス◆◆

こちらは汁ナシの麺。コチュジャン(唐辛子味噌)やお酢をベースとした真っ赤なヤンニョム(薬味)ソースを素麺などの麺に絡ませていただきます。ピビン冷麺の素麺版といったカンジかな!?コチュジャンの甘みやお酢の酸味も感じられるけれど、お店によってはかなり辛いモノも!調理の段階であらかじめ混ぜられているものもよくありますが、食べる前にはもう一度「ピビン」=「混ぜ」てからどうぞ~!こちらもプンシク(軽食)店の定番メニュー。家庭でもよく作られるようですョ。

◆◆マッククス◆◆

ソバを原料として作られた麺料理で、トンチミ(辛くない大根のキムチ)の汁をベースとした冷たいスープをかけていただくのが最もポピュラー。定番の具はトンチミやキュウリ。蕎麦の名産地、江原道(カンウォンド)地方の郷土料理でもあります。なので、江原道にある春川(チュンチョン)の名物料理、タッカルビ専門店には必ずといっていいほどあるメニュー。また、チムタッ(鶏一羽を丸ごと蒸した料理)の専門店にもよくあります。
<スープ有り、無し、いろんな食べ方で>

冷麺や他の麺もそうですが、マッククスにもスープ有りのもの、またはスープ無しのもの、さらにスープの種類も辛いモノや辛くないモノなどがあり、食べ方は様々~。
<大人数でワイワイつつける、「チェンバングクス」!>

チェンバンとはお盆という意味。マッククスの麺にサンチュ・きゅうり・キャベツ・にんじんなどの野菜や果物のナシをトッピングし、コチュジャン(唐辛子味噌)とお酢ベースのソースをかけたものをお盆のように大きなお皿に盛り付けていただくのがチェンバングクス!数人で分けていただくメニューです。

◆◆ネンメミル◆◆

メミルとは蕎麦のこと。写真をご覧いただくと分かると思いますが、見た目は日本のザルソバみたい!?そう、ネンメミルはまさに韓国のメミル(蕎麦)麺を日本式のザルソバのようにしていただく料理。夏になると日式(イルシッ)とよばれる日本風料理店ではほぼ必ず登場し、有名な専門店もあるくらい実はポピュラーなメニューなんです。でも日本の蕎麦とは舌触りも風味もだいぶ違う麺に、ダシの香りよりも甘みが強いことの多いツユの組み合わせは、日本のザルソバを予想していただくと拍子抜けしちゃうかも!?^^; ネンメミルという言い方の他に、「モミル」、「ネンモミル」、「モミルソバ」などと呼ばれることもあり。
<現地ではネンメミルが美味しいと評判のお店!>

◆◆チョゲタン◆◆

チョゲタン(酢鶏湯)とは鶏の冷たいスープのことで夏の保養食として食べられる料理。夏にスタミナの付く料理をいただく「伏日」(ポンナル)にも食べられるそうですよ。スープは基本的に鶏でダシをとり、酢や辛子などを加えてさっぱり風味に仕上げます。具には茹でた鶏肉やキュウリ、葉っぱなど野菜の他、麺も入れられることがあるとか。麺はマッククスや平壌式の冷麺など蕎麦ベースのものがよく使われるそう。もともと麺料理ではありませんが、麺が入っていることも多いチョゲタンも、ひんやり冷たい麺が食べたいときにぴったり!
<ソウルで有名なチョゲタンのお店といえば・・・>

◆◆ミルミョン◆◆

もともと釜山の名物料理であるミルミョン。一般的な冷麺のように蕎麦や芋でなく、“ミル”カル=小麦粉を原料とした麺を使った冷麺のコト。このミルミョンは、朝鮮戦争が勃発した1950年以降、戦争で北から避難してきた戦争難民が、故郷の冷麺を再現しようとし、当時食料不足のため手に入りにくかった冷麺の材料のジャガイモやソバ粉の代わりに、アメリカからの援助物資だった小麦粉を代用してできたのが始まりと言われています。ソウルでは滅多にお目にかかれないミルミョンですが、たまーに食べられるお店も。食べ方は冷麺と同じく、ムル(スープ有り)、ピビン(辛いソースと混ぜるタイプ)などいろいろ。
<ソウルでもミルミョン!>
韓国の冷たい麺ってホント多種多様!麺だけにしても蕎麦や芋、葛、小麦粉などいろんなものを原料としているし、さらに何かが練り込まれているものもあったり。そしてスープも一つ一つの料理によって様々な味がありますよね。みなさんの気になるメニューは見つかりましたか!?さっぱり冷たい麺でツルリと栄養を付けて、元気に夏の韓国旅行を楽しんでくださいネ!^^ それにしても、これだけ冷たい麺の写真を見ると、ナビも食べたくなってきた~~!今日はどれにしようかな!?^^ 以上、暑い季節には冷たい麺を1日一度は食べる、メンクイなソウルナビがお伝えしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2012-08-03

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