日本語ガイド付博物館観覧と螺鈿漆器作り
みなさん、こんにちは。コーミィです。今年のソウルの夏は猛暑の日が続いたり突然大雨になったり、旅行してる方にとってはあまりありがたくないお天気が続きましたね。そんな時にはお天気に関係なくクーラーの効いた涼しい室内で博物館観覧をしてみませんか?今日は日本人の方を対象にしたイベントで国立中央博物館にお邪魔してきました。テーマは『
国立中央博物館の観覧ベストコースを楽しむ伝統文化体験プログラム』と題し、日本語ガイドさんによる詳しい解説付の常設展示観覧と螺鈿(らでん)漆器を製作する伝統工芸体験と目白押しです。こちらの博物館は2010年12月末まで常設展示が無料ということもあり、ちょうど夏休み中のお子さん連れのファミリーや観光客などでにぎわっていました。
国立中央博物館に来たのは今回で2回目のコーミィですが、博物館に来ていつも驚くのはとっても広い敷地と大きな建物!アジア最大級と言われているだけありますね。周辺は龍山家族公園と米軍基地に囲まれているので緑も多くとても静かな場所にあり、南山とソウルタワーの眺めも抜群。さらに驚くのが博物館の最新設備なんです。地下駐車場では駐車券がなく車のナンバーを自動で認識するシステムになっていて、自動でポールバーが上がります。帰る際には駐車場の精算機に車のナンバーを入力するだけで駐車料金を精算してくれます。もし事前精算を忘れてしまっても、出口にも精算できるところがあるのでご心配なく。それから博物館の観覧時にはPDAと呼ばれる映像ガイド機器のレンタルが可能で、もちろん日本語で分かりやすく解説してくれます。
日本語ガイドさんによる観覧スタート
今日は二村洞に在住されている日本人の方々と一緒に参加してきました。博物館はニ村駅目の前に位置していてアクセスもよく、二村洞からすぐなのでたまに遊びに来ているという方がけっこういらしゃいました。入場無料だからこそ気軽にカフェでお茶したり、庭園散策なんていうのも穴場だそうですよ。日本語ガイドさんは韓国人の方でしたが、日本語が流暢で発音もきれいで聞きやすかったです。日韓の歴史について細かく説明をしてくださり、時代背景がよく分かりとても楽しめました。コーミィは写真撮影に忙しくて説明の聞き取りがちょっと疎かではありましたが、記憶に残った範囲で説明していきたいと思います。限られた時間内でベストコースを楽しむ!ということで、各所のポイントごとに作品を観ていきましょう。
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<高句麗時代>
高句麗時代
最初に説明していただいたのは高句麗(コウクリ)時代について。領土は主に中国~北朝鮮の辺りを範囲としていた為、韓国に残る遺跡や文化財はとっても少ないそうなんです。その中で説明していただいたのが右下にある壁画。東西南北に掲げられていた壁画でとても貴重なものだそうです。
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<百済時代>
百済(クダラ)は7世紀に新羅に滅ぼされたあと、1000年もの間土の中に眠っていた香炉が後に発見されました。百済の最後の都は忠清南道の扶余(プヨ)にありました。金銅大香炉の本物は国立扶余博物館に保管されていて、こちらはレプリカだそうです。
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<新羅時代>
新羅(シンラ)時代は韓国の南東部、現在の慶尚道を支配していて都は当時、慶尚南道の慶州(キョンジュ)にあり、数多くの遺跡が発見されています。こちらは『新羅金冠』と呼ばれる6世紀頃の王冠と装飾品です。植物・木・葉・鹿の角・魚など自然のものを象られていて、鹿の角は”復活”、魚は”多産”という意味があるそうです。新羅は騎馬民族の影響を大きく受けているとのことです。
右上の写真は、その装飾品が出土された時のままの状態で展示されています。酸化して黒くなっていますが、大きいものはシルバーで小さいものはガラス玉だそう。
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敬天寺十層石塔は通路でひときわ目立つ石塔です。1348年に建立され北朝鮮のケソン近くで発見されました。1907年に日本に移動し、その後韓国に移され長い年月をかけて復元。以前は景福宮にありましたが現在はこちらの博物館に展示されています。
隣の大きな仏画は日本や中国との相次いだ戦で亡くなった沢山の霊を慰める為に描かれ、お寺の外での儀式で使われたものだそうです。表面はシルク、裏地は7、8枚の韓紙を重ねて使用しています。仏画の下の方には、画家の名前や寄付した人々の名前、寺の名前が書かれています。
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こちらは博物館3階アジア館の仏教彫刻に展示されている仏像です。6、2tのお釈迦如来ですが、布→漆塗り→金箔をほどこしてあり、当時は黄金に輝いていたそうです。仏像に近づいてみると布の切れ端を垣間見ることができます。そしてこちらで見ておきたいのが同じフロアにある
『半跏思惟像』です。姿勢の形がそのまま名前になっていて、片足を反対の足の膝に組み右手を頬に置いて物思いにふけっている姿だそうです。こちらの仏像は撮影禁止となっているので、ぜひ直接足を運んで鑑賞してみてくださいね。
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10世紀~14世紀にかけて高麗時代に作られた青磁です。青磁は中国、ベトナム、韓国だけでしか作られなかったので数も少なくとても貴重なものだそうです。これらは王様のお墓(王陵)から発見され、国宝に指定されたものも博物館で展示されています。
伝統文化体験(螺鈿漆器作り)
ここまで観覧してきましたが、日本語で説明を聞けたことでどれも歴史的に重要な文化財が自分の中でさらに心に残るものとなりました。続いては場所をセミナー室に移動して伝統文化体験の時間です。仁寺洞などでよく目にする貝殻の模様を施し漆を塗った器や家具などを螺鈿(らでん)漆器と言いますが、その漆器を使ってコースターを作ります。まずは日本・中国・韓国の螺鈿漆器の違いを見ていきました。漆の木はアジアにしか分布していないそう。だから漆器はアジア固有のものなんですね。説明を聞いた所で材料の説明とコースター作りの方法を教えていただきました。
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友人作・・・モダンでいいですよね!
<作成工程>
1..紙に下絵を書く
2.絵をトレーシングペーパーでコースターに写す
3.のりを使って貝殻を貼り付ける
4.漆を塗る
5.乾燥
6.完成
私達は1~3の工程を体験し、4&5は博物館の方に手伝っていただきました。意外と簡単に短時間で作成することができて、工作好きなコーミィとしてはかなり大満足でした。
参加されたみなさんの作品はどれも素敵に出来上がっていて一生の思い出になりそうですね。こちらのイベントは基本的に不定期に行っているのですが、もし30人程度の団体で体験を希望したい方がいらっしゃれば、応相談とのこと。興味がある方は一度お問い合わせしてみてください。また国立中央博物館の詳細については下記をクリックしてチェックしてくださいね。
以上、コーミがお伝えしました!
<<2010年国立中央博物館特別プログラム>>
※30人程度の団体で申し込み受付/不定期開催
問い合わせ先:国際交流広報課 マーケティング担当 キム・ユミさん
電話番号:02-2077-9315(日本語)
<国立中央博物館>
※全般的なご質問はこちらへ
案内デスク:02-2077-9085 (日本語)
(問合せ先の内容一部を訂正および追加しました 2010.9.8)
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2010-08-30